はじめに
「この7人はもう心配いらないな」
そう思ったのは、マレーシアではなく、日本でSlackを見ていたときでした。
※Slackとは、HR高等学院で日常的に使っているコミュニケーションツールで、学生・コーチ・スタッフがリアルタイムでやり取りをする場所です。今回のツアーでも、安全確認や状況共有のために、朝の挨拶から帰宅報告まで、すべてここで行っていました。
HR高等学院で進路と教務を担当している、りっきーこと根岸律葵です。
2026年3月25日〜31日の間、HR高等学院のマレーシア大学見学ツアーが決行されました。
実はこのマレーシア大学見学ツアーは、私がHRにジョインして初めて企画した海外プログラムでした。
今日は、その7日間で見えた学生たちの変化と、そもそもなぜこのツアーをやろうと思ったのかについても、少し書いてみます。

なぜマレーシアだったのか
私は、海外大学に進学すること自体が「すごいこと」だとは思っていません。
けれど、進路支援に携わる中で、ずっと違和感がありました。
大学選びのとき、なぜ国内の大学だけが“当たり前の選択肢”として並ぶのか。
こんなにボーダレスな時代なのに、海外の大学は最初から土俵にすら乗ってこない。
それってちょっと不自然だなと思っていました。
とはいえ、海外大学進学には現実的なハードルもあります。
学費や生活費の負担は大きく、円安も進んでいる中で、簡単に選べる選択肢ではありません。
そんな中で注目したのが、マレーシアでした。
学費や生活費は比較的抑えられていて、感覚としては「地方から東京に出て一人暮らしをして私立大学に通う」くらい。
さらに、イギリスやオーストラリアの大学の分校も多く、途中から他国へ編入するような進路も現実的に選べる。
英語で学べる上に、とても親日国。
個人的には、すごく興味深い選択肢だと思いました。
でも、それも結局は「情報」でしかありません。
だからこそ、実際に自分の目で見て、感じてほしかったのです。
そしてもう一つ。
たとえ海外大学に進学しないとしても、最初から選択肢に入っていない状態ではなく、
「国内も海外も同じ土俵で考えた上で選ぶ」
そんな状態で進路を考えることのできる人であってほしいと思っていました。
このツアーは、そのためのきっかけでした。
このツアーは「行く前」から始まっていた
今回のツアーは、ただ海外に行くプログラムではありませんでした。
出発前、学生たちにはこんな前提を共有しました。
「海外に行く価値は、準備の質で決まる」
マレーシアの社会や教育、訪問する大学について調べ、自分なりの問いを持って現地に行く。
そして、“なんとなく見る”のではなく、「問いを持って見る」。
つまりこれは、
“連れていってもらうツアー”ではなく、
“自分で取りに行くツアー”でした。
Slackの向こうで、少しずつ変わっていった
ツアーが始まってから、私のもとにはSlackで学生たちの様子が届き続けていました。
「空港着きました!」
「ホテル着いた!」
「ごはん美味しい!」
最初は、どこか安心するような、いつものやり取りです。
でも、日が進むにつれて、その言葉が少しずつ変わっていきました。
朝は「Good morning」
夜は「I’m back in my room」
毎日の報告が習慣になり、自分の状態を自分で言葉にするようになる。しかも英語で!
大学見学では、事前に準備してきた質問をもとに、ただ話を聞くのではなく、自分たちから問いにいく。
そして自由行動の日。
「今ここにいます」
「これからここに向かいます」
「予定をこう変更します」
その一つひとつに、ちゃんと“理由”がある。
誰かに連れていってもらうのではなく、自分たちで考えて、自分たちで動いている。
画面越しに見ていて、「あ、変わってきてるな」と感じる瞬間が何度もありました。




「任せる側」に変わった瞬間
特に印象に残っているのは、自由行動中のやり取りです。
予定変更の連絡が届いたとき、最初は少しだけ心配もありました。
でも、そのあとに続いた内容を見て、心配はすぐに安心に変わりました。
・誰と行動しているのか
・どこに向かうのか
・何時までに戻るのか
・誰に共有しているのか
全部、自分たちで整理して、伝えてきていたんです。
そのとき、自然とこう思いました。
「なんて頼もしいのだろう。もう大丈夫だな。」
守られる側だった学生たちが、自分で考えて、判断して、責任を持って動いている。
“見ていなきゃいけない存在”から、
“任せられる存在”に変わった瞬間でした。



これは「キャリアオーナーシップ」のはじまり
この7日間で起きていた変化は、単なる成長ではありません。
HR高等学院が大切にしている「キャリアオーナーシップ」のはじまりだと感じています。
進路を“選ばされる”のではなく、自分で情報を取りにいき、比較し、納得して選ぶ。
今回で言えば、
・海外という選択肢を知る
・自分で見て判断する
・選ばないなら、それも自分で決める
このプロセスそのものが、キャリアオーナーシップです。
どの大学に行くか以上に、「どう選んだか」がその後の人生をつくる。
そんなことを、学生たちはこの7日間で体験していたのだと思います。
読んでいるあなたへ
今回のマレーシア大学見学ツアーで、学生たちは越境体験をしました。
でも体験の本質は、
「どこに行ったか」ではなく、
「どう向き合ったか」だったと思います。
守られるだけではなく、自分で考えて、動いて、責任を持つ。
HR高等学院が育てたいのは、そういう「自分の人生のハンドルを握ることのできる人」です。
もしこの記事を読んで、「こういう環境で学んでみたい」と少しでも感じていただけたら、ぜひ一度、説明会や見学に来てみてください。
その一歩が、自分で選ぶ人生のスタートになるかもしれません。


