転入は今の高校に在籍したまま別の高校へ移る手続き、編入は高校を退学したあとに別の高校へ入り直す手続きです。
両者の大きな違いは「高校に在籍したまま移るかどうか」という点です。入学できる時期や引き継げる単位、卒業時期、履歴書の書き方の差は在籍の有無から生まれます。
今の高校を変えたい人も、辞めたあとに入り直したい人も、まず自分がどちらに当てはまるかを知るとスムーズに手続きを進められるはずです。
本記事では、転入と編入の定義やどちらを選ぶべきかの目安、全日制高校と通信制高校での転入・編入のしやすさの違いなどを詳しく解説します。編入と転入の違いは「高校に在籍したまま移るかどうか」
転入と編入の違いは、次の表のとおりです。
ここでは、まず転入と編入それぞれの意味と、似た言葉を整理します。
転入(転入学・転学)とは、在籍したまま別の高校へ移ること
転入とは、今の高校をやめずに、そのまま別の高校へ移る手続きです。
国のきまりでは、在籍校の校長が在学証明書などの書類を転学先の校長に送り、転学先の校長が許可する流れで進みます。
全日制・定時制・通信制のあいだでも移ることができ、何年生として入るかは、前の高校で修得した単位の数で決まります。
転入では一般に、前の高校の籍を抜く日(転出日)の翌日が転入先の入学日になるため、高校生でない日は1日も生まれません。転出は籍を転入先へ移すための手続きで、中途退学とは扱いが違います。たとえば、9月30日付で前の高校から転出した場合、10月1日付で新しい高校に入学する形になります。
出典:e-Gov法令検索|学校教育法施行規則 第92条
出典:文部科学省|高等学校及び特別支援学校高等部の指導要録に記載する事項等
編入(編入学)とは、退学したあとに別の高校へ入り直すこと
編入とは、高校に在籍していない人が、1年生の途中や2年生以上の学年に入学する手続きです。
文部科学省の「高等学校への編入学について」では、入る学年の生徒と同じ年齢以上で(たとえば2年生に入るなら、ふつう2年生になる年齢以上)、その学年の生徒と同等以上の学力があると校長が認めれば、編入学できるとされています。
この条件は国のきまりで定められています。
対象は高校を中途退学した人が中心ですが、海外からの帰国者や、高等専門学校や、中高一貫の中等教育学校の後期課程(高校にあたる学年)に在籍している(していた)人も含まれます。
埼玉県教育委員会や東京都教育委員会の案内でも、同じ範囲の人が編入学の対象であると案内されています。
なお、前の高校で修得した単位は編入でも引き継げますが、退学から入学までの間に高校に在籍していない期間が生じる点が転入との違いです。出典:文部科学省|高等学校への編入学について
出典:e-Gov法令検索|学校教育法施行規則 第91条
出典:埼玉県教育委員会|公立高等学校転編入学情報
転校・転学・転入学・編入学・再入学など似た言葉の整理
転入や編入と似た言葉は、以下の表のとおりです。
「転入生」と「転校生」は同じ生徒を指し、「編入生」は編入学で入った生徒を指します。どの言葉も「在籍したまま移るか、入り直すか」で読み替えると勘違いを防げます。
転入と編入で変わる5つのこと
転入と編入の違いは在籍の有無だけです。しかし、在籍の有無から次の5つの差が生まれます。
- 入学できる時期は転入が随時、編入は年数回の学校が多い
- 単位と在籍期間はどちらも前の高校の分を引き継げる
- 卒業時期は転入なら同級生と同じ、編入は空白の期間分ずれる
- 履歴書は転入なら「転入学」、編入なら「中途退学」と「編入学」を書く
- 手続きは転入が在籍校を通し、編入は本人が進める
それぞれを理解した上で、自分の状況に合う進路を選択しましょう。
入学できる時期は転入が随時、編入は年数回の学校が多い
入学できる時期は、転入のほうが機会が多く、編入は年数回に限られるケースが一般的です。
私立の通信制高校は、転入学を毎月1日など随時受け付ける学校が多く、編入学は4月・10月など年数回に限る学校と毎月受け付ける学校に分かれます。
たとえば、N高等学校は、新入学と編入学は4月・7月・10月・1月の年4回で、転入学はネットコースなら随時受け付けています。
一方、HR高等学院が提携する鹿島学園高等学校と鹿島山北高等学校は、転入学・編入学とも毎月1日付で受け付けています。
公立の例として、都立高校の転学・編入学募集は学期ごとに年3回あります。
都立の例では、退学すると次の第一学期まで編入学の募集がありませんが、在籍したままなら学期ごとの転学募集に応募可能です。なお、募集の回数と月は学校ごとに違うので、候補校の募集要項で確認してください。
出典:東京都教育委員会|都立高等学校の転学・編入学について
出典:N高等学校・S高等学校・R高等学校|入学案内
出典:鹿島学園高等学校|出願〜入学までの流れ
出典:鹿島山北高等学校|出願〜入学の流れ
単位と在籍期間はどちらも前の高校の分を引き継げる
高校を卒業するには、74単位以上の修得が必要です。あわせて、全日制高校では3年、定時制高校と通信制高校では3年以上の在学が求められます。
前の高校で修得した単位と在籍した期間は転入でも編入でも引き継げるのが一般的です。ただし注意点が2つあり、1つ目は単位が確定する時期に関する点です。
全日制高校の多くは学年制で、単位が年度末の3月に確定するため、年度の途中で他校へ移るとその年度の単位は引き継げません。
2つ目は在籍期間で、編入では退学から入学までの空白の期間が在籍期間としてカウントされず、空白の月数分だけ「3年以上」に届かない可能性があります。
また、単位の認定は転入先・編入先の校長が行うため、専門学科の科目が普通科で認められないなど、引き継げる単位が減ることもあります。
出典:e-Gov法令検索|学校教育法
出典:e-Gov法令検索|学校教育法施行規則
卒業時期は転入なら同級生と同じ、編入は空白の期間分ずれる
卒業時期は、転入なら同級生と同じ3月に卒業しやすく、編入は空白の期間の分だけ後ろにずれます。
転入は在籍が切れないので、移る時期と修得単位次第で同級生と同じ3月に卒業可能です。
ただし、高校3年の秋以降に転入すると、年度内の単位修得が間に合わず卒業が遅れることがあります。
編入の卒業時期は、「空白の月数」と「卒業できる月」の2つで決まります。
単位は卒業までにそろう前提で、高校2年の1月末に退学して4月に編入すると、空白は2月と3月の2か月です。
在籍期間が2か月足りない分、入学から3年目の3月には卒業できず、卒業月が3月と9月の学校なら9月卒業になります。
空白期間が長いほど卒業は後ろにずれるので、退学から編入までの期間は短いほど計画を立てやすくなるでしょう。授業料の単価は転入も編入もほぼ同じですが、編入は在籍が延びる分、システム利用料などが増えやすい点に注意が必要です。
履歴書は転入なら「転入学」、編入なら「中途退学」と「編入学」を書く
履歴書の学歴欄は、転入なら「転入学」、編入なら「中途退学」と「編入学」の両方を書きます。
転入の場合の学歴欄は、入学・転入学・卒業の3行を次のように並べます。
○○高等学校 入学
△△高等学校 転入学
△△高等学校 卒業
編入の場合は、前の高校の中途退学を1行入れて、次の4行で書きます。
中途退学の行を省くと経歴を偽ったと受け取られかねないので、編入の場合も退学の行を省かず書いてください。○○高等学校 入学
○○高等学校 中途退学
△△高等学校 編入学
△△高等学校 卒業
また、面接で退学の理由を聞かれることがあるため、前向きに説明できるよう準備しておくと落ち着いて受け答えできるでしょう。
なお、卒業した高校が通信制課程かどうかは、一般に学歴欄へ書かなくてもよいとされています。
手続きは転入が在籍校を通し、編入は本人が進める
手続きの違いは、転入が在籍校を通して進み、編入は自分で進める点です。
転入では在籍校の校長が転学照会書や在学証明書、単位修得証明書を転入先へ送るため、まず在籍校の担任に相談するところから始まります。
編入では、前の高校に退学証明書や単位修得証明書などを発行してもらい、本人が候補校に出願します。
選考の内容は、私立の通信制高校では書類・面接・作文が中心です。都立の全日制高校では、原則として国語・数学・英語と面接が課されます。
なお、証明書の発行に1週間ほどかかる学校もあるので、募集の締め切りから逆算して早めに準備を始めましょう。「社会で生きていける力」を。
- 入学前不登校経験者8割。
入学後登校率89% - ぷよぷよ、モンスト開発者、
日本一になった起業家
から直接学べる - docomo、Lotte、Mixiなど
大企業と連携したプロジェクト型学習

転入と編入、どちらを選ぶ?判断の目安
転入と編入のどちらを選ぶべきかは、現在の在籍状況で決まります。今の高校に在籍しているなら転入が基本で、すでに退学しているなら編入になります。
ただし、退学届を出す順番や、高校1年の途中で退学した場合の扱いで結果が変わるので、次の3つの目安を確認してください。
- 今の高校に在籍しているなら、退学届を出す前に転入の相談を
- すでに退学しているなら編入として募集時期と空白の期間を確認する
- 高校1年の途中で単位がないまま退学した場合は、新入学の扱いになることも
それぞれ詳しく解説します。
今の高校に在籍しているなら、退学届を出す前に転入の相談を
今の高校に在籍しているなら、退学届を出す前に転入の相談をするのが基本です。退学届を先に出すと、在籍が切れて転入ではなく編入になり、空白の期間が生まれます。
在籍校で「転校するなら退学届を書いて」と言われても、転入先の合格後に転出の手続きをする順番が一般的です。
退学届を出す時期を在籍校と転入先の両方に確認してから動くと、空白の期間を作らずに移れます。ただし、転入先のコースや時期によっては、一度退学して編入になる場合もある点は念頭に置いておきましょう。
退学が必要なら、編入先の入学日に退学日を近づけるよう在籍校と相談してください。また、今の高校に通えていなくても、休学で籍を残したまま転入先を探す方法もあります。
加えて、休学の期間を在籍期間に数えない学校も存在するので、在籍校と転入先に確認してください。
すでに退学しているなら編入として募集時期と空白の期間を確認する
すでに退学しているなら編入になるので、候補校の編入学の募集時期を先に確認します。募集が年数回か毎月かで、出願できる時期が数か月単位で変わります。
あわせて、退学から入学までの空白の期間が卒業時期にどう影響するかを候補校に聞いておくと、計画を立てやすくなるでしょう。
編入まで時間が空く場合は、前の高校の単位修得証明書や退学証明書を先に揃えておくと、募集が始まってすぐに出願できます。毎月募集している学校なら、書類がそろった時点で直近の募集に出願できます。
高校1年の途中で単位がないまま退学した場合は、新入学の扱いになることも
高校1年の途中で退学し、修得単位がゼロの場合は、編入学ではなく1年生の最初から入り直す扱いになる学校があります。
これは、学年制の全日制では単位が年度末に確定し、1年の途中で退学すると修得単位が残らないことが多いためです。
呼び方も再入学や新入学など学校によって違い、扱いが変われば入学時期や卒業時期も変わります。
候補校に「編入学として出願できるか」を先に確認しておくと、出願の準備を無駄にせずに済みます。全日制高校と通信制高校で、転入・編入のしやすさは違う
全日制高校と通信制高校では、転入・編入のしやすさに差があります。
全日制、特に公立は欠員がある学校だけが学期ごとに募集し、都立の例では居住地の条件や国語・数学・英語の学力検査もあるため狭き門になりがちです。たとえば、令和8年度第二学期の都立高校の転学・編入学募集では、全日制は受検した326人のうち合格が122人と、4割に届きませんでした。
合格者の内訳は第2学年16人、第3学年2人で、大半は第1学年の104人です。
一方で、同じ学期の都立通信制課程は、受検した163人のうち145人と、9割近くが合格しました。
私立の通信制高校には、転入・編入を随時受け付ける学校もあります。
全国私立通信制高等学校協会の調査(令和8年1月)によると、私立の通信制高校に転入してくる生徒の多くは全日制高校からです。回答した61校の令和6年度の転入生では、74.2%が全日制高校からの転入でした。
全日制高校への転校の条件や手続きは「全日制高校へ転校したい!公立・私立の手続き・条件を解説」で詳しく解説しているので参考にしてください。
通信制高校へ編入・転入を検討している場合は「通信制高校の編入・転入の条件・単位・時期・手続き」を参考にしてください。
出典:東京都教育委員会|令和8年度第二学期都立高等学校転学・編入学募集実施結果【全日制総括】
出典:東京都教育委員会|令和8年度第二学期都立高等学校転学・編入学募集実施結果【通信制課程】
出典:全国私立通信制高等学校協会|私立通信制高等学校実態調査(報告書)
編入と転入の違いについてよくある質問
編入と転入の違いについてよくある質問は、以下のとおりです。
- 転入と編入はどちらがスムーズに入れますか?
- 転入・編入で就学支援金はどうなりますか?
編入と転入の違いについて、本編とあわせてよくある質問に回答していきます。
転入と編入はどちらがスムーズに入れますか?
在籍中なら転入のほうが空白がなく、手続きも在籍校を通せるためスムーズです。
すでに退学していれば編入しか選べないので、どちらがスムーズかを比べる場面はないでしょう。
ただし、転入と編入のどちらになるかで優劣があるわけではありません。
在籍しているうちに転入先を探し始めると、空白期間を作らずに学校を移れます。転入・編入で就学支援金はどうなりますか?
就学支援金は、条件を満たせば転入先・編入先の高校でも申請して受けられます。
ただし、高校に在学した期間が通算36か月を超えると支給されません。定時制・通信制の課程に在学した月は1か月を4分の3か月として数えるため、定時制・通信制だけなら48か月分までが対象です。
前の高校の在籍期間も通算されるので、転入・編入の前後を合わせた月数で残りの期間を確認してください。出典:e-Gov法令検索|高等学校等就学支援金の支給に関する法律
出典:e-Gov法令検索|高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行令 第1条
通信制高校サポート校「HR高等学院」をご紹介
HR高等学院では、提携する通信制高校での高卒資格の取得をサポートしながら、社会とつながる実践的な学びを提供しています。
カリキュラムの柱は、次の5領域です。
- ビジネス&アントレプレナーシップ
- テクノロジー
- デザイン
- ソーシャル
- グローバル
興味のある領域を入口にして、教科の勉強だけでは得られない知見を深められます。
起業家やクリエイター、社会活動家など、各分野のトップランナーと直接対話できるセッションも定期的に開かれています。
日本をリードする企業と連携したPBL(課題解決型学習)では、実際に存在する企業の課題を解決しながら、社会とつながる経験を積めます。
学習スタイルは完全オンラインから週5回の通学まで自由に選べるため、体調や生活のリズムに合わせた通い方が可能です。
社会に触れる実践的な経験と高卒資格の取得を、自分のペースで両立できる点がHR高等学院の特長です。また、HR高等学院では、入学前に不登校を経験した学生が在籍者の8割ほどを占めています。
一人ひとりの状況に合わせた、手厚い学習・進路サポートを受けられる点もHR高等学院ならではの魅力です。
転入学・編入学は随時受け付けています。
転入か編入か分からない段階でも、まずは説明会や個別相談会で、キャンパスの様子や授業の詳細、通信制高校全体の仕組み、子どもの将来に関する不安などをご相談ください。


