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2026.05.12

「信頼」をベースにした学校は、成り立つのか? ー代々木開校1年を振り返って

この記事の著者
恒弘 大輔
恒弘 大輔
HR高等学院事業部 事業本部長
「進路に悩む子どもへの正しい接し方 丸わかりBOOK」をLINEで無料ダウンロード
目次
  1. 学校の「アタリマエ」を全部うたがってみた
  2. ”意図”に思いを馳せる、高校生たち
  3. 掃除当番はルーレットで決める
  4. 対話に飢える。対話で伸びる。
  5. 大人が学生に「混ざる」

どうも、HR高等学院運営責任者のつね(恒弘大輔)です。

現在、HR高は2期目に突入しています。

2期目も開校して一息ついたところで、ちょっとだけ1年間の振り返りを。
特に、1年間を通して、コーチと学生たちの関係性がどうなったのか、ここについて綴ってみたいと思います。

学校の「アタリマエ」を全部うたがってみた

昨年の開校にあたって、いま思うとなかなかギャンブルな判断をしてきました。

「校則はつくらない」「ルールはつくらない」
「キャンパスの机椅子はランダムな方向を向くように」
「学びは彼らの自主性を重んじる」
「イベントは学生が手を挙げて企画する」

などなど。

各キャンパスも、「学校っぽくない空間」を大事に作ってみたり。

どれも、ボタンをかけちがえたら、カオスで学び舎として成立しなくなる可能性のあるものばかり。
教壇教卓もなくしてみたし、板書もなくしてみたし、チャイムもなくしました。
(1回チャイム入れてみたら、学生たちから大ブーイングをくらいました。笑)

もちろん、すべて「HR高はどんな学びの場であるべきか」を考えて、意図や理由をもってそうしたのですが、
まずは学びが成立してよかったなあと胸をなでおろしている自分がいます。

むしろ、こういった**「学生の自主性と自律心を信じる」「学生の自らを育てる力を信じる」**運営の在り方は、
多くの気づき、学びを私たちに与えてくれました。

”意図”に思いを馳せる、高校生たち

ある日、私がキャンパスでセッション(授業)をしていたとき。

「つねさんってセッション中、あえて注意しないことありますよね。
自分たちに、自主的に学びに向かってきてほしいって思ってるんですよね。
だからもっと集中して受けようって思ってるんです。」

とある学生に言われました。
おお、バレてる。

授業中、よくある学校の100倍くらい話すので、みんなで意識して学ぶ場作りをしないとカオスになります

セッション中は私語禁止とか、静かにしてくださいとか、寝るなとか、
Dont'sのコミュニケーションってシンプルでわかりやすい。
でも、そのレベルの関係性で一緒に学ぼうと思っているわけじゃないんだよっていうのを、
彼らはいつの間にか、言葉にせずともキャッチしてくれるようになりました。

「セッションはじめるよ〜」
とぼそっというと、みんなが、「ほら!はじまるって!」と周囲に声をかけてくれたり、
場作りをしてくれるようになりました。

パキパキした仕組みじゃなくて、
「思い切り自分たちのことを信頼してくれている」
という関係性が、学生たちの学びに火をともし、彼らを大きく成長させていくのだなあと。

掃除当番はルーレットで決める

午後のセッションが終わると、こんなやり取りが。

「よし!今日の掃除当番どうやって決める!」

掃除当番って、学校でやりたくないことランキング堂々の1位だと思うんですよね。
放課後はみんなで1秒でも長く遊びたいし、話したいし。
でも2年目以降も大事に使ってほしいキャンパス。

1年運営する中で、**「どんな瞬間も楽しむ方法を一緒に考える」**というのを、みんなとやってきたように思います。
HR高の日々のセッションはアウトプット中心です。
全授業、答えがない問いが飛んできます。放課後も、どう使うかはみんな次第。

12月のとある放課後。気がついたらクリスマスパーティはじめてた

HR高生は、1年かけて、「いわゆる正解に近い答えをつくる方法」ではなく、
自分たちが「良い、面白い、楽しい、欲しい」と思えるものをイキイキと考えていく、そんな力がついたように思います。
ときに、自分たち大人メンバーの想像を遥か超えて、彼らの面白がる力に圧倒されることも、1年通して何度もありました。

”学ぶを楽しむ”

変化の激しい時代で、意欲が学びの総量を左右する時代で、みんなは自分で自分を育てる力を、
たくましく身につけてくれました。

セッション中にオリジナル模型が登場。いったいどこから学んできたんでしょうか。

対話に飢える。対話で伸びる。

「つねさん、1on1したいです!」
1年で100回は言われました。

高校時代、大人と対話することの価値を、自分は当時まったく気づけていなかったな、と振り返ります。
大学に入って、岡山から東京に上京して、いろんな大人の存在を知って、就活を開始して、
そこではじめて、大人と対話する価値を私は知りました。

彼らは高校生にして、その価値に気づいている。
思いを言葉にし、ぶつけて、多角的な意見を一緒に練り込んで、自分の考え方や価値観をアップデートしていく。
ときに内省し、自分を深く見つめて、悩んで、受容して、みとめていく。
自分に小さな自信を溜め込んでいく。
人によって1on1の使い方は違いますが、みんな大人を活用するのが上手になってきたなと思います。

これもある日の放課後。カウンターでPCカタカタしてるといつの間にか対話スタート。

我々職員も、高校生と思わず対等に対話します。
同じ会社の人と話しているみたいな。

「子ども扱い」を、学生たちは大人の100倍敏感に感じ取る力があります。
フラットに、大人として、自分たちの持つ引き出しを精一杯出し切って対話をする。
対話でしか培えない成長ってこんなにあるのか、と私自身びっくりする、そんな1年間でした。

大人が学生に「混ざる」

1年を通して、この価値もすごく感じました。
セッションで、みんなのアイデアやコメントを誰より楽しんでいる大人がいる。
学祭で、学生よりはしゃいでいる大人がいる。
運動会で、休み時間もみんなとドッジボール延長戦している大人がいる。
何か意識していたわけではないのですが、そうした大人たちの様子は、
HR高のカルチャー形成にとても大きな影響を与えていたのでは?と振り返って思います。

「ちゃんとすること」

を日々言われ続けた学生たちにとって、イキイキと、のびのびと学ぶには
心の障壁があまりに大きい。
ある種、大人たちの「真剣に楽しんでいる」様子は、そのバリアを割る力があったように感じます。
縮こまらなくていいんだ。大人ってこんなに意外と近いんだ。
年度途中からは、「ねえねえ一緒にやろうよ」と言われる頻度がどんどん増えました。

一緒につくる。一緒に悩む。一緒によろこぶ。
みんなと気持ちを共有しながら過ごす時間は、彼らのアタリマエを再構築してくれたかもしれません。

理想の教育をつくるというのは途方もない道のりで、どこにもコタエらしいものもなくて。
でも、みんなと試行錯誤する中で見出したものはきっと「正解の1つ」に近いんだろうなって思います。

HR高も今年で、開校して2年目。
また一緒に試行錯誤する日々が楽しみです。

ではまた!

「進路に悩む子どもへの正しい接し方 丸わかりBOOK」をLINEで無料ダウンロード
この記事の著者
恒弘 大輔
恒弘 大輔
HR高等学院事業部 事業本部長
早稲田大学教育学部卒。2018年株式会社トライグループに入社。累計1,000名を超える家庭の教育コンサルティングと課題解決を行う。家庭教師事業・個別教室事業を中心に事業戦略、マーケティング、拠点拡大、採用育成など幅広く従事。全国100拠点の新規事業立ち上げ責任者経験。 日本の受験/知識偏重の教育に課題を感じ、世界の教育を直接学ぶため、5大陸53カ国を回り各地の学校、教育機関を巡る。HR高等学院の立ち上げ後、現在は事業責任者として、子どもたちの成長を様々な角度からサポートしている。早稲田大学招聘講師。
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