「高校卒業資格」と「高卒認定」の違いが分からないという方は多いのではないでしょうか。高校卒業資格は全日制・定時制・通信制のいずれかの高等学校を卒業することで取得できます。
一方、高卒認定は、高校卒業者と同等以上の学力があることを認定する試験です。そのため、試験に合格しても、最終学歴は中卒のままという点に大きな違いがあります。
この記事では、高校卒業資格と高卒認定の違いや、それぞれの取得条件を表で比較しながら分かりやすく解説します。また、高校卒業資格を取得する3つの方法や、自分に合った選び方についても紹介します。
新入学を控える中学生や保護者の方はもちろん、転入学・編入学を検討している高校生も、進路選びの参考にしていただければ幸いです。
高校卒業資格とは?
高校卒業資格は、全日制・定時制・通信制の高校を卒業したことを証明する資格です。正式な学歴が「高卒」となり、進学や就職などさまざまな場面で学歴を証明できます。まずは、定義や特徴を正しく理解しましょう。
高校卒業資格の正式名称と定義
一般に「高校卒業資格」または「高等学校卒業資格」と呼ばれます。学校教育法に基づき、高等学校の教育課程を修了したことを証明するものです。全日制・定時制・通信制のいずれを卒業しても、取得できる資格に違いはありません。
学校教育法においては、高等学校は「中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とする」機関と定められています。
卒業証書が授与されることで正式に取得でき、進学や就職などさまざまな場面で学歴を証明する根拠となります。
出典:学校教育法 | e-Gov法令検索
高校卒業資格があると広がる進路
高校卒業資格を取得すると、将来の進路の選択肢が大きく広がります。 大学・短期大学・専門学校への進学を目指せるほか、就職では「高卒以上」を応募条件とする求人にも応募できます。また、一部の採用試験や国家資格では、高校卒業または高卒認定合格を受験要件としているものもあります。
さらに、高校卒業資格を取得すると、正式な学歴が「高卒」となるため、学歴による制限を受けにくくなります。自分の興味や目標に合わせて、進学や就職など幅広い進路を選択しやすくなることが大きなメリットです。
高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)とは?
高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)とは、さまざまな事情で高校を卒業していない人を対象に、高校卒業者と同等以上の学力があることを認定するための試験です。
文部科学省が実施している試験であり、かつて実施されていた「大学入学資格検定(大検)」に代わる制度です。
合格すると、高校卒業者と同等以上の学力があると認められ、大学・短期大学・専門学校の受験資格が得られます。また、一部の公務員試験や国家資格の受験資格を満たすことも可能です。
高卒認定試験の受験資格
高卒認定試験は、高校を卒業していない人を対象とした試験です。受験資格は年齢や現在の状況に応じて定められています。
主な受験資格は次のとおりです。
- 受験する年度の年度末までに満16歳以上になる人
- 高校を卒業していない人(中学校卒業者、高校中退者、高校在学中の人など)
なお、高校に在学中でも受験でき、修得した単位によっては一部科目が免除される場合があります。
一方、高校卒業者や、大学入学資格検定(大検)・高卒認定試験にすでに合格している人は受験できないため注意が必要です。
高卒認定試験の科目と日程
高卒認定試験は年に2回実施されています。以下は、令和8年度の科目と日程です。令和8年度からは試験科目に、新たに「情報」が追加されました。
なお、高卒認定試験は出願期間が定められています。申し込み期間を過ぎると受験できないため、日程とあわせて事前に確認しておきましょう。
高卒認定試験の難易度・合格率と費用
高卒認定試験は、高校卒業者と同等以上の学力があるかを判定する試験です。大学入試とは出題目的や範囲が異なりますが、幅広い科目を学習する必要があります。
合格率の目安や手続きに必要な費用の詳細は以下の通りです。
【合格率の目安】
令和7年度の試験結果では、受験者のうち高卒認定試験の合格者(合格要件となる全科目に合格した人)の割合は、第1回が約47.0%、第2回が約47.4%でした(受験者数と合格者数から算出)。
一方で、1科目以上に合格した人は約9割に達しています。一度合格した科目は次回以降の試験で免除されるため、必要な科目を積み重ねながら合格を目指す受験者が多いことが分かります。
出典:文部科学省「令和7年度第1回高等学校卒業程度認定試験実施結果について」
文部科学省「令和7年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について」
【受験手数料】
受験手数料は、受験する科目数によって異なります。
なお、受験手数料は実際に受験する科目数に応じて決まるため、免除科目は科目数に含まれません。
「社会で生きていける力」を。
- 入学前不登校経験者8割。
入学後登校率89% - ぷよぷよ、モンスト開発者、
日本一になった起業家
から直接学べる - docomo、Lotte、Mixiなど
大企業と連携したプロジェクト型学習

高校卒業資格と高卒認定の違い【比較表】
高校卒業資格と高卒認定の最も大きな違いは、「最終学歴」です。また、就職・進学時の扱い、取得方法や費用などにもさまざまな違いがあります。
それぞれの特徴を正しく把握し、自分の目標やライフスタイルに合った選択ができるよう、まず比較表で確認しましょう。
最終学歴の違い(高卒認定は中卒のまま)
高卒認定試験に合格しても、最終学歴は中卒のままで、高卒にはなりません。
高卒認定は、高校卒業者と同等以上の学力があることを認定する制度であり、高校卒業資格を取得できるものではありません。
一方で、高校卒業資格は、正式な最終学歴が「高卒」となります。
なお、「通信制高校を卒業しても高卒にならない」というのはよくある誤解です。通信制高校を卒業すると、全日制・定時制と同じ高校卒業資格を取得でき、正式な「高卒」の学歴として認められます。
出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験Q&A」
取得までの期間の違い
高校卒業資格を取得するためには、全日制・定時制・通信制のいずれであっても、原則として3年以上の在学期間が必要となります。
なお、転入学や編入学の場合は、前籍校での在学期間や修得済みの単位を引き継げることがあります。そのため、一から3年間通い直す必要はなく、これまでの在学期間を通算して卒業を目指せる場合があります。
一方で、高卒認定には在学期間という概念が存在しないため、必要な全科目に合格すれば、在学期間にかかわらず認定を受けられます。
出典:学校教育法 | e-Gov法令検索
費用の違い
高校卒業資格を得るためにかかる費用は、通う学校により幅がありますが、基本的には数年分の学費が必要となります。
ただし、通信制高校を含む対象校では、国の「高等学校等就学支援金制度」を利用でき、申請手続きを行えば、世帯年収に関わらず授業料の負担が軽減されます(一部対象外となる場合があります)。
これに対して高卒認定試験の受験自体にかかる主な費用は、出願時に納める4,500円から8,500円の受験手数料のみです。ただし、試験対策として教材を購入したり、塾などに通ったりする場合は、その分の費用も必要になります。
出典:文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
大学受験・進学での違い
大学・短期大学・専門学校は、高校卒業資格、高卒認定試験のどちらでも受験できます。
ただし、高卒認定の場合は高校を卒業したことにはならないため、出願時の最終学歴は高校卒業ではありません。
また、出願書類も異なり、高校卒業者は卒業証明書や調査書を提出するのに対し、高卒認定合格者は合格証明書などを提出するのが一般的です。必要書類は学校ごとに異なるため、募集要項で確認しましょう。
なお、大学や短期大学などへ進学して卒業すれば、最終学歴は「大学卒業」や「短期大学卒業」となります。そのため、進学を前提としている場合は、高校卒業資格と高卒認定試験の違いを意識する機会は少なくなるでしょう。
出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験Q&A」
出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験(旧大検)」
就職・履歴書での扱いの違い
就職活動では、高校卒業資格があれば、「高卒以上」を応募条件とする求人に応募できます。
一方、高卒認定試験に合格した場合も、「高卒以上」を対象とする求人に応募できるケースは多くあります。ただし、応募条件や採用基準は企業や自治体によって異なるため、事前に募集要項を確認することが大切です。
履歴書では、高校卒業者は学歴欄に「〇〇高等学校 卒業」と記載します。一方、高卒認定試験の合格は学歴ではないため、学歴欄には記載せず、「高等学校卒業程度認定試験 合格」と資格欄などに記載するのが一般的です。
なお、文部科学省の令和5年度調査では、採用試験で高卒認定合格者を「高卒と同等」に扱う企業は32.8%と、前回調査(平成28年度)の21.0%から増えています。採用では、学歴だけでなく、経験やスキル、人柄なども含めて総合的に判断されるため、高卒認定だからといって一概に不利とはいえません。
出典:文部科学省「令和5年度 高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する調査結果」
高校卒業資格と高卒認定、どちらを選ぶべき?
どちらを選ぶべきかは、希望の学習スタイルや、目指す進路によって異なります。
正式な高校卒業資格を取得したいなら高校卒業を目指すのがおすすめです。一方、できるだけ早く大学受験資格を得たい場合は、高卒認定という選択肢もあります。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、自分のライフスタイルや将来の目標に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、それぞれの選択肢がどのような人に向いているのか、具体的な判断基準を分かりやすく解説していきます。
高校卒業資格がおすすめの人
高校卒業資格は、正式な学歴を取得し、高校生活を通して学びや人とのつながりを大切にしたい人におすすめです。
- 最終学歴を「高校卒業」にしたい人
- 同世代の仲間と高校生活を送りたい人
- 部活動や学校行事など、学校ならではの経験をしたい人
- 将来の進学・就職の選択肢をできるだけ広く持ちたい人
高卒認定がおすすめの人
できるだけ短期間で効率よく大学進学などの次のステップへ進みたい人には、高卒認定試験がおすすめです。
- できるだけ早く大学・短期大学・専門学校の受験資格を得たい人
- 自分のペースで計画的に学習を進められる人
- 高校へ通わずに、進学を目指したい人
- 限られた時間で効率よく学習したい人
高校卒業資格を取得するための条件
高校卒業資格を取得するには、学校教育法施行規則で定められた卒業要件を満たす必要があります。全日制・定時制・通信制のいずれも卒業要件は共通で、どの課程を卒業しても取得できる高校卒業資格に違いはありません。
3年以上の在学期間
高校卒業資格を取得するには、原則として3年以上高校に在学する必要があります。
高校を転校した場合や、中退後に別の高校へ入学した場合は、それまで在学していた高校での在学期間を引き継げることがあります。そのため、条件を満たせば、以前の高校で過ごした期間を活かして卒業を目指すことが可能です。
必修教科・科目の履修と単位修得
高校卒業資格を取得するには、学習指導要領で定められた必修教科・科目を履修し、卒業に必要な単位を修得することが必要です。
なお、「履修」とは授業や学習に取り組むこと、「修得」とは定められた評価基準を満たし、単位として認められることを指します。授業を受けるだけでは卒業できず、単位を修得しなければなりません。
74単位以上の修得(+特別活動への参加)
通信制課程では、74単位以上の修得に加え、ホームルームや学校行事などの特別活動への30単位時間以上の参加も必要です。
特別活動は全日制・定時制・通信制のいずれにも設けられており、実施方法は学校によって異なります。通信制高校でもスクーリングなどを通して参加し、卒業要件を満たします。
出典:学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)
出典:文部科学省「高等学校学習指導要領」
「社会で生きていける力」を。
- 入学前不登校経験者8割。
入学後登校率89% - ぷよぷよ、モンスト開発者、
日本一になった起業家
から直接学べる - docomo、Lotte、Mixiなど
大企業と連携したプロジェクト型学習

高校卒業資格を取得する3つの方法
高校卒業資格は、全日制・定時制・通信制のいずれかを卒業することで取得できます。自分の生活スタイルや目標に合った学ぶ場所を選ぶことが大切です。
全日制高校を卒業する
全日制高校は、平日の昼間に通学する最も一般的な課程です。学年制を採用している学校が多く、3年間かけて卒業を目指します。
授業だけでなく、部活動や学校行事、生徒会活動など、高校生活ならではの経験ができることも魅力です。同世代の仲間と学校生活を送りながら、学習と学校行事の両方を充実させたい人に向いています。
定時制高校を卒業する
定時制高校は、夕方から夜間を中心に授業を行う課程です。学校によっては昼間や午前中に学べるコースもあります。
働きながら学ぶ人や、家庭の事情に合わせて通学したい人など、さまざまな背景を持つ生徒が学んでいます。自分の生活リズムに合わせて通学しながら、高校卒業資格を目指せることが特徴です。
通信制高校を卒業する
通信制高校は、自宅学習を中心に、レポート提出・スクーリング・試験を通して単位を修得する課程です。
登校日数を柔軟に選べる学校が多く、無理のないペースで学習を進められます。不登校を経験した人や、仕事・育児と両立したい人、スポーツや芸能活動などと両立したい人にも選ばれています。
年齢を問わず学び直しがしやすく、一人ひとりの状況に合わせて高校卒業資格を目指せることが大きな魅力です。
通信制高校なら自分のペースで高校卒業資格を取得できる
通信制高校では、学校やコースによって登校頻度を柔軟に選ぶことができ、自分のペースで学習を進められるのが全日制と違う大きな魅力です。
さらに、サポート校を併用することで、学習面だけでなく、進路や学校生活に関する相談なども受けられ、高校卒業資格の取得と自分らしい学びを両立しやすくなります。
HR高等学院は、通信制高校と連携するサポート校として、日々の学習や単位修得、進路相談、メンタル面まで幅広く支援しています。「普通に当てはまらない自分を、最大の武器にできる学び舎」を掲げ、一人ひとりの個性や強みを大切にした学びを実践しています。
「探究・越境・共創」を軸とした独自のカリキュラムでは、大手企業と連携したプロジェクト型学習や専門ゼミを通じて、課題解決力やコミュニケーション能力を実践的に磨けることが特徴です。
こうした次世代教育の取り組みは、前身事業「はたらく部」が経済産業省「第13回キャリア教育アワード」優秀賞(大企業の部)を受賞したほか、運営会社RePlayceの代表が受賞者に名を連ねるNTTドコモ「docomo STARTUP」の取り組みが内閣府「第7回日本オープンイノベーション大賞」日本経済団体連合会会長賞を受賞するなど、高い評価を受けています。
HR高等学院は、2025年4月に代々木キャンパスを開校し、翌2026年には渋谷・横浜キャンパスを開校しました。
さらに、2027年4月には神戸・大阪に新キャンパスの開校も予定しており、より多くの人がHR高等学院の学びに触れられる環境が広がります。
まずは説明会や個別相談会で、授業の詳細、通信制高校全体の仕組み、将来に関する不安などをご相談ください。一人ひとりに寄り添い、最適な学びの形をご提案します。
HR高等学院は「日本でいちばん自由で面白い学び舎」を目指しています
高校卒業資格・高卒認定に関するよくある質問
高卒認定に合格すると最終学歴は「高卒」になりますか?
なりません。高卒認定試験に合格しても、最終学歴は中学校卒業のままです。
高卒認定試験は、高校卒業者と同等以上の学力があることを認定する制度です。そのため、高校卒業資格を取得したことにはなりません。ただし、大学・短期大学・専門学校の受験資格は得られ、一部の公務員試験や国家資格の受験要件を満たせる場合もあります。
高校卒業資格との違いは、本記事の「高校卒業資格と高卒認定の違い」も参考にしてください。
高卒認定と高校卒業資格は併用できますか?
はい、併用できる場合があります。
高校に在学しながら高卒認定試験を受験することは可能です。また、試験で合格した科目は、在学している高校の判断により卒業に必要な単位として認定される場合があります。
認定の可否や対象科目、単位数は学校ごとに異なるため、高卒認定試験を活用して単位認定を希望する場合は、事前に在籍校へ確認しておきましょう。
社会人でも高校卒業資格を取得できますか?
はい、社会人でも高校卒業資格を取得できます。高校卒業資格は、年齢に関係なく、高校の卒業要件を満たすことで取得できます。特に通信制高校は、年齢制限がない学校がほとんどで、仕事や家庭と両立しながら学びやすい環境が整っているため、社会人にも多く選ばれています。
なお、過去に高校へ在学していた人は、転入学や編入学により、在学期間や修得した単位を引き継げる場合があります。


