「もう高校をやめたい」そう感じている人は、決してあなただけではありません。勉強や人間関係、将来への不安など、やめたいと感じる理由は人それぞれです。
誰にも相談できず、一人で抱え込んでいる人も多いはずです。また、子どもから「学校をやめたい」と打ち明けられ、どう対応すべきか悩んでいる保護者もいるのではないでしょうか。
この記事では、高校をやめたいと感じる主な理由を、実際の声を交えながら解説します。中退後に選べる進路についても整理し、やめたいと感じたときの対処法や、保護者の向き合い方まで具体的に解説しています。
今すぐ決断する必要はありません。ただ、後悔しない選択をするためには、正しい情報を知っておくことが大切です。この記事を読んで、自分に合った道を一緒に考えていきましょう。
高校をやめたい学生はどのくらいいる?
「高校をやめたい」と感じている学生が実際にどれくらいいるのか、気になる人も多いでしょう。そうした気持ちそのものを把握した調査は限られていますが、中退という行動に至った人数から、おおよその傾向を読み取ることは可能です。
文部科学省の最新の調査では、令和6年度(2024年度)の高校の中途退学者は44,571人、在籍者全体に対して約1.4%と いう結果でした。およそ100人に1〜2人が中退している計算になります。
中退には至らなくても「やめたい」と悩んでいる学生は、この数字の何倍もいると考えられます。
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
高校をやめたいと感じる理由
学校をやめたいと感じる背景は、人によってさまざまです。
文部科学省の令和6年度(2024年度)の調査によると、高等学校における中途退学の主な事由とその割合は以下のとおりです。
※国公私立すべての中途退学者数の合計に対する構成比のうち、主な事由を抜粋しています。
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
最も多いのは「進路変更」で4割強を占めています。ここには他校への入学希望に加え、就職や専修学校への進学、高卒認定試験の受験希望なども含まれており、退学の背景には進路選択を見直す動きが幅広く存在することがうかがえます。
ここでは、上記のデータも踏まえ、高校をやめたい理由について解説します。
- 人間関係がつらい
- 勉強についていけない
- 校則や学校の雰囲気が合わない
- 教師や周りの大人と合わない
- 現在の学校ではできないやりたいことがある
- 体調が悪い
- なんとなくやめたいと思う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
人間関係がつらい
高校を中退する動機として全体の35%を占めているのが「学校生活・学業不適応」です。友達関係のトラブル、部活動の上下関係になじめないといった人間関係の悩みは、知恵袋やXの投稿でも多く見られます。
高校入学後に、新しい友人関係がうまく築けず、孤立感を抱いてしまうケースもあります。
全日制高校では毎日同じクラスメイトと顔を合わせる必要があるため、友人とのトラブルがこじれると一気に「学校に行きたくない」という気持ちにつながりやすいでしょう。
以下は高校での人間関係に悩み、やめたいと思っている学生によるYahoo!知恵袋への投稿です。
高校が人間関係でしんどくて通信に転校したいと考えてます。
中学の時、不登校になり中高一貫から地元の中学に行き高校受験をしました。
そこそこな進学校に進学できたのですが今高二で人間関係がほんとに辛くて通信に転校したいとずっと思ってます。
将来は親に迷惑をかけたくありません、、大学には行きたいです。 (一部抜粋)
引用元:Yahoo!知恵袋
この学生は、中学時代の不登校を乗り越えて進学校に合格しています。それでも再び人間関係に苦しみ、「また環境を変えたい」と思う自分に葛藤を抱えている様子がうかがえます。
同時に、大学進学への意欲や「親に迷惑をかけたくない」という思いがあり、自分の限界と将来への希望の間で揺れている心情が読み取れます。
勉強についていけない
学業不振を理由に高校を中退する学生は全体の6.3%にのぼります。高校に入ると教科数が増え、授業内容も一気に難しくなります。厳しい受験を乗り越えて入学したにもかかわらず、授業のスピードに追いつけなくなる人も少なくありません。
特に進学校では周囲に優秀な学生が多いため、成績が伸び悩むと焦りや劣等感を感じやすくなるものです。テストで結果が出ない状態が続くと、自信を失い、「もうやめたい」という気持ちにつながることがあります。
校則や学校の雰囲気が合わない
全日制高校に通っている以上、校則の存在は避けて通れません。髪型や服装、スマートフォンの使用制限など、細かいルールに息苦しさを感じる学生も少なくありません。
X上でも、厳しい校則に対する不満の声が多く見られました。
また、校則だけでなく学校全体の雰囲気が自分に合わないと感じるケースもあります。納得できない校則や、合わない校風で過ごすことで、学校そのものが嫌になってしまうこともあるでしょう。
教師や周りの大人と合わない
学校生活において、教師の存在は想像以上に大きな影響を持っています。担任や部活の顧問との相性が合わないだけで、学校全体が苦痛な場所に感じてしまうこともあるでしょう。
ただ、クラス替えや顧問の変更によって環境が変わると、悩みが解消されるケースもあります。中退を決断する前に、今の悩みが一時的なものかどうかを冷静に見極めることが大切です。
現在の学校ではできないやりたいことがある
将来の目標や興味の変化をきっかけに、中退を選ぶケースもあります。たとえば、海外留学に挑戦したい、スポーツや芸能の分野でプロを目指したい、特定の専門分野に集中して学びたいなど、理由は人それぞれです。
こうした場合は、今の環境への不満というよりも、自分のやりたいことが明確になり、現在の学校では実現が難しいと感じたことが背景にあるといえます。
ただし、勢いだけで判断すると後悔につながる可能性もあります。本当に今の学校で対応できないのか、やめた後にどのような行動を取るのかを具体的に整理したうえで、次の一歩を考えることが大切です。
体調が悪い
体調面が原因で、やめたくなる学生もいます。たとえば、自律神経の乱れによって起こる「起立性調節障害」を抱えていると、立ちくらみやめまい、朝起きられないといった症状が出やすく、毎日の登校が重い負担になります。
起立性調節障害以外にも、慢性的な持病や精神面の不調など、長くつき合う必要のある病気を抱えているケースも見られます。こうした体調の問題は、本人の努力だけで改善するのが難しいこともあります。
その結果として、やむをえず高校中退という選択を取る学生も一定数いるのが現状です。
高校やめたいです。
私は今高二なんですが、高一の3学期から起立性調節障害と軽度のうつ病を患ってしまい、不登校になってしまいました。高一の3学期と高二の1学期は一度も学校に行けてません。朝はしんどいし、授業も分からず、出された課題もこなせてません。このままだと進級できません。死ぬ気で頑張って意地でも進級した方が良いですか?それとももう高校やめちゃっても良いですか?
(一部抜粋)
引用元:Yahoo!知恵袋
この学生は、起立性調節障害と軽度のうつ病を抱えながらも再び登校を始めた強い意志を持っています。しかし、体調面のつらさに加え、授業の遅れや課題の未提出が重なり、「頑張り続けるべきか、やめてもいいのか」という切実な葛藤のなかにいます。
進級への希望を捨てきれない一方で、心身の限界も感じており、誰かに「もう頑張らなくていいよ」と言ってほしい気持ちがにじんでいます。
なんとなくやめたいと思う
明確な理由があるわけではなく、「なんとなく学校に行きたくない、やめたい」と悩むケースもあります。このような状態は「無気力」と呼ばれ、本人も原因が分からず、周りにも相談しづらい傾向にあります。
無気力になりやすいのは、これまで保護者の期待に応えようと勉強や部活に懸命に取り組んできた学生に多いといわれています。「良い成績を残せない自分は価値が無い」「友達をうまく作れない自分はダメだ」と思い込み、自己肯定感が低下し「もうやめたい」という考えにつながりやすくなります。
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高校をやめた場合の選択肢
「高校をやめたら人生終わり」と感じている人もいるかもしれませんが、実際にはさまざまな道が開かれています。中退後の進路は一つではなく、自分に合った方法で学び直したり、社会に出たりすることが可能です。
主には以下の選択肢があります。
- 通信制高校
- 高卒認定を取得後大学進学
- 専門学校
- 海外留学
- 就職
通信制高校
現在、[高校生の約10人に1人が通信制高校に進学(https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20250325_study_01.pdf)しており、その数は年々増加傾向にあります。]通信制高校が選ばれる大きな理由は、他の高校からの転入・編入がしやすく、自分に合ったスタイルで学べる点にあるでしょう。
また、多くの学校では入試での学力試験がなく、面接や作文を中心とした選考を行っています。毎日の通学は必須ではなく、オンラインでの自宅学習を中心に単位を取ります。レポート提出や年数回のスクーリング(登校授業)・定期テストで、卒業と高卒資格の取得を目指す仕組みです。
このような特徴から、次のような人に向いています。
- 毎日決まった時間に登校するのが負担になっている
- 人との会話や集団生活が苦手で、教室にいるのがつらい
- 今の高校の授業スピードが合わず、自分のペースで学びたい
ただし、学習の進め方を自分で管理する必要があるため、モチベーションの維持が課題になります。
学習サポートが充実した通信制高校を選んだり、塾やサポート校を併用したりして、勉強を続ける習慣を作ることが卒業への近道になるでしょう。
以下の記事では、通信制高校への転入・編入の違いや、入学条件、手続き方法などを詳しく解説しています。
高卒認定を取得後大学進学
高校を卒業しなくても、高卒認定試験(高認)に合格すれば、大学入学資格が得られます。かつては「大検」と呼ばれていた試験で、「高校卒業と同等の学力がある」と公的に認められる制度です。
高卒認定試験の主な特徴は以下のとおりです。
- 合格すると、高卒資格が必要な大学・専門学校の受験資格を得られる
- その年度の終わりまでに満16歳以上になる人が受験できる(ただし、すでに大学入学資格を持つ人は受験不可)
- 試験は年2回、各都道府県で実施される
- 出題範囲は高校の基礎科目から構成されている
こうした特徴から、「高校をやめても、大学進学はあきらめたくない」という人に向いています。ただし、試験勉強は独学でも取り組めますが、科目数が多く、計画を立てるのが難しい場合もあります。
高認対策に特化した予備校や通信講座も用意されているため、自分に合った学習方法を選ぶとよいでしょう。
ただし、高卒認定はあくまで大学入学資格を得るための制度であり、高校卒業資格(高卒)が取得できるわけではありません。合格を高校卒業と同等とみなしている採用試験や国家資格もありますが、進学を前提に活用するケースが一般的です。
専門学校
中学卒業後に専門的な分野を学びたい場合には、「高等専門学校(高専)」や「高等専修学校」への進学を検討してもよいでしょう。どちらも中卒で入学できますが、修業年限などが異なります。
【高等専門学校(高専)】
中学卒業後に入学でき、5年一貫(商船学科は5年6か月)で専門的な教育を受ける学校です。機械・電気・電子制御・情報・物質・建築・環境都市工学などの工業系学科が中心で、商船学科を置く学校もあります。
実験や実習を重視したカリキュラムが特徴です。卒業後は製造業などへの就職のほか、専攻科への進学や大学への編入学といった進路も選べます。
【高等専修学校】
中学卒業生を対象に、工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養など、さまざまな専門分野を学べる学校です。実践的なスキルの習得に重点が置かれています。
修業年限は学校・学科により1年以上の幅があり、3年制が一般的です。
また、文部科学大臣が指定した専修学校高等課程(いわゆる『大学入学資格付与指定校』)を修了し、一定の条件を満たすことで、大学入学資格を得ることができます。
ただし、学校によっては毎日通学するカリキュラムが組まれている場合もあります。そのため、不登校の経験がある場合や生活リズムが乱れている場合は、無理のない通学ができるかを踏まえて検討することが大切です。
出典:文部科学省「高等専門学校(高専)について」
出典:文部科学省「高等専修学校とは」
海外留学
日本の高校が合わないと感じている場合、海外留学は環境を変える選択肢の一つです。語学を学んだり、異なる文化や価値観に触れたりする機会を得られる場合もあります。
帰国後に日本の大学への進学を目指す場合は、留学期間や在籍状況に応じて帰国生入試(帰国生徒選抜)の対象になることがあります。ただし、海外滞在年数や現地校での在籍・卒業状況、帰国後の経過年数などの出願要件は大学ごとに異なるため、志望校の募集要項を事前に確認することが大切です。また、高卒認定試験に合格すれば、大学入学資格を得ることもできます。
ただし、留学にはまとまった費用がかかるうえ、現地での生活に適応する必要もあります。事前に「留学の目的」や「帰国後の進路」を整理し、保護者と十分に話し合ったうえで決断するとよいでしょう。
就職
高校を中退して就職するという道を選ぶこともできます。自分で収入を得る経験を通じて、働きながら新たな目標や進路が見えてくることもあります。
一方で、あらかじめ理解しておきたい点もあります。最終学歴が中卒の場合、応募条件として高卒以上を求める求人もあり、応募できる仕事の範囲が限られる場合があります。また、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」では学歴別の平均賃金が集計・公表されており、学歴によって給与や待遇に差が見られる職種もあります。
ただし、働き始めたあとでも進路を広げることは可能です。通信制高校や定時制高校で学び直して高卒資格の取得を目指したり、公共職業訓練(ハロートレーニング)などでスキルを身につけたりすることで、将来の選択肢を広げていけます。
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
高校をやめたいと感じる時の対処法
「高校をやめたい」と感じているけれど、どうすればいいのか分からず、一人で悩んでいる人も多いでしょう。
ここでは、気持ちを整理するステップや、周りへの相談の仕方、専門機関の活用方法などを解説します。
やめたい理由を整理する
「やめたい」という気持ちが先行しているときほど、一度立ち止まって理由を書き出してみることが大切です。友人関係や勉強、漠然とした不安などを書き出すことで、気持ちを整理しやすくなります。
理由が明確になると、「今やめるべきなのか」「他に解決策はないか」が見えてくるでしょう。感情だけで決断すると後悔につながりやすいため、まずは自分の気持ちを「見える化」することから始めてみてください。
やめた後どうするか考える
大切なのは「やめた後にどうするか」を考えておくことです。通信制高校への転入、高卒認定試験の受験、就職など、これまでに紹介したように複数の選択肢があります。見通しがないまま中退すると、行動に移せず時間だけが過ぎ、後悔につながる可能性があります。
半年後・1年後の自分がどうなっていたいかを想像し、そのために今何をすべきかを逆算して考えることが重要です。親や学校の先生に相談する
気持ちがまとまってきたら、信頼できる大人に相談してみましょう。保護者には言いづらいかもしれませんが、進路や費用面のことを考えると、できるだけ早い段階で本音を伝えたほうがよいでしょう。
また、担任や進路指導の先生、スクールカウンセラーに相談することで、学校の制度や進路の選択肢について具体的なアドバイスを受けられます。手続きの流れや必要な準備についても教えてもらえるため、今後の見通しを立てやすくなるでしょう。
相談機関や専門家に相談する
いきなり親に相談しづらい場合は、まず第三者の相談機関を利用する方法もあります。利害関係のない立場だからこそ、安心して本音を話しやすいというメリットがあります。主な相談先は以下のとおりです。
- 各自治体の教育相談センター・教育委員会の相談窓口
- 児童相談所・子ども家庭支援センター
- スクールソーシャルワーカー
- 不登校・中退支援を行うNPOやフリースクール
- 通信制高校・サポート校の進路相談窓口
- 24時間子どもSOSダイヤルなどの電話・チャット相談
多くの窓口では匿名での電話やオンライン相談も可能です。専門家に話すことで状況を客観的に整理でき、具体的な選択肢や次の行動が見えてくることもあります。そのうえで、保護者への伝え方についてアドバイスをもらうこともできるでしょう。
別の学校や学び方を調べる
今の学校以外にも、自分に合った学び方や進路は複数あります。通学スタイルや学習ペース、学べる内容は学校ごとに異なるため、どのような選択肢があるのかを知ることが大切です。
まずは、公式サイトの閲覧や資料請求で情報を集めましょう。興味のある学校が見つかったら、説明会や体験入学に参加し、実際の雰囲気やサポート体制を確認することで、自分に合う環境かどうかも判断しやすくなるでしょう。焦って決めるのではなく、複数の選択肢を比較しながら検討することが重要です。
高校をやめたいと子どもに言われた時の親の対応
子どもから「高校をやめたい」と言われたとき、驚きや不安から感情的に反応してしまう保護者も多いでしょう。しかし、その一言を伝えるまでに、子ども自身も長い間悩み、勇気を出して打ち明けてきたのです。ここでは、保護者としてどのように向き合えばよいのか、具体的な対応のポイントを解説します。
- 子どもの意見を否定しない
- 高校をやめたい理由を聞く
- 高校中退後の進路を子どもと話し合う
- 学校や専門機関に相談する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
子どもの意見を否定しない
子どもから「高校をやめたい」と言われたとき、最も大切なのは頭ごなしに否定しないことです。「何を言っているの」「頑張りなさい」などと話も聞かずに否定してしまうと、子どもは「やっぱり言わなければよかった」と、気持ちを閉ざしてしまう可能性があります。
まずは「話してくれてありがとう」という姿勢で、最後まで耳を傾けましょう。否定せずに聞くことは、やめることに賛成するという意味ではありません。怒られるかもしれないと思っていた場合でも、保護者が落ち着いて受け止めることで、子どもも安心して本音を話しやすくなります。
感情的になりそうなときは、「少し考える時間をもらえる?」と伝え、いったん距離を置くことも有効です。お互いに冷静な状態で向き合うことが、その後の話し合いを前向きに進めるポイントになります。
高校をやめたい理由を聞く
次のステップとして、「なぜやめたいのか」を丁寧に聞き出してみましょう。聞く際に気をつけたいのは、「なんで?」「理由は?」と詰問調にならないことです。「いつ頃からそう思うようになった?」「学校で一番つらい時間はどんなとき?」と、子どもが答えやすいように具体的な聞き方を心がけてみてください。
子どもが話している途中で口を挟みたくなるかもしれませんが、まずは最後まで聞くことを意識しましょう。
高校中退後の進路を子どもと話し合う
やめたい理由が見えてきたら、中退後の進路について子どもと一緒に考える時間を持ちましょう。さまざまな選択肢のなかから、子どもの希望や性格、今の状況に合っているかを考えながら検討することが大切です。
重要なのは、保護者が一方的に決めるのではなく、子ども自身が「自分で選んだ」と思える状態を作ることです。「こういう学校があるけど、どう思う?」と情報を共有しながら対話を重ねていくと、子どもも前向きに考えやすくなります。
また、学費や将来の働き方など、保護者側の考えや不安も率直に伝えましょう。お互いの思いを共有することが、信頼関係の維持にもつながります。
すぐに結論を出す必要はありません。学校見学や資料請求などを一緒に進めながら、時間をかけて納得できる進路を探していくことが大切です。
学校や専門機関に相談する
家庭だけで抱え込まず、外部のサポートも積極的に活用しましょう。まずは担任やスクールカウンセラーに状況を伝えることで、クラス替えや別室登校など、校内で対応できる方法が見つかる場合もあります。
学校側も相談を受けて初めて状況を把握できることがあるため、早めに共有することが大切です。また、中退に関する手続きやこれまでの対応例など、具体的な情報を得られる点もメリットです。
さらに、自治体の教育相談窓口や不登校支援のNPO、心理相談機関などを利用することで、第三者の視点から助言を受けることもできます。不登校や学校に関する悩みの相談を数多く扱っている専門機関では、過去の事例を踏まえたアドバイスを受けられるのも特徴です。
「家庭」「学校」「専門機関」といった複数の視点を取り入れることで、より適した対応策や進路の選択肢を見つけやすくなります。
以下の記事では、高校生の不登校の実態や原因、親ができる具体的な対応方法を詳しく解説しています。子どもの不登校に悩んでいる保護者の方は併せてお読みください。
「社会で生きていける力」を。
- 入学前不登校経験者8割。
入学後登校率89% - ぷよぷよ、モンスト開発者、
日本一になった起業家
から直接学べる - docomo、Lotte、Mixiなど
大企業と連携したプロジェクト型学習

高校をやめたいあなたへ 通信制高校・サポート校の職員がアドバイス
ここまで、「高校をやめたい」と悩んでいる学生さん、お子さんから相談を受けて戸惑っている保護者の方に向けて、対処法や対応のポイントについて解説してきました。
しかし、「実際のところどうなのか」「通信制高校の現場の声が聞きたい」と感じている生徒・保護者の方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、サポート校であるHR高等学院の立ち上げを担当された恒弘 大輔さんに、率直な意見を聞かせていただきました。
【恒弘 大輔さんプロフィール】
早稲田大学教育学部卒。2018年に株式会社トライグループに入社。家庭教師事業・個別教室事業を中心に新規事業開発責任者、事業戦略、マーケティング、拠点拡大、採用育成など幅広く従事。累計1,000名を超える家庭の教育コンサルティングと課題解決を行う。もっと世界の様々な教育を学びたいという思いから、2023年同社を退職し教育をテーマに世界一周を行い、5大陸53カ国を旅する。各地の教育機関や学校を訪れたり、開戦直前のイスラエル/パレスチナ、アフリカの貧困など様々な国のリアルを目の当たりにする中で、「これからの世代の子どもたちに本当に必要な学びは何か」を先進国・途上国の子どもたちから学ぶ。非認知能力やキャリアへの探究心を育てる未来の教育の姿に共感し、2024年株式会社RePlayceに参画。2025年に開校したHR高等学院の立ち上げを担当。
通信制高校への転編入は年々増加傾向
— 通信制高校に編入してくる学生さんの割合について、現場の肌感覚を教えてください。
年々増えてきていると感じます。これは通信制高校に通う人の数自体が増えているのと同じく、高校に入った後で通信制への転学を「選択肢として持てる人」が増えているからだと思います。
今までは、親の転勤などでもない限り「入った学校を変える」という発想自体を持てない人が多かったんですよね。
— 価値観が変わってきているということでしょうか。
そうですね。この傾向は、現在の働き方と一緒かもしれません。
一昔前は「1つの会社に入ったら定年までそこで働く」のが当たり前でしたが、今は転職も当たり前になりましたよね。学校も同じで、入ってみないと環境って分からないものです。
本来であれば、合わなかったら合う環境を選べばいいだけの話なんですが、これまでは「入学した学校を卒業するのが普通」「自己都合の転校はやってはいけないこと」という雰囲気がありました。
そこがいい意味で崩れてきているなと感じます。
— ちなみに、HR高等学院では編入生と新入生の割合はどのくらいですか?
かなり多いと思いますが、転編入学で入る方が全体の4割ほどいます。
補足すると、新入学と転編入学の違いは「高校1年生の4月で入学する場合のみ新入学」という扱いで、高1の5月以降や高2、高3の4月に入学する場合も「転入学」になります。
そのため、4月入学の中にも、新高1・新高2・新高3の方がそれぞれいらっしゃるんです。
「なんとなくやめたい」と感じる学生への対応
— 明確な理由は説明できないけれど「やめたい」気持ちが先立っている学生さんに対しては、どのようなサポートをされていますか?
「本人にとっての幸せの選択は何だろう」 というのは必ず考えるようにしています。
どの学校に進学するかは手段であって、在籍すること自体が価値ではないですよね。
「ここで学びたいことがある」「文化祭が盛り上がっているからこんな学校でやりたい」「〇〇部を頑張りたい」「この大学に進学したい」など、何かしら所属したい理由があって学校を選んでいるはずなんです。
— なるほど、目的が大切ということですね。
今の環境を変えたいと思っている方に必ず聞くようにしているのは、「どこに所属するか」ではなく「高校時代をどんな風に時間を使っていきたいのか」 です。
所属先ありきではなく、時間の使い方から逆算して考えるようにしています。そこが整理できれば、今の学校に残るのか、別の環境に移るのかという判断軸も自然と見えてきます。
続けるべき?環境を変えるべき?の判断基準
— 「我慢して通い続けるか、思い切って環境を変えるか」で悩む学生さんも多いと思います。判断基準はありますか?
「続けることで自分にいいことがあるか」に尽きると思います。
例えば勉強や部活が厳しくてしんどい環境でも、それを乗り越えることで人間力がついたり、後から「あの時踏ん張っといて良かった」となるケースもありますよね。
「自分にとって必要なストレスだ」と納得ができるなら、残るのもありかなと思います。
— 逆に、環境を変えた方がいいケースは?
潰れてまでやるべきことではないので、「ここに残ることでこんないいことがありそうだ」と言葉にできない状態なら、思い切って環境を変えるのは有効 だと思います。
具体的には、学びがそもそも受けられていない、学ぶ意欲がどんどんそがれている、友達に会うのがしんどくてお腹が痛くなるとか……。
そういった状態で「我慢する明確な理由」が作れないのなら、環境を変えていいと思います。
— 実際に相談を受ける中で多いのはどちらですか?
「学校を変えたい」っていうメッセージを伝えられる時点で、本人の中で考え抜いている場合がほとんどなんですよね。
そのため、「思い切って転学した方がいいね」となる学生の方が多いと思います。私たち職員としても、後押しする方向で関わることが多いですね。
今回、この記事を読んでくれた学生さんがまさにそうですが、こうした記事を見つけて読んでいる時点で、自分の中で「学校を変える」という選択肢がかなり現実味を帯びていて、行動に起こすぐらいに動機が育ってきているということなんです。
お子さんから相談を受けて、この記事に辿り着いた保護者さんに関しても、お子さんなりに考え抜いてメッセージを伝えてくれているケースが多いので、意見として尊重するべきだと思います。
ただし、今の環境でできることがあればそれを必ず話します。「転学する前に、今の学校でこんなことをやってみたら? それで状況が変わらなかったら転学しよう」と伝えることもありますね。
保護者へ転学を相談する際のポイント【学生向け】
— 学生さんが保護者の方に転学の意思を伝える際のポイントは?
1番は「変わった環境で何を頑張りたいか」を明確に話してあげることだと思います。
— 保護者の方が反対する理由はどこにあるのでしょうか?
大きく2つあります。1つは、保護者世代にとって高校転学はイレギュラーだったので、そもそも想像できない選択肢として反対するケース。
もう1つは「本人にとって本当にハッピーな選択なのか」を心配して、安易な判断ではないかと不安になって反対するケースです。
— どちらの場合も共通して大切なのは──
「自分は新しい環境でこういうことを頑張りたいんだ」と明確に伝え、行きたい理由を分かってもらうことです。
それでも反対されたり、伝えるのが不安だったりする時は、遠慮なく職員に頼ってください。我々から保護者の方にお話しすることもできますし、一緒に話し合う場を設けることもできます。
1度学校に来ていただいて、最新の通信制高校事情をお伝えし、保護者の方の価値観をアップデートしていただくこともできます。いろんなところで役に立てるかなと思います。
子どもから「やめたい」と言われた時の対応【保護者向け】
— 逆に、お子さんから転学の意思を伝えられた保護者の方は、どんなことに気をつけるべきでしょうか?
まずは本人の意見を傾聴することです。誰しも高校生活はいいことばかりじゃありませんし、「高校やめたいな」「嫌だな」と思うこと自体は誰にでもあるんです。
それでも、保護者の方に直接相談しようと思うまでには相当な心理的ハードルがあります。その上で切り出してきた時点で、本人なりにいろんなことを考え、不安を抱えながら伝えてくれていると思います。
そのため、まずは意見として尊重してあげて欲しいですね。
— 特に避けるべきリアクションはありますか?
最初に聞いた時は「えっ」と驚いたり、反射的に嫌だと思ったりするかもしれませんが、話を聞かずに反対するのは避けてほしいですね。
まずは「なぜその発言に至ったのか」「なぜ今日相談しようと思ったのか」を丁寧に聞いてあげてほしいです。そこに至るまでにはいろんな出来事があったはずなので、その背景を一緒にたどってあげるのが大事です。
逆に、話を聞かずに安易に賛成するのも、関わり方として不十分だと思います。
— 話し合いを進めていく中で、保護者の方が意識すべきことは?
私が特に重要だと思っているのが、情報のアップデートです。
我々職員は通信制高校や最新の教育情勢に熟知していて、その選択がどんなキャリアにつながるのか、どんな可能性が広がるのかまで想定して話せます。
一方で、保護者の方が日々お忙しい中で教育情報をアップデートし続けるのは難しいですよね。通信制高校という言葉のイメージが10年前で止まっているケースもよくあります。
— 具体的にはどんな情報を仕入れるとよいでしょうか?
「通信制高校から大学進学って今どうなっているのか」「全日制と通信制の差は今どう縮まっているのか・広がっているのか」「通信制を卒業して活躍している人はどのくらいいるのか」などの情報ですかね。
こういった情報を一度自分で調べて、最新の状況を把握していただきたいです。その際、インターネットに載っている情報が少し古い場合もあるので、職員にぜひご相談いただきたいです。
— どのような情報に注意が必要ですか?
進学実績などは、公式の情報を参照すれば問題ないと思いますが、注意が必要なのはステレオタイプで記述されている情報ですね。
例えば、「サポート校は勉強をフォローする施設」と書かれているサイトが今でもたくさんあります。
一昔前のイメージが根強いのでしょうが、現在のサポート校は学習支援はもう当たり前で、「プラスアルファでどれだけ面白い学びを提供できるか」という場所にアップデートされています。
HR高等学院をはじめ、いろんなサポート校が知恵を絞りながら学びの場を作っています。
今の自分の知識の範疇で良し悪しを判断するのではなく、「この領域の情報は目まぐるしく変わっているんだ」という前提で最新情報を入手していただきたいですね。
HR高等学院での実際の事例
— 印象的な学生さんの事例があれば教えてください。
ある中高一貫校に通っていた学生さんが印象的です。
元々は人前で話すのが好きだったのですが、その学校の荒波の中で自分を出すのが怖くなってしまって、自信を失ってしまった方がいました。通い続けるのがしんどくなり、HR高等学院に来てくれたんです。
— HR高等学院に来てからはどう変わっていきましたか?
入学して最初の1ヶ月はまだ少し悩んでいたんですけど、2ヶ月目ぐらいから周囲とコミュニケーションが取れるようになっていって、今では学校イベントの企画をがっつり担当しています。
HR高等学院では結構難しいテーマを問うセッションを行うのですが、そういったものにも果敢に発言してくれるようになって、自分の将来に対してもすごくポジティブになっていきました。
— 大きな変化ですね。
本人が企画したイベントに来られた保護者の方が、その姿を見て思わず涙されたんですよ。
「HR高等学院を見つけてくれてありがとう」と言ってくださって。今の環境が合っていないと、人ってその中ですごく縮こまってしまうんですよね。
でも、そんなことを一切気にせず自分の好きなことや得意なことを思いきり出せて、それを認めてもらえる環境があれば、もっと花開いて羽ばたける方はたくさんいるんだろうなと感じた事例です。
— 今の環境で息苦しさを感じている人にとっては、参考になる話ですね。
そうですね。今の環境に違和感を感じている、合っていないと感じる、自分を押し殺して我慢しているという感覚があるなら、こういう事例も参考にしていただけたら嬉しいです。
高校をやめたいと悩むあなたへのメッセージ
— 最後に、悩んでいる学生さんと保護者の方双方へメッセージをお願いします。
「ポジティブなきっかけ」にしてほしいなと思います。何かをやめることは、「努力を続けることが大事」「忍耐が大事」という日本文化に少し合わない感じがあるかもしれません。
でも、1発で自分とぴったり合う環境を見つける方が難しいんです。それだから、「環境を変えたい」と思う気持ちは、決してネガティブなものではないと思います。
環境を変えたいという気持ちを、ポジティブなエネルギーと捉え、そのエネルギーが湧いている自分をまず肯定してあげてほしいです。そのうえで、「自分にとって最も納得感のある進路は何か」「後悔しない高校生活が送れるのはどこか」を一生懸命考え抜いて、後悔のない選択をしてほしいなと思います。
通信制高校サポート校「HR高等学院」をご紹介
HR高等学院は、社会にいちばん近い学びを目指す新しい教育機関です。
「探究・越境・共創」をテーマに、教科書だけでは学べない実社会とつながった学びを大切にしています。
柔軟な学習スタイル
HR高等学院の大きな特徴は、学び方を自分で選べる点です。完全オンラインから週5日通学まで、体調や生活リズムに合わせて自由に組み合わせることができます。
最初は週1日だけ登校し、慣れたら登校日数を増やしていくといった段階的な通い方も可能です。一人ひとりに寄り添う手厚いサポート
HR高等学院は、提携する通信制高校の「学びのサポート役」でもあります。
通信制高校の学習は自宅でのレポート作成が中心となるため、「自分で計画的に進められるだろうか」と不安を感じる人もいるでしょう。HR高等学院では、レポート提出やスクーリング、認定試験の進め方まで、専任のサポーターが個別に丁寧に伴走します。
「気がついたらレポートの締め切りが迫っていた」という事態にならないよう、こまめに声をかけながら、高卒資格取得までの道のりを一緒に歩んでいきます。
社会とつながる独自のカリキュラム
HR高等学院では、社会で本当に役立つ力を育む独自のカリキュラムを用意しています。
- docomoやLOTTEなど有名企業と連携したプロジェクト型学習
- 各業界の第一線で活躍するプロフェッショナルによる授業
- ビジネス・アート・テクノロジーなど多彩な専門ゼミ
以下の動画は、登録者150万人を超えるYouTubeチャンネル『ReHacQ』のプロデューサー・高橋弘樹氏がHR高等学院で行った授業の様子です。 第一線で活躍するプロから直接学べる環境がどのようなものか、ぜひ雰囲気を感じてみてください。
このように、HR高等学院では「教室の中だけで完結する学び」ではなく、社会とつながりながら自分の可能性を広げていく学びを大切にしています。「勉強は苦手だけど、好きなことなら夢中になれる」そんな学生にとって、新しい自分を発見できる場になるはずです。
進路・キャリアサポート
HR高等学院では、単に受験勉強だけに時間を使うのではなく、プロジェクト学習やゼミ活動などの経験を「成長体験」として積み上げ、進学や就職の場面で活かせるようサポートします。
進路は、大学進学・就職・起業まで、幅広い選択肢に対応しています。特に、世界大学ランキング上位校への推薦枠もあるため海外の大学への進学も可能です。
専任のサポーターが一人ひとりの興味・適性・将来の目標を丁寧にヒアリングし、どの道を選ぶ場合でも個別に伴走しながらサポートを行います。「やりたいことがまだ見つかっていない」という段階でも問題ありません。学びや体験を重ねるなかで将来の方向性を一緒に探り、納得のいく進路へとつなげていきます。
最後に
この記事では、高校をやめたいと感じる主な理由や中退後の選択肢、後悔しないための対処法、そして保護者としての向き合い方について解説しました。
「高校をやめたい」という気持ちを抱えているとき、先が見えない不安に押しつぶされそうになることがあるでしょう。しかし、高校を中退しても人生が終わるわけではありません。一歩外に目を向ければ、あなたが知らない学び方や生き方はたくさん広がっています。
環境を変えることは「逃げ」ではなく、自分の人生をより良くするための前向きな選択です。
HR高等学院では、一人ひとりの状況に合わせた学び方を一緒に考えています。「まずは話だけでも聞いてみたい」という方は、気軽に説明会や個別相談会に参加してみてください。



早稲田大学教育学部卒。2018年に株式会社トライグループに入社。家庭教師事業・個別教室事業を中心に新規事業開発責任者、事業戦略、マーケティング、拠点拡大、採用育成など幅広く従事。累計1,000名を超える家庭の教育コンサルティングと課題解決を行う。もっと世界の様々な教育を学びたいという思いから、2023年同社を退職し教育をテーマに世界一周を行い、5大陸53カ国を旅する。各地の教育機関や学校を訪れたり、開戦直前のイスラエル/パレスチナ、アフリカの貧困など様々な国のリアルを目の当たりにする中で、「これからの世代の子どもたちに本当に必要な学びは何か」を先進国・途上国の子どもたちから学ぶ。非認知能力やキャリアへの探究心を育てる未来の教育の姿に共感し、2024年株式会社RePlayceに参画。2025年に開校したHR高等学院の立ち上げを担当。