「通信制高校って、偏差値が低い子が行くところなの?」
入学時に偏差値基準がないことから、通信制高校にそのようなイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし実際には、幅広い学力の学生が在籍しており、多くの学生が希望する進路を実現しています。さらに、自分に合った通信制高校・サポート校を選ぶことで、GMARCHなどの難関大学に進学する学生もいます。
そこで本記事では、通信制高校・サポート校の現場を知る職員へのインタビューをもとに、偏差値と通信制高校の関係を正しく整理していきます。
進学を検討している学生の方や、お子さんの進路に悩む保護者の方はぜひ参考にしてみてください。
通信制高校に偏差値の概念はない
そもそも偏差値とは、模擬試験や入学試験の得点をもとに、受験者全体の中で自分がどの位置にいるかを示す指標です。平均点を偏差値50として、得点が平均より高いほど数値が上がり、低いほど下がる仕組みになっています。
全日制の高校入試では、この偏差値をもとに「合格ライン」が設定されており、受験生はまず志望校の偏差値を確認することが一般的です。
通信制高校の場合、偏差値による学力選抜がないため、「通信制高校の偏差値はいくつ?」という問いには、そもそも答えがありません。しかしこれは、通信制高校の教育水準が低いからではなく、制度が設けられた目的が関係しています。
通信制高校に偏差値がない理由
通信制高校に入学時の偏差値基準がない最大の理由は、その設置目的にあります。
もともと通信制高校は、経済的な理由などで中学校卒業後に就労せざるを得ない人々が、働きながら高校卒業資格を取得できるよう、教育の機会を保障するために誕生しました。
つまり、進学校のように学力で生徒を選抜するのではなく、「教育を必要とするすべての人に門戸を開くこと」が制度の根幹なのです。
そのため、入学にあたって偏差値による選抜を設けていないのは、制度の趣旨に沿った自然な判断といえるでしょう。一方で、近年の通信制高校はその役割を大きく広げています。
体調や不登校といった事情を持つ生徒の受け皿としてはもちろん、現場の職員も「最近は積極的に通信制を選ぶ生徒が増えている」と話すように、自らの意思で通信制高校を選ぶ生徒も目立ってきています。(詳しくは後半のインタビューをご覧ください。)
例えば、卒業要件の学習を効率的に済ませ、大学受験や課外活動、専門スキルの習得に時間を充てるといった主体的な選択です。
つまり、現代の通信制高校は、単なる卒業資格取得の場ではなく、「自らの目的と時間の使い方を、主体的に設計できる学校」へと進化を遂げたと言えるでしょう。
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通信制高校からでも偏差値60・70の大学に進学できる
結論からいうと、 通信制高校から偏差値60・70台の大学への進学は十分に実現できます。
実際に、各通信制高校からはGMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)をはじめとする難関大学に加え、医学部や東京大学に進学した事例もあります。HR高等学院でも開校初年度から国際基督教大学(ICU)への入学者を輩出しています。
難関大学に進学する学生に共通する特徴は、目標とする大学・進路が明確である点です。
通信制高校では全日制と比べて授業時間を大幅に削減できるため、志望校や分野が早くから定まっていれば、その分対策に時間を割くことができます。
また、近年では、総合型選抜(旧AO入試)を活用して難関大学に進学するルートも広がっています。通信制高校は学習時間に余裕があるため、課外活動・ボランティア・資格取得といった「実績づくり」に時間を割きやすい環境です。
課外活動が充実したサポート校を選べば、一般入試だけでなく総合型選抜の対策も並行して進められます。ただし、難関大学への進学を実現している生徒には、入学時点である程度の基礎学力が身についている傾向があることも事実です。
難関大学を志望する場合は、通信制高校の「時間に融通が効く」というメリットを最大限活かし、早期から対策を行う姿勢が重要です。
通信制高校から偏差値の高い大学に進学するためのポイント
通信制高校から偏差値の高い大学へ進学するためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。全日制高校とは異なる環境を活かすために、ぜひ参考にしてください。
サポート体制の充実した学校を選ぶ
通信制高校は自由度が高い反面、学習の進め方や進路選択を自分一人で判断しなければならない場面が多くなります。そのため、学校・サポート校側の支援体制が、進路実現のカギを握ります。
確認しておきたいのは、担任や進路指導担当者との面談頻度、個別の学習計画の立て方、大学受験に向けた学習サポートの有無などです。
また、通信制高校ならではの強みとして、時間の使い方まで含めて指導してもらえる環境かどうかも重要な判断基準になります。
全日制高校では3年生の12月・1月まで通常の授業が続くため、受験勉強との両立に苦労するケースが少なくありません。
一方、通信制高校では、単位取得のための学習時間を戦略的に削減できるメリットがあります。
そのため、1年生の段階から受験を見据えた時間の使い方を提案してもらえる学校を選ぶことで、大きなアドバンテージを得られます。
卒業後の進路実績を確認する
学校選びの段階で必ずチェックしておきたいのが、卒業生の進路実績です。大学進学率だけでなく、どのような大学・学部への合格実績があるかを具体的に確認してみましょう。
ただし、大学名だけを鵜呑みにする必要はありません。進学先の大学名だけでなく、卒業後の就職実績や、在学中の活動実績なども参考にすると、学校の教育方針や生徒の傾向をより多角的に把握できます。
また、最近は大学受験の受験形態が多様化しており、特に私立大学の場合は総合型選抜などの比重が高まっています。
そのため、総合型選抜の合格実績が公表されている場合は、それだけ課外活動や指導が充実している可能性も高いので、よく見ておくと良いでしょう。
自己管理やスケジュール管理を徹底する
通信制高校での学習は、登校日数や学習時間の自由度が高い分、自己管理能力の高さが進学実現を左右するといっても過言ではありません。
具体的には、週単位・月単位での学習計画を立て、定期的に進捗を振り返る習慣をつけることが重要です。
また、大学受験に向けた勉強だけでなく、通信制高校の単位取得に必要なレポート提出やスクーリングのスケジュールも並行して管理する必要があります。その際、サポート校を活用することで、自己管理の負担を軽減することも可能です。
模試を活用して自身の偏差値を確認する
偏差値による入学選抜のない通信制高校だからこそ、模擬試験(模試)を定期的に受けて自分の偏差値を把握することが、大学受験において特に重要な意味を持ちます。
模試を受けることで、「自分の現在地」や「志望校に合格するための点数の目安」を知ることができます。
結果から逆算し、戦略的に志望校対策を進めることが、通信制高校のメリットを活かすことに繋がります。
また、模試は1社だけでなく、複数の予備校の模試を受けることが推奨されています。なぜなら、模試によって評価基準や受験者層が異なるからです。
全日制高校では学校単位で進研模試などを受けることが多いですが、通信制高校では模試の受験が任意となるケースも少なくありません。
だからこそ、自ら積極的に模試を申し込み、継続的に受け続けることが、難関大学合格への重要なプロセスとなります。
通信制高校は偏差値がない(低い)=「将来が不安」ではない
「通信制高校は偏差値がないから、将来どうなるのか不安……」という声は、学生・保護者の双方からよく聞かれます。しかし、偏差値の有無と将来の可能性は、直接結びつくものではありません。
むしろ、通信制高校には偏差値という指標では測れない多くの強みがあります。「偏差値がない=将来が不安」という見方が必ずしも正しくない理由を、具体的に解説します。
自分の目標や学力に合わせて学習ができる
通信制高校の最大の特徴は、学習内容や時間の使い方を自分の目標に合わせて柔軟にデザインできる点です。
全日制高校では、たとえ進学校でも卒業要件の授業を一定のペースで学ぶことがほとんどです。
進路に直接関係のない科目にも時間を割かざるを得ないため、受験勉強の効率という観点ではマイナスに働く場面もあります。
一方、通信制高校では卒業要件を満たす最低限の学習を確保したうえで、残りの時間を自分の目標に集中させることができます。
志望大学の受験科目に絞って勉強する、資格取得や課外活動に取り組む、専門スキルの習得に時間を充てるなど、個々の目標に応じた学習設計が可能です。
誰でも入れて卒業できるわけではない
「偏差値がない=誰でも簡単に入れる・卒業できる」というイメージも、よくある誤解のひとつです。
確かに入学時の学力選抜はありませんが、卒業するためには一定の条件を満たす必要があります。
レポートの提出、スクーリング(登校)への出席、単位認定試験の合格という3つの要件をすべてクリアしなければ、卒業資格は得られません。自己管理が不十分だと単位を落とし、卒業が遅れるケースも実際に起こりえます。
つまり、通信制高校は「誰でも簡単に卒業できる場所」ではなく、「自律的に学習を進める意志と実行力が求められる環境」だといえます。
総合型選抜や指定校推薦など、面接で自身の高校生活をアピールできる試験の場合、ポジティブな評価を得る場面もあるでしょう。
社会とつながる機会が多い
通信制高校・サポート校のなかには、授業外の活動としてインターンシップ・地域連携・PBL(プロジェクト型学習)などの実践的なプログラムを取り入れている学校も増えています。
こうした活動を通じて培われるのが、いわゆる「非認知スキル」と呼ばれる力です。
非認知スキルとは、課題を発見し解決する力や他者と協働する力、自分の感情をコントロールする力など、現代社会で大きく評価されるスキルのことです。
これらは学力テストの点数や偏差値では測りづらい能力ですが、こうした取り組みに力を入れている通信制高校・サポート校では在学中から意識して育てられる環境を提供しています。
この点は、通信制高校ならではの大きな強みといえるでしょう。
学費を抑えられる
通信制高校は、学費を抑えやすいという経済的なメリットもあります。
就学支援金制度が充実したことから、公立だけではなく私立の通信制高校でも負担を軽減できるようになりました。以前に比べて、選択肢の幅は広くなったと言えます。
浮いた学費を大学受験の予備校費用や、英検・TOEFLなどの資格取得費用に充てることができる点も、進学を目指す生徒にとって見逃せないポイントです。
「社会で生きていける力」を。
- 入学前不登校経験者8割。
入学後登校率89% - ぷよぷよ、モンスト開発者、
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偏差値について通信制高校・サポート校の職員がアドバイス!
ここまで、「通信制高校と偏差値」をテーマにポイントを解説してきました。とはいえ、「実際のところどうなのか」「現場の温度感が知りたい」と感じている生徒・保護者の方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、通信制高校・サポート校で10年以上の指導歴を持ち、現在はHR高等学院で活躍する遠藤 暁(さとる)さんに、率直な意見を聞かせていただきました。
【遠藤 暁(さとる)さんプロフィール】
大学在学中に学習塾を立ち上げ、教育者としてのキャリアをスタート。その後、業界大手2社にて教育現場の最前線を経験。さらに通信制高校へとフィールドを広げ、リアルとオンラインが融合した「新しい学びのカタチ」を追求しながら日々学生と向き合ってきました。新規コースの責任者として、既存の枠組みにとらわれないオンライン教育を実施。 現在は「HR高等学院」に参画し「中高生からのキャリア教育」を軸に、学生一人ひとりが自らの意志で未来を選び取れるよう、バックオフィスから学生を支えている。
通信制高校に在籍する生徒の実態と、難関大学進学の可能性
─ まず、通信制高校に在籍する生徒の学力の幅について教えてください。
正直に言うと、上から下まで本当に幅広いです。偏差値35前後でボーダーフリーの大学に進学する生徒もいれば、一般受験でGMARCHやそれ以上の大学に合格する生徒もいます。
他校の事例で言えば、現役で東京大学に入学した生徒も出てるくらいですからね。
通信制高校というと「学力が低い生徒が行く場所」というイメージを持たれがちですが、実態はまったく違います。10年間この仕事をしていて、時代とともに在籍する生徒の多様性はどんどん広がっていると感じています。
一昔前は、体調面や不登校の事情を持つ生徒が中心でしたが、最近は「あえて通信制高校を選ぶ」生徒が明らかに増えています。
─ GMARCHや難関大学に進学している生徒には、何か共通する特徴がありますか?
いくつかあります。まず1つ目は、模擬試験を継続的に受けられる「体力」があること。学習に向かう体力、テストに向かう体力と言ってもいいかもしれません。
結果がどうであれ、模試を受け続けているかどうかで、受験本番の結果は大きく変わってくると思っています。
2つ目は、自分の実力を正確に把握していること。闇雲に勉強するのではなく、「今の自分に何が足りないか」を常に意識して学習を進めている生徒だということ。
そういう生徒が、難関大学に合格していく印象があります。自己認識の正確さ、と言い換えてもいいかもしれません。
そして3つ目が、時間の使い方です。通信制高校は全日制と比べて学習時間を大幅に短縮できます。その分、受験勉強に集中できる時間が生まれる。
全日制高校の場合、3年生の12月・1月まで通常授業が続くため、受験勉強との両立に苦労するケースが少なくありません。一方、通信制高校では1年生の段階から受験を見据えた時間の設計ができる。
その時間をきちんと活用できるかどうかが、最終的な進学先を大きく左右すると感じています。
あと付け加えると、難関大学を目指す生徒の多くは、入学時点ですでに明確な目標を持っています。「あえて通信制高校を選んだ」という主体的な選択をしている子が多いんですよね。
空いた時間で受験勉強をするという戦略的な判断が最初からできている。言ってみれば、3年間を浪人生のようにデザインして勉強できる環境を、自ら選び取っている感じです。
─ 一般受験以外のルートについてはいかがですか?
最近は総合型選抜(旧AO入試)を活用して難関大学に進学するルートも広がっていますし、通信制高校の生徒にとっては特に有効な手段だと思っています。
学習時間に余裕があるぶん、課外活動・ボランティア・資格取得・インターンシップといった「実績づくり」に時間を使いやすい環境ですから。
ただ、1点注意してほしいのは、大学によっては通信制高校の生徒を総合型選抜の対象外としているケースも出てきているということです。
「通信制高校の生徒は登校できないかもしれない」という懸念から、受験資格を全日制高校の生徒に限定している大学も実際にあります。学校選びの段階で、志望大学の受験資格を細かく確認しておくことをお勧めします。
模試を「複数・継続的に」活用することの重要性
─ 模試の活用について、もう少し詳しく聞かせてください。
模試で一番大事なのは、自分の「立ち位置」を知ることです。受験者全体の中で今自分がどこにいるのかを把握することで、初めて具体的な学習計画が立てられます。
なんとなく勉強しているだけでは、自分が合格ラインにどれだけ近づいているのか、あるいはどれだけ離れているのかが見えてこない。
模試はその「現在地確認」のための最も有効なツールです。それから、標準偏差の概念も知っておくといいと思います。偏差値を1上げるために必要な点数の目安が分かるので、「あと何点取れれば志望校の合格ラインに届くか」という逆算がしやすくなります。
なんとなく「もっと頑張らなきゃ」と思うのと、「あと〇点上げれば届く」と具体的に把握しているのとでは、学習の質がまったく違ってきます。
もう1つ強くお勧めしたいのが、複数の模試を受けることです。例えば、河合塾の模試と東進ハイスクールの模試では、評価基準がまったく異なります。
河合塾はいわば「現在地評価型」で、今の実力で受験者の中にどう位置するかを示してくれます。一方、東進は「成長予測型」とでも言いましょうか、今のペースで勉強を続けた場合の合格可能性を示してくれる仕組みになっています。
この2つを組み合わせることで、「今自分はどのレベルにいるか」と「今のペースで本当に大丈夫か」の両方を同時に把握できます。
受験者層も模試によって若干異なりますし、1社だけでは見えてこない部分が、複数受けることで見えてくるんです。
通信制高校では模試の受験が任意になるケースも多いですが、だからこそ自分から積極的に申し込んで、定期的に受け続ける習慣を作ることが重要です。
模試を受け続けられるかどうか、それ自体が受験に向かう姿勢のバロメーターでもあると思っています。
「偏差値の高い大学に行くこと」の意味は変わりつつある
─ 「偏差値の高い大学に行くこと」は、将来にとって重要だと思いますか?
結論から言うと、メリットは一部ありますが、以前ほどの影響力はないと思っています。
私自身、東京工業大学(現・東京科学大学)を卒業していますが、社会に出てから大学名を名乗って仕事をした記憶がほとんどないんですよね。大学名を聞かれる機会自体、まずない。
学んだ内容が仕事に活きている部分はたしかにあるので、「まったく無意味」とは言いませんが、大学名そのものの影響は限定的だというのが正直な感想です。
さらにいうと、前職で部長職・管理職として採用に関わっていた時期がありますが、新卒採用の場合は人事から大学名を教えてもらえなかったんです。エントリーシートの大学名欄は黒塗りされていました。
一方、中途採用では表示されていました。これは象徴的だなと思っていて、少なくとも新卒採用は「どの大学を出たか」よりも「何をやってきたか」を重視する企業が増えてきている流れを表していると感じます。
昔はメガバンクなどが採用対象大学をあからさまに絞っていましたが、今はそういった情報を公開する企業はかなり減ってきています。社会全体が「大学名より実績・経験」という方向に変わってきているのは間違いないかなと思います。
ただ、転職市場では「大卒」という学歴が一定の条件になるケースはまだあります。生涯1つの企業で働く時代ではなくなってきている今、転職を重ねながら市場価値を高めていく場面で、大学名が多少影響することはあるかもしれません。
あくまで「一部」ではありますが、大卒資格そのものは持っておいて損はない、というのは言えると思います。
─ 「通信制高校=学力が低い」という偏見に対して、どう対応されていますか?
めちゃくちゃあります、そういった誤解は(笑)。保護者の方からの不安の声は特に多いですね。
ただ、そもそも通信制高校がなぜ設置されたかという背景をちゃんと伝えると、多くの方が納得してくれます。
通信制高校はもともと、経済的な理由などで働きながら学ぶ必要がある人のために、高校卒業資格を取得できる環境として生まれたんです。
学力や偏差値で選抜しないのは制度の根幹であって、学校の質が低いということとはまったく別の話です。
「目的が違う」という一言に尽きます。進学校のように学力で入学者を絞るのが目的の学校ではなく、学ぶ機会を必要としているすべての人に開かれた学校として設計されている。
そこをちゃんと説明した上で、「あとは時間の使い方次第ですよ」という話をするようにしています。
最近では、英語教育に力を入れている学校への通学と並行して通信制高校に籍を置きながら留学準備をしたり、時間を確保して受験勉強に集中したりと、通信制高校を積極的・戦略的に選ぶ生徒も増えています。
「不安でやむを得ず来た場所」ではなく、「選択肢として意図的に選んだ場所」としての通信制高校が、確実に広がってきています。
偏差値との向き合い方と、これからの時代に必要な力
─ 進学先を考える際に、偏差値とどう向き合えばいいでしょうか?
GMARCHや日東駒専といった、いわゆる有名大学を目指すのであれば、偏差値としっかり向き合う必要があります。
模試を受けて自分の立ち位置を確認すること、周りの受験者と比較して今どこにいるのかを把握することは、有名大学を目指す上で避けられないプロセスです。
一方で、「偏差値の高い大学に行くこと」自体を目標にしてしまうのは少し危ういと思っています。大事なのは、自分がやりたいことができる大学・環境に進むことです。
その結果として、たまたまそこが偏差値の高い大学だったということはあると思いますが、偏差値の数字を追いかけること自体が目的になってしまうと、入学後に迷子になりやすい。
─ 総合型選抜では明確な志望理由を用意するので、迷子にはなりにくいかもしれないですね
そうですね。。自分の実績や経験で勝負できるこのルートは、偏差値だけでは語れない可能性を持った生徒にとって非常に有効な選択肢です。
個人的な予測になりますが、進学を目指す生徒の9割近くが総合型選抜や推薦入試で進学するような高校が今後増えていくと思いますね。
一般受験の合格率を上げることよりも、生徒一人ひとりの強みを活かした進路設計をすることの方が、結果的に進学の可能性を広げることにつながっています。
「偏差値と向き合うこと」と「偏差値だけにとらわれないこと」、この2つをバランスよく持っておくのが、通信制高校から大学進学を目指す生徒へのアドバイスとしてお伝えしたいことですね。
─ 最後に、通信制高校への進学を迷っている方へメッセージをお願いします。
通信制高校は、 「社会に一番近い場所」だと私は思っています。やりたいことに時間を使える。そしてそれが、次のステージに直結していく。
大学進学であれ、就職であれ、在学中から自分の将来につながる経験を積める環境があります。
これからはAIが当たり前になる時代が来ます。そうなった時に求められるのは、知識の量よりも、「知識を使いこなす力」「問いを立てる力」「答えを見極める力」です。
テストの点数や偏差値で測れるIQだけでなく、課題を解決する力や感情をコントロールする力。いわゆる「非認知スキル」の重要性は、これからますます高まっていくはずです。
IQはもちろんこれからも必要ですが、それに加えてEQ(感情指数)やAQ(逆境対応力)と呼ばれる力が、社会で活躍するためのカギになってくると言われています。
こうした力はPBL(プロジェクト型学習)のようなグループワークを通じてこそ身につくものであり、テスト勉強だけでは習得できません。
偏差値という1つの指標だけで進路を判断するのではなく、「自分はこれから何をしたいのか」「そのためにどんな環境が必要か」を考えたうえで、通信制高校という選択肢を検討してみてください。
私自身、今高校生に戻れたら迷わず通信制高校を選ぶと思います。時間の使い方を自分でデザインできる環境は、これからの時代を生きるうえで本当に大きな武器になると信じています。
通信制高校サポート校「HR高等学院」をご紹介
通信制高校からの大学進学において、サポート校選びは合否を大きく左右します。特に、総合型選抜を活用して大学進学を目指す場合、PBL(プロジェクト型学習)などの活動が充実しているサポート校を活用するとよいでしょう。
HR高等学院では、ビジネス・アート・テクノロジーなど社会で活きるスキルを学びながら、企業のプロジェクト参加や起業体験、商品開発といった実践的な活動に挑戦できます。
また、「失敗は挑戦の証」という考え方を大切にし、安心してトライ&エラーできる環境が整っています。中学時代に不登校だった方や、自信を取り戻したい方にも適しています。
まずは説明会や個別相談会で、学校や授業の詳細、通信制高校全体の仕組み、子どもの将来に関する不安などをご相談ください。一人ひとりに寄り添い、最適な学びの形をご提案します。
最後に
本記事では、「通信制高校と偏差値」というテーマのもと、通信制高校が設置された背景から、難関大学への進学事例、現場の職員によるリアルなアドバイスまでを幅広くお伝えしてきました。
改めて整理すると、通信制高校に入学時の偏差値基準がないのは、すべての人に学びの機会を開くという制度設計によるものです。学校の質や生徒の可能性とは、まったく別の話だと言えます。
そして現代の通信制高校は、単なる卒業資格取得の場から大きく進化しています。
自分の目標に合わせて時間を設計できる環境は、難関大学への進学はもちろん、社会に出てからも通用する実践的なスキルを在学中から育てられる場所でもあります。
「通信制高校が自分に合っているかどうか不安」「偏差値がないと進路に影響するのでは」と感じている方は、まず学校の説明会や個別相談に足を運んでみることをおすすめします。現場の声を直接聞くことで、抱えている不安の多くが解消されるはずです。
通信制高校という選択肢を、ぜひ前向きに検討してみてください。



大学在学中に学習塾を立ち上げ、教育者としてのキャリアをスタート。その後、業界大手2社にて教育現場の最前線を経験。さらに通信制高校へとフィールドを広げ、リアルとオンラインが融合した「新しい学びのカタチ」を追求しながら日々学生と向き合ってきました。新規コースの責任者として、既存の枠組みにとらわれないオンライン教育を実施。
現在は「HR高等学院」に参画し「中高生からのキャリア教育」を軸に、学生一人ひとりが自らの意志で未来を選び取れるよう、バックオフィスから学生を支えている。