HR高を選んだのは、
自分史上「最大の攻め」だった
中三の時に受験勉強とか人間関係がストレスになって、出席日数が足りなくなっちゃったんで、もともと行きたかった高校に行けないってなって。じゃあ通信制高校しかないなってことで、通信制高校を探していた時に、母がここを見つけてくれました。それまで通信制高校っていうのはしぶしぶっていうか、そういう感じの選択だと思ってたんです。インスタのプロフィールに高校の頭文字書くんですけど、最初はちょっと嫌だなって思ってた。でも今、堂々とHRって書いてるし、友達に聞かれても普通に通信制高校サポート校だよって答えてて。ネガティブな気持ちでHR高を選んだわけじゃなくて、ポジティブな気持ちで、自分史上「最大の攻め」としてこの選択をと取れたのがよかったって思ってます。

ホームページを見たら
何ここ、って思った
考えていたのは大きい有名なところだったので、HR高ってどこ?って思って、なんか大丈夫なところなのかなっていう気持ちもあったんですけど、ホームページを見たらすごく作り込まれてておしゃれだし、しっかり読んでみたら安心しました。それでHR高の説明会で学校の説明を聞いて。その前日にも他の学校で説明を聞いたりしてたんですけど、なんかもう直感的にここかも、って思って、お母さんに「ここにする」って言って決めましたね。


ドコモやロッテに
プレゼンできるのが楽しい
企業PBL、新規事業の授業があるんですけど、ドコモの人にプレゼンする機会があって。そのプレゼンに向けて、今はグループに分かれて準備していて、ゼロから自分たちで考えるっていうのがすごく楽しいし、実際にドコモの人にいいねって言ってもらえる。そんな会社と一緒にやれるなんて、普通のところだと全然ないので楽しいですね。


みんな本当に不登校だったの?
不登校経験者が8割くらいいるって聞いていたので、みんな友達になれるのかなって思ってて。でも、全体の半分くらいが週5登校なんです。不登校だった子たちが毎日通ってて、その中で人間関係うまくいくのかなっていうのが一つ心配なことだったんですけど、本当に中学の時不登校だったの?って思う人がすごくいっぱいいて。みんな本当に明るいし、自分の好きなこと突き詰めてやってる子もいるし。学校が終わったあとにみんなでカラオケ行ったりご飯食べに行ったりたくさんしますし。通信制高校を選ぶ時にいわゆる青春みたいなのは半分あきらめてたので、友達と遊んだりとかできるんだなって。想像してなかったので嬉しいです。

嫌なことも全部、自分の一部
ありのままを好きになれた
うつ病になった期間に、自分とすごく向き合ったんです。自分がすごく嫌いで、大嫌いだった。他の人と比べて自分を評価することでしか、自分のことを褒めてあげられなくて。それがすごく嫌だったんですよ。必然的に、他人を見下してるような形になっちゃってたので。その、もう落ちるところまで落ちた時に自分と向き合って、向き合った結果、自分のことをありのまま好きになったっていうか、愛せるようになったんですよ。
中学の3年間、中三の1年間だけとっても、嫌なこといっぱいあって、思い通りにいかないことだらけだった。HR高の前に、別の北海道の高校を一回受けてたんですけど、そこも落ちてて。もう終わったって思ってたんですけど、その一週間後くらいにHR高に出合えた。今までの嫌なことも全部、自分の一部じゃないですか。今日学校行くか行かないかも。その全部の選択が、今の自分につながってるって思うと、人生に無駄なことなんてない気がしてて。自分に根拠のない自信があるし、これからの人生絶対うまくいくって自信がある。自分のことを好きになってから、すごく楽しいです。


出せなかった部分が今出せてるし、
得意なことを思い出した
普通の中学校とか高校って、ちょっとでも飛び出たことをやろうとすると冷ややかな目線を送られたりするじゃないですか。真面目にやると馬鹿にされたようなことを言われたりとか。これやりたいですって言っても先生に否定されたり。HR高にはそういう大人もいないし、そういう子なんて一人もいない。みんなすごく応援してくれるし、大人も協力してくれる環境にいると自信もつくし。変わったっていうよりも、出せなかった部分が、今出せてる感じだと思います。最近、絵を描くのが好きだったことを思い出して、描くことを始めたりとか、プレゼンするのも得意だったなって思い出して、機会があったら自分でやるようにしてて。やってみないとわからないじゃないですか、好きか嫌いか。この3年間で自分の好きを見つけたいなって思ってます。


違和感を抱えている人と一緒に、
もっと教育をよくしていきたい
8月にU18教育サミットっていうイベントをやったんですけど、そのインスタ運用を任されて、リール動画を作りました。もともとHR高で関わっていた子が、運営をやりたい人がいたらやりませんかってSlackに上げてて。主催はゼロ高の3年生の男の子なんですけど、教育をもっとよくしたい、教育に違和感を抱えている人を集めて一人じゃないんだよってってことを伝えたいって言っていて、自分と似てる、わかるって思った。それで長文のLINEを送ってzoomで話して、一緒にやりましょうって言ってもらえて参加したって感じですね。学校以外の関わりがあるのがすごく楽しくて、運営の中に留学している子や東大の人もいて、すごく刺激をもらえてます。

自分のことを
ちょっとでもいいから褒めてあげて
なんか無理してでも、自分のことを褒めることが私は大事だと思ってて。褒めるハードルを低くするっていうか。例えば、今日起きただけで偉いとか、そういうふうに、ちっちゃなところから褒めてるとクセになってきて、いつのまにか自分のこと好きになってるんですよ。私が実際そうだったので。自己肯定感が低かったから。周りの友達とかは、近いからその高校にしたとか、なんとなくとか、親に言われたからって言ってる子もけっこう多いんです。でも、せっかくの高校3年間。私はもうめっちゃいい高校で過ごせることになってるので…みんなももうちょっと視野を広げたら、もっといい選択肢があるかもしれない。一般的なルートを今までたどってきた人にとっては、通信制サポート校とか進路としてないって考えてると思うんですけど、いろんな選択肢があることを知ってほしい。後悔のないように、自分でちゃんと悩みに悩んで自分で決めるってことが大事だと思ってます。

Interviewee : 樫村 こと子
Interviewer : 近藤 有佳
Photo : みゆ(HR高等学院学生) / AKINORI TANAKA



