「通信制高校のレポートって、どれくらい大変なんだろう」
「期限内に提出ができるかが不安」
説明会でも、入学前の面談でも、いちばん多くいただく質問のひとつです。
こんにちは。HR高等学院で学生のサポートを担当している三輪です。私は毎日、レポートに取りかかる学生を間近で見ています。
そこで感じるのは、レポートでつまずく理由のほとんどは「問題が難しいから」ではないということ。実際には、提出のペースをどう保つかのほうが、ずっと大きな壁になっています。
この記事では、通信制高校のレポートについて、制度としての仕組みから、実際の量・難易度・提出の流れ、間に合わなくなったときの対処法までをまとめました。
これから通信制高校を検討される方も、いま在籍中でレポートに悩んでいる方も、読み終えたときに「これなら進められそう」と思っていただけたらうれしいです。
通信制高校のレポートってどんな感じ?
まずは、通信制高校のレポートの制度から、実際の量や頻度を解説します。
参考:文部科学省|高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編
通信制高校のレポートの概要
通信制高校で言う「レポート」とは、大学の卒業論文のような長い文章を書く課題ではありません。
教科書の範囲に沿って設問に答え、先生に提出して添削を受ける課題のことで、制度上は「添削指導」と呼ばれています。
通信制高校の教育は、レポート・スクーリング・試験の3つの方法で行うことが、国のきまりで定められています。
文部科学省の『高等学校学習指導要領解説 総則編』は、このうちレポートとスクーリングを通信教育の「基幹的な部分」だと説明しています。つまり、レポートは「提出して終わり」ではなく、先生とのやり取りを通じて理解を確かめていくための仕組みなのです。
提出方法は学校によって異なりますが、近年はオンラインで提出する学校が増えています。
私が働いているHR高等学院でも、レポートの提出から返却までをすべてオンラインで行っています。提出方法の詳しい流れは、後ほど「通信制高校のレポート提出の流れ」の章で解説します。
出典:高等学校通信教育規程 第2条
通信制高校のレポートの量と頻度
レポートの本数は感覚で決まっているわけではなく、1単位あたり何回提出するかの標準が、学習指導要領で教科ごとに定められています。
『高等学校学習指導要領解説 総則編』に示されている標準は次のとおりです。
※理数に属する科目・総合的な探究の時間は「1単位につき1回以上」を確保したうえで、各学校が定めることとされています。
卒業に必要な単位を3年間で無理なく取るなら、1年間の履修は25単位前後になることが多く、単純計算で年間75本前後のレポートという規模感です。
ただし、これはあくまで標準であり、実際の本数や分量は学校によって様々です。
参考までに、HR高等学院で私が見ている学生の場合、1年間で取り組むレポートはおよそ120本、これに動画視聴とセットの視聴報告が加わります。
動画は1本10〜20分程度なので、1日に2〜3本ずつ進めていけば、秋のはじめには年間分を終えられるペース設計になっています。
数字だけを並べると多く感じるかもしれませんが、1本あたりの中身と難しさは、次の章で見ていきましょう。
通信制高校のレポートの難易度
先に結論をお伝えします。通信制高校のレポートは、問題そのものは教科書レベルです。そのため、意識すべきは難易度というより、提出を続けるための自己管理の方と言えます。
この章では、レポートの難易度や自己管理のコツについて解説します。
教科書レベルが中心
レポートの設問は、教科書を見ながら解ける穴埋め問題や選択問題が中心です。
たとえば社会(地理歴史・公民)のレポートは、教科書の該当ページを開いて、そこに書かれている語句を抜き出せば埋まる設問が多いです。
そのため、記憶力を試されるわけでも、自分の意見をゼロから組み立てるわけでもなく、「教科書のどこを見ればいいか」を探していく作業に近いと考えてください。
なお、添削は満点になるまで何度も書き直しを求める仕組みではありません(採点と返却の流れは「先生の添削を受ける」の章で詳しく説明します)。
ただし、提出物の内容は評定に反映されるため、進学を視野に入れている場合は、丁寧に取り組んでおくと後で効いてきます。
問題ではなく自己管理が難しい
現場に立った経験から言うと、学生から実際に聞こえてくる声は、「解けなくて困っている」ではありません。
多いのは「大変」「めんどくさい」や「一人でパソコンと向き合い続けるのがしんどい」という言葉です。
いざ本腰を入れて始めた学生が、思っていたより早く終わらせてしまう、ということが意外にも多いものです。
つまり、「しんどい」という状態は、集中しているのは取りかかる前の段階で、問題そのものの難易度ではないということになります。
もうひとつ、通信制高校で見落とされがちなのが、締め切りが厳密だという点です。レポートは提出期限までに終わっていないと、その先のスクーリングに進めないことが多くあります。溜めてから一気に取り返すのが難しいのは、この仕組みのためです。
ここで強調しておきたいのは、これは意志の弱さの問題ではない、ということです。通信制高校は、決まった時間割に沿って一日が進む全日制と違い、進める順番もペースも自分で決める前提の仕組みになっています。
誰にとっても管理の難しさがある設計なのだと考えてください。だからこそ、最初の1本を小さく設定する、進捗を見える形にするといった工夫が効きます。
科目数や単位数によって難易度は変わる
同じ「通信制高校のレポート」でも、年間の総量は履修の仕方によって変わります。レポートの本数は1単位あたりで決まるため、履修する単位数が増えれば、そのぶんレポートも増えるという関係です。
※1単位あたり3回として計算した概算です。科目構成や学校の方針によって前後します。
卒業するための難易度は、問題の中身よりも、入口の履修計画をどう組むかで決まる。そう考えて、担任や学校のスタッフと相談しながら決めていくことをおすすめします。
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通信制高校のレポートの内容と実際の例
ここからは、レポートの中身を具体的に見ていきます。
はじめにお伝えしておくと、HR高等学院は通信制高校のサポート校です。そのため、レポートそのものを作成しているのは、私たちが提携している通信制高校です。
私たちが担っているのは、学生が提出できるところまで伴走することと、提出されたレポートを確認したうえで提携校へ届けることです。
ですから、以下でご紹介するのは、提携校の設問そのものではなく、通信制高校のレポートがどういう作りになっているかをイメージしていただくために作成した例になります。
実際の設問や難易度は学校・教科書によって異なりますので、その点はご了承ください。
数学・国語など教科別のレポートの例
数学の場合
数学のレポートは、教科書の例題と同じ手順で解ける計算の基礎問題が中心です。多くは途中式まで誘導がついた穴埋め形式になっています。
二次関数 y = x² − 4x + 3 について、次の空欄を埋めなさい。
y = (x − [ ])² − [ ] と変形できるので、グラフの頂点は([ ], [ ])である。
いきなり「頂点を求めよ」と問われる難易度は少ないです。教科書の該当ページを開けば同じ流れの例題が載っている、というのが典型的な作りです。
ただし数学は、中学までの計算に不安があると、教科書を見ても手が止まりやすい教科でもあります。
私が学生を見ていても、つまずきが出やすいのは数学・英語・国語で、逆に社会科は教科書からの抜き出しで進められるため、比較的すいすい終わる学生が多い印象です。
国語の場合
国語のレポートは、教科書に載っている作品や文章を読んだうえで答える読解の設問が中心です。
・傍線部「そのとき」とあるが、これは何を指しているか。本文中から十五字以内で抜き出しなさい。
・傍線部の「おもむろに」の意味として最も適切なものを、次のア〜エから選びなさい。
長い感想文や小論文を書かされるイメージを持たれている方が多いのですが、実際は本文中から根拠を探して答える形式や、語句の意味・漢字を問う設問が大半です。
教科書を閉じて記憶だけで書く必要はありません。
そのほかの教科
理科や社会も、基本的な作りは同じで、教科書の該当範囲を確認しながら用語や数値を埋めていく形式が多いです。
なお、総合的な探究の時間や保健体育などでは、動画を見て感じたことを書いたり、スライド数枚にまとめたりする課題が出ることもあります。
「やはり本物を見てみたい」という方には、石川県立金沢泉丘高等学校(通信制課程)のウェブサイトが参考になります。
注目していただきたいのは、同校がその見本に添えている説明で、以下のように記載があります。
自学自習が基本の通信制では、教科書や学習書などを活用してレポートを「完成」させることが求められます。教科書などをよく読み、調べれば解答できるようにレポートは作成されているからです。
こうして具体的に見ていくと、レポートは「教科書を読み解く力」を確かめる課題であって、特別な学力を前提にしたものではないことが伝わるのではないかと思います。
通信制高校のレポートの書き方
通信制高校のレポートには、独特の「解き方の作法」があります。ひとことで言えば、教科書の該当範囲を開いて、そこを見ながら答えを埋めていくというものです。
教科書を閉じて自力で書く必要はありませんし、自力で書くことが推奨されているわけでもありません。ここでは、レポート1枚を仕上げるまでの手順を整理します。
通信制高校のレポートの手順
- 設問全体にざっと目を通す
- 多くのレポートには、対応する教科書のページや単元が示されています。まずどの範囲から出題されているかを確認しましょう。
- 教科書の該当ページを開いてから始める
- 手ぶらで考え込む時間がいちばんもったいない部分です。まずは、教科書の該当範囲を開くところを目標に、レポートに取り組みましょう。
- 解ける設問から埋める
- 上から順番に解く必要はありません。教科書に答えが書いてある穴埋めや選択問題を先に片づけると、残りの分量が見えて気持ちが軽くなります。
- わからない設問は印をつけて飛ばす
- 1問にこだわって何十分も止まってしまうと、その日のうちに1枚が終わりません。印をつけて先に進み、あとでまとめて質問するほうが早く終わります。
- 教科書の言葉を借りて、記述問題に取り組む
- ゼロから文章を組み立てる必要はありませんが、丸写しのままだと添削で戻ってくることがあります。教科書の説明を読んで、自分の言葉で書き直すと良いでしょう。
- 提出前に空欄がないか確認する
- 未記入が多いと差し戻しの対象になります。最後にひと通り見返す習慣をつけておくと安心です。
そのうえで、いちばんお伝えしたい優先順位があります。それは、完璧さを求めるよりも、期限内に仕上げて提出することを意識するということです。
レポートは、満点になるまで書き直しを求められる課題ではありません。教科書に沿って書けば、多くはそのまま受け付けられ、次のスクーリングへ進めます。
8割の出来で期限内に出したレポートは前に進みますが、完璧を目指して出せなかったレポートは、単位につながりません。興味を持ち、時間をかけたい分野は、まず提出を終えてから質問を行うとよいでしょう。
なお、印をつけて飛ばした設問をどう解消するか、毎日どれくらいのペースで進めるかといった「続けるための工夫」は、後ほど「通信制高校のレポートの進め方・コツ」の章でお伝えします。
通信制高校のレポート提出の流れ
ここでは、計画を立てるところから添削されたレポートが返ってくるまでを、時系列で追ってみます。
1年間の全体像をつかんでおくと、卒業に向けて慌てずに進められます。
学習スケジュールを確認・計画する
最初にやるべきことは、年間の提出期限を確認することです。多くの通信制高校では、入学時や年度初めに年間の学習計画表・提出期限の一覧が配られます。
まずはこれを手元に置き、スケジュールを立てていきます。
期限が分かったら、そこから逆算して月ごとの目安を決めます。「9月末までに国語のレポートを6本」という具体的な本数まで把握できると、毎日やることが明確になります。
このときに意識していただきたいのが、期限ぎりぎりに設定しないことです。
HR高等学院では、学生一人ひとりに渡す計画表を、本当の最終締め切りよりかなり余裕を持たせて作っています。
なぜなら、体調を崩す日も、気分が乗らない日もありえるからです。自分で計画を立てる場合も、1〜2か月の余白を先に確保しておくことをおすすめします。
提出期限までにレポートに取り組む
計画ができたら、コツコツと進めていきます。
長期休みはまとまった時間が取れるので、この期間にペースを上げて終えることもおすすめしています。
1枚をどう解き進めるかは「通信制高校のレポートの書き方」の章でお伝えしたとおりです。教科書の該当ページを開いて、解ける設問から埋めていきましょう。
完成したらレポートを提出する
提出方法は学校によって異なり、大きく分けてオンライン・直接持参・郵送の3通りがあります。自分の在籍校がどの方法なのか、入学前に確認しておくと安心です。
オンライン提出
学習システムやアプリから提出する方法で、近年はこの形式を採る学校が増えています。
郵送のタイムラグがなく、提出履歴がシステム上に残るため、「出したつもりで出せていなかった」という行き違いが起きにくいのが利点です。
HR高等学院でも、レポートの提出から確認までをすべてオンラインで完結させています。
パソコンでもタブレットでも取り組めますが、対応する端末やブラウザは学校ごとに決まっている場合があるので、入学時に案内を確認しておきましょう。
直接持参
スクーリングや登校日に、完成したレポートを学校へ持っていく方法です。その場で先生に手渡せるので、確実に届いたことが分かり、疑問点をその場で質問できるのが利点です。
一方で、登校日が提出のタイミングになるため、行けない日が続くと提出も滞る可能性があります。
郵送
紙のレポートを封筒に入れて学校へ送る方法です。自宅から提出できますが、投函から到着までの日数を見込んでおく必要があります。
「消印有効」なのか「必着」なのかで締め切りの意味が変わるので、募集要項や学習の手引きで必ず確認してください。切手代や、控えを取っておくかどうかも事前に決めておくとよいでしょう。
先生の添削を受ける
提出したレポートは、先生が内容を確認して添削したうえで返ってきます。レポートは出して終わりの提出物ではなく、添削のやり取りを通じて理解を確かめるための仕組みです。
文部科学省の『高等学校学習指導要領解説 総則編』でも、正誤を示すだけの採点ではなく、一人ひとりのつまずきに応じた解説を添えることが求められています。
つまり、返ってきたレポートの赤字は「ダメ出し」ではないので、どこでつまずいているかを一緒に確認するための手がかりとして活用しましょう。
返却後に見直しと修正
返却されたレポートは、点数だけ見て閉じてしまわず、指摘された箇所に必ず目を通してください。ここで理解しておいた内容が、後の単位認定試験でそのまま効いてきます。
そして、再提出になっても心配はいりません。レポートは満点になるまで書き直しを求められる課題ではなく、内容が著しく不足している場合にお戻しする、というのが基本的な運用です。
戻ってきたということは、まだやり直せる余地が残っているということ。締め切りまでに書き直して出せば、何も問題なく次に進めます。
私たちが本当に困るのは、レポートが戻ってくることではなく、レポートが手つかずのまま止まってしまうことのほうです。
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通信制高校のレポートの進め方・コツ
ここまでお読みいただいて分かるとおり、レポートで大変なのは中身よりも「続けること」です。
この章では、私が学生と一緒に試してきて実際に効果があった工夫を紹介します。気合いや根性の話は出てきません。仕組みで解決できる部分がほとんどだからです。
わからないことは先生へ質問・相談する
いちばん時間を無駄にしてしまうのは、わからない設問の前で一人で固まってしまうことです。5分考えて手が動かなければ、質問に切り替えて構いません。
質問するときに「どこがわからないのかを整理してから聞かなければ」と身構える必要はありません。「◯◯のレポートの3番が分かりません」と、科目名と設問番号を伝えるだけで十分です。
先生はその設問がどの単元から出ているかを知っているので、そこから会話を始められます。
前の章でお伝えした「印をつけて飛ばす」やり方と組み合わせると効率的です。飛ばした設問が3つ4つ溜まったところで、まとめて質問する。これなら質問のために構える回数も減ります。
毎日少しずつ進める
レポートは、まとめて片づけようとするほど重くなる課題です。1日2〜3本ずつ進めれば、夏から秋のはじめには年間分が終わります。
逆に、週末に10本やろうとする計画は、たいてい途中で崩れます。
続けるコツは、取りかかりのハードルをできるだけ下げておくことです。
「今日は1本だけ開く」と決めてしまうのも有効で、課題をスタートすることができれば、そのまま2本目、3本目と進めてしまうこともあるでしょう。
もうひとつ効果的なのが、進み具合を数字で見えるようにしておくことです。HR高等学院では今年度からレポートと視聴報告の進捗が割合(%)で表示されるようになりました。
これを導入してから、学生本人もコーチも進捗を正確に知ることができ、早めに声がけやサポートを行えるようになりました。
優先順位をつけて取り組む
科目がずらりと並んでいると、それだけで手がつかなくなります。大人でも同じですよね。ですから、何から手をつけるかを先に1つ決めてしまうことをおすすめします。
順番の決め方は2通りあります。ひとつは提出期限が近い科目から進めていく方法。もうひとつは、レポートの本数が少ない科目から片づける方法です。
特に「勉強に向かうこと自体がしんどい」という段階では、後者が有効だと感じます。本数の少ない科目を1つ終わらせると、「最後までやり切れた」という実感が残り、次に進みやすくなるからです。
なお、レポートはスクーリングを受けるための条件になっています。スクーリングの日程が決まっている科目は、その締め切りから逆算して優先度を上げておきましょう。
1人で進めるのが苦手な場合は誰かと一緒に取り組む
自宅で一人で机に向かうのがどうしても苦手、という人は少なくありません。これは性格の問題ではなく、環境の問題として扱ったほうが解決が早いです。
HR高等学院で効果があったのは、次のような方法でした。
- 学生同士で時間を合わせる
- オンラインキャンパスで「この時間から一緒にレポートやろう」と声をかけ合う。誰かが同じ画面の向こうで手を動かしているだけで、驚くほど進みます。
- スタッフが伴走する
- コーチが横についた状態で一緒に取りかかる。最初の1本だけ一緒にやって、あとは自走できるようになる学生もいます。
- 教えてくれる人がいる時間に取り組む
- HR高等学院では平日の学習時間に大学生の学習支援サポーターが入るので、その時間に質問しながら進める学生もいます。
共通しているのは、「一人で始めなくていい状況」を先に作っているという点です。
サポート校や学習塾などを活用する
自分だけで、あるいは家庭だけで抱えるのが難しいと感じたら、外部の力を活用するのも選択肢のひとつです。
通信制高校サポート校は、まさにこの部分を担う存在です。レポートの進捗を代わりに把握し、遅れが見え始めた段階で声をかけ、わからない設問に答える。
学習塾や家庭教師でも、教科の質問対応は受けられます。
どちらを選ぶにしても、確認しておきたいのは「教える機能」だけでなく「進捗を管理してくれる機能」があるかどうかです。
これまで見てきたとおり、レポートでつまずく理由の多くは学力ではなくペース管理にあります。質問できる相手がいることと、進み具合を一緒に見てくれる人がいることの、両輪で考えるとよいでしょう。
通信制高校のレポートが間に合わない・溜まってしまったときは
ここまでレポートの進め方の話をしてきましたが、すでに溜まってしまった状態でこの記事にたどり着いた方もいらっしゃると思います。
まずお伝えしたいのは、「溜めてしまうこと自体は珍しくなく、自分を責める必要はない」ということです。自分でペースを決める仕組みである以上、誰にでも起こり得ます。
しかし、通信制高校のレポートは、期限を過ぎてから取り返すのが難しい仕組みであることも事実です。
だからこそ、いま何が起きていて、今日から何ができるのかを正確に知っておいてほしいと思います。
提出できないと単位や卒業はどうなる?
冒頭でお伝えしたとおり、通信制高校の教育はレポート・スクーリング・試験の3つの方法で行われます。
通信制高校の卒業要件は、次の3つです。
- 3年以上在学していること
- 74単位以上を修得していること
- 特別活動に30単位時間以上取り組むこと
レポートはこの3つの入口にあたる部分で、レポートが終わっていないとスクーリングにも試験にも進めない場合がほとんどです。
つまり、レポートを期限内に提出しきれないと、卒業の時期に影響が出る可能性があります。
ただし、「レポートが間に合わなかった=留年」ではありません。レポートの期限は、主にスクーリングの参加条件として設定されています。
HR高等学院でも、年度内に次のスクーリングの機会が残っていれば、そのタイミングまでに提出することで、問題なく単位につながります。
間に合わないときの対処法
レポートが間に合わないと分かったとき、まずはじめにやるべきは「学校・またはサポート校に相談をする」ことです。
残っている提出期間や次のスクーリングの回を、正確に把握しているのは学校やサポート校だけです。連絡が早いほど選べる手段が多くなり、遅いほど選択肢が減ります。
また、サポート校や学習塾を使う、家族に進捗の確認役をお願いするなど、外から進み具合が見える状態を作ると立て直しやすくなります。
HR高等学院でも、状況が切迫したときにはご家庭と連携してサポートすることがあります。私たちとしてはそのような状態が発生しないように仕組みづくりをしていますが、卒業にたどり着けるなら使うべき手だと考えています。
通信制高校のレポートに関するよくある質問
最後に、説明会や面談で実際によくいただく質問にお答えします。
レポートのみ提出すれば卒業できる?
いいえ、レポートだけでは卒業できません。
通信制高校の学習は、レポート・スクーリング・単位認定試験の3つで成り立っており、この3つを揃えて初めて科目の単位が認定されます。
レポートはあくまで入口で、そこからスクーリングに参加し、試験を受けるところまでが1セットです。
レポートを全部出したのに卒業できなかった、という事態を避けるためにも、年度の早い段階でスクーリングの日程を確認しておきましょう。
レポートの答えは教科書を見ながら書いてもいい?
はい、教科書を見ながら書いて構いません。
そもそも通信制高校のレポートは、教科書を調べれば答えにたどり着けるように作られています。実力が試されるテストではないので、教科書を確認しながら取り組んでください。
ただし、教科書の文章をそのまま書き写すだけの解答は、添削で戻ってくる可能性があります。教科書を読んで、自分の言葉に置き換えて書くことで、単位認定試験対策にもなります。
レポートは保護者も手伝った方がいい?
答えを教えたり代わりに書いたりすることは、あまりおすすめできません。保護者の方にお願いしたいのは、内容よりも環境と進捗のサポートです。
- 提出期限を一緒にカレンダーに書き込む
- 「今週はどこまで進んだ?」と週に一度だけ声をかける
- 取り組む時間帯と場所を家庭内で提案する
すでに提出が滞っている場合の関わり方については、「通信制高校のレポートが間に合わない・溜まってしまったときは」の章もあわせてご覧ください。
タブレットやパソコンでもレポート提出はできる?
現在は、むしろオンラインで提出する形式が多いです。
学習システムからオンラインで提出する形式であれば、パソコンでもタブレットでも取り組めます。HR高等学院でも、レポートの提出はすべてオンラインで完結します。
ただし、対応する端末やブラウザ、推奨環境は学校ごとに決まっています。紙のレポートを郵送・持参する形式の学校もありますので、入学前に募集要項や学習の手引きで確認しておくと確実です。
レポートはAIを使って書いてもいい?
まずは在籍する学校の方針を確認してください。そのうえで、使い方を分けて考えることをおすすめします。
現状、AIの利用については、各学校で方針や対応を手探りで決めている状態です。明確なルールを定めている学校ばかりではありませんし、HR高等学院としても、良い・悪いをこちらから断定してはいないというのが正直なところです。
そのうえで、私が学生に伝えているのは、「サポーターとして活用する」使い方です。
分からない用語を調べる、解説を読んで理解を助けてもらうといった使い方は、教科書を調べるのと地続きの行為だと思います。
一方で、提出物をそのまま作らせてしまう使い方には注意が必要です。生成された文章をそのまま出した解答は、添削で戻ってくる場合が想定されます。
また、内容が自分の中に残らないまま単位認定試験を迎え、自分が困る可能性があります。これは、答えの丸写しと同じ構図です。
HR高等学院の授業でも、AIの出力をそのまま提出物にしてきた学生には、「何を考えて、そこで何を使ったのか」を必ず一緒に振り返るようにしています。
AIを使うかどうかより、どう使うか。高校生のうちから、適切な使い方を学ぶことができれば、その先の大きな財産になるはずです。
通信制高校のレポートが不安ならサポート校という選択肢も
最後に、ここまでお伝えしてきたことをまとめます。
通信制高校のレポートは、問題そのものは教科書レベルです。本当に必要なのは学力ではなく、最後まで続けるための仕組みづくりのほうです。
その仕組みを一人で、あるいは家庭だけで作るのが難しいとき、サポート校という選択肢があります。
私が働いているHR高等学院も、そのひとつです。最後に、私たちが実際にどんなサポートをしているのかをご紹介させてください。
まず、入学時に必要な単位数に応じた個別の学習計画を作ります。全員一律のスケジュールではなく、その学生が取る科目数と、続けられそうなペースから逆算した計画です。締め切りには意識的に余白を持たせています。
次に、その計画に対する進み具合を私たちが正確に把握し、サポートを続けます。今年度からはレポートと視聴報告の進捗が%で見えるようになり、その情報を毎週コーチに共有しています。
多少滞りがあっても、早めに見つけて声をかけられるようになったことで、今年度は全体の進み方が去年より明らかに良くなりました。
また、オンラインキャンパスや、大学生の学習支援サポーターがいる環境での学習時間もご用意しています。様々な選択肢から、ご自身にあった進め方を提案できるのが、私たちの強みだと思っています。
最後にお伝えしたいのは、通信制高校は毎日の登校や時間割に縛られない分、自分で時間の使い方を決められるということです。
だからこそ、レポートを計画的に終わらせてしまえば、残った時間を自分のやりたいことに使えます。レポートは、乗り越えるべき壁というより、自己実現のための時間を手に入れるための入口だと考えていただけたらと思います。
不安があれば、一人で抱え込まずに相談してください。相談できる場所がある、と知っているだけで、進み方は変わります。


