高校への進学を考える際、気になるのが学費や経済的な負担ではないでしょうか。特に、通信制高校でも奨学金や国の補助金制度が利用できるのか、不安に感じている方も少なくありません。
実際には、通信制高校も国の「就学支援金制度」などの対象となり、家庭の収入に応じて支援が受けられます。
さらに2026年度からは所得制限が撤廃され、私立高校でも平均授業料相当の支援が決まり、実質的な「無償化」に近づいています。
この記事では、最新の制度をふまえて通信制高校の奨学金や補助金、申請方法について解説します。進学を検討する際の参考にしてください。
通信制高校生でも奨学金は利用できる?
通信制高校に通う学生も、全日制と同様にさまざまな奨学金や学費支援制度を利用できます。家庭の経済状況や進学先に応じて支援の内容が異なるため、制度を理解して適切に活用することが大切です。
学費支援制度
通信制高校に通う学生向けの学費支援制度には、さまざまな種類があります。国の制度では、授業料を補助する「高等学校等就学支援金」や、授業料以外の教育費を支援する「高校生等奨学給付金」があります。
加えて、地方自治体が独自に設ける奨学金や、企業・財団などによる民間奨学金も利用可能です。さらに、学校が独自に実施している奨学金制度もあり、給付型・貸与型を含め支援内容は多岐にわたります。
制度ごとに対象条件や申請方法が異なるため、事前に詳細をよく確認することが重要です。 各制度の詳細は後で解説します。
学費無償化制度
学費無償化制度とは、授業料の自己負担を減らし、すべての学生が安心して高校に通えるようにするための公的な支援制度です。
2025年度は国の臨時支援により、所得制限が撤廃され、公立・私立ともに多くの世帯で授業料の実質無償化が実現しています。
さらに、2026年度からは私立高校に対する支援額が全国平均授業料まで引き上げられ、全世帯を対象とした無償化が本格的に実施される予定です。詳しくは後の章で解説します。
引用:文部科学省|高等学校等就学支援金制度
引用:文部科学省「高校生等臨時支援金」PDF
通信制高校生が利用できる奨学金の種類
通信制高校の学生が利用できる以下の奨学金について具体的に解説します。
- 高等学校就学支援金制度
- 高校生等奨学給付金
順に見ていきましょう。
高等学校就学支援金制度
高等学校就学支援金制度は、世帯年収などに応じて、授業料の一部または全額が支給される国の支援制度です。公立・私立ともに対象ですが、2025年度と2026年度で制度が異なりますので注意が必要です。
2025年度の特徴(臨時支援金あり)
- 特例として「高校生等臨時支援金」が設けられ、所得制限が撤廃された
- 公立高校:高所得世帯も含めすべての世帯が支援対象となり、授業料は実質無償化
- 私立高校:世帯年収にかかわらず一定額の支援を受けられ、多くの家庭で学費負担が軽減
2026年度の変更点(制度として恒久化)
- 公立高校:制度上も正式に所得制限が撤廃され、授業料はすべての世帯で実質無償化
- 私立高校:所得制限が正式に撤廃され、全国平均授業料相当額がすべての世帯に支給される
金額や具体的な条件等は以下の記事で詳しく解説しています。併せてお読みください。
「高校就学支援金 もらえない理由」 などの内部リンク
引用:文部科学省|高等学校等就学支援金制度
引用:文部科学省「高校生等臨時支援金」PDF
高校生等奨学給付金
高校生等奨学給付金は、教材費・学用品費・修学旅行費など、授業料以外の教育にかかる出費を軽減するための制度です。対象は生活保護世帯・住民税非課税世帯で、返済不要の給付金となっています。
申請や支給額の詳細は都道府県ごとに異なるため、お住まいの自治体で最新情報を確認してください。
その他の奨学金や補助金
国の就学支援金でカバーできない教科書代や交通費、スクーリング費などは、地方自治体や学校独自、民間の奨学金で補助を受けることができます。
ここでは、以下の3つの奨学金を解説します。
- 地方自治体の奨学金
- 学校独自の奨学金
- 民間の奨学金
地方自治体の奨学金
都道府県の奨学金制度は貸与型が中心で、返済が必要ですが、無利子で利用できる点がメリットです。
たとえば、「東京都育英資金」は、教科書代や通学費、入学金、修学旅行費など幅広い用途に利用でき、通信制高校と提携しているサポート校に通う場合も、条件を満たせば利用可能です。
他の都道府県でも同様の制度を設けている自治体が多いため、事前に自治体の教育委員会等で最新の情報を確認することが大切です。
引用:東京都育英資金
学校独自の奨学金
通信制高校や提携サポート校には、独自の奨学金制度が設けられている場合があります。
例として、以下の様な制度があります。
- 特待制度:入学時の条件を満たせば授業料の免除や減額
- 学業奨励金:成績や出席率、意欲などを評価して支給
- 授業料減免制度:経済的理由や学業成績に応じて減免
自分が該当する制度がないか確認してみましょう。
民間の奨学金
民間の奨学金は、企業や財団、NPOなどが独自に提供するもので、給付型(返済不要)や貸与型(返済が必要)があります。これらは学用品や通学費、スクーリング費など幅広い用途で利用でき、支給額や応募条件も団体によって異なります。
民間の給付型奨学金には、月額数万円から10万円以上が支給されるものもあり、学業成績や経済状況、専攻分野など多様な条件で募集されています。
また、公的な奨学金制度である、日本学生支援機構(JASSO)との併用が可能な場合もあります。ただし、制限が設けられていることもあるため、募集要項を確認しましょう。
奨学金の申請方法と手続きの流れ
奨学金は、利用したい時期によって申請方法が異なります。高校入学前に申し込む「予約採用」と高校入学後に申し込む「在学採用」の2つがあります。 違いや申請の流れを以下で解説します。
予約採用
予約採用は、中学3年生または高校入学前の段階で奨学金の申請・審査を受け、合格後に進学先で正式に受給を開始する方法です。
入学前に奨学金の受給可否が分かるため、進学後の金銭的な不安を抱えずに済むのがメリットです。
申請時期
中学3年の秋〜冬頃に、在籍中学校を通じて申請します。願書提出や面談、収入状況の確認を経て、合格者は進学後に必要な手続きを行い、奨学金を受け取ることができます。
在学採用
在学採用は、すでに高校に在籍している学生が対象の申請方法です。入学後、学校から案内される申込書類を提出して審査を受けます。進学後でも申請できるため、状況に応じて利用を検討できるのがメリットです。
申請時期
高校入学直後の4〜6月頃が一般的です。学校からの配布資料や説明会で申請方法が案内されます。
手続きの流れ
予約採用・在学採用ともに、大まかな申請方法は共通しています。
①申請書の受け取り
学校から奨学金申請に必要な書類一式が配布されます。
②必要書類の準備
保護者の収入証明書類や進学予定校の情報などをそろえます。学校ごとに指定される書類が異なります。
③学校への提出
学校が申請を取りまとめて一括で提出するため、期限までに提出する必要があります。遅れると申請できない場合があるので注意が必要です。
④審査・採否通知
各奨学金団体による審査が行われ、採用の結果が通知されます。
⑤入学後の手続き
採用が決定した後は、必要書類を提出し所定の手続きを完了すると、奨学金の受給が始まります。
通信制高校サポート校「HR高等学院」をご紹介
HR高等学院は、通信制高校と提携し、学生の学びや生活を支援する民間のサポート校として運営されています。連携高校の卒業要件を満たすことで、高校卒業資格が取得できます。
学びの自由度が高く、1人1人の個性や可能性を引き出す独自の教育スタイルが魅力です。 学校概要の詳しい説明や学生のインタビューは、以下の動画でも紹介していますのでぜひご覧ください。
Youtubeチャンネル HR高等学院の非常識な職員室より
出演者:山本将裕(株式会社RePlayce 代表取締役CEO)
:成田修造(起業家、エンジェル投資家)
HR高等学院の特長
自由度の高い学びのスタイル
完全オンラインから週5回通学まで、自由に選べる学習スタイルで、自分に合ったペースで学ぶことができます。生活リズムや体調、進路目標に合わせて柔軟に学習計画を立てられることが魅力です。
独自の教育スタイル
先生が一方的に教えるのではなく、学生自身が課題を発見し主体的に考え行動する「探究型」の授業を導入しています。専任コーチや担任が、1人1人に真摯に向き合い、一緒に伴走します。
将来に直結する実践的な独自プログラム
実社会と直結する体験型の学びが得られることも特長です。たとえば「企業連携PBL」では、協賛企業であるdocomoやロッテ、mixiなどのリアルな課題にチームで挑み、アイデア検討や検証、プレゼンまでを経験します。多様な業界と関わり、実社会で役立つ実践力や新しい価値を生み出す力を養います。
手厚い個別サポート
専任のキャリア探究コーチが学習・生活・進路まで1人1人丁寧にサポートしますので、悩みに直面した場合でも安心して学校生活を送ることができます。
充実の進路支援
国内外の大学進学、起業、就職など多様な進路が選択できます。特に、世界大学ランキング上位校への推薦枠もあるため海外の大学への進学も実現可能です。
費用と支援制度
HR高等学院へ進学の際も、経済的支援を受けることが可能です。提携する私立通信制高校の「鹿島山北高校」の授業料には、国の「高等学校等就学支援金制度」が適用され、世帯年収に応じて自己負担が大きく軽減されます。就学支援金について詳しくは、個別相談会にてご相談ください。
HR高等学院の費用については、地方自治体の奨学金や民間の教育支援制度を利用できる場合があります。詳細は各自治体や支援団体にご確認ください。
説明会・オープンキャンパスのご案内
ぜひ、説明会やオープンキャンパスに参加して他のサポート校との違いや実際の雰囲気を体感してください。遠方の方には、オンラインでの個別相談会、学校説明会も行っていますのでお気軽にご参加ください。
最後に
自分のペースで学べることや、多様なライフスタイルに対応できることから、通信制高校を進学先として選ぶ人は年々増加しています。
授業料の無償化を含む国の支援制度や、民間の奨学金制度が充実してきたことで、経済的な不安を抱えずに進学できる環境が整いつつあります。そのため、これまで経済的な心配から進学をためらっていた方も、新たなチャレンジがしやすくなっていると言えるでしょう。
気になる学校があれば、まずは資料請求などで一歩を踏み出してみてください。