「子どもが通信制高校に通うことになった」
この記事を読んでいるあなたはこんなことを思っているのではないでしょうか。
・近所の人や親戚からどう思われているのかが気になってしまう
・通信制高校という未知な世界が怖い
・自分の子供には”普通”であってほしかった
・育て方を間違えたのかも...
子どものことを想うほどにどんどんネガティブになってしまうと思います。
本記事ではそんな子供が通信制高校に通うことになった保護者の方の気持ちに寄り添い、実際に通信制高校に子供が通っていた保護者の体験談や親にできることを解説していきます。
【体験談】子供が通信制高校に通うことになった親の本音
この記事の筆者は高校2年時に通信制高校への転校を経験しています。
高2の夏、息子が退学をすることになった
息子が退学になる。「まさかうちの子に限って」が頭に浮かびました。
決して真面目な子ではなく、小中高と呼び出されることもしばしばあったけど、退学になってしまうほどの事をするとは思っていなかったです。
今思えば、巻き込まれた事でしたが退学は回避出来ませんでした。
親子3人で学校へ行き校長室に入ると、校長先生を始めとした多くの先生方が並び退学を告げられました。
結果としては自主退学扱いになるとのことでした。
「通信制高校」という選択肢を勧められる
当時の担任の先生からは「まだやり直しがきく」と、通信制高校や夜間学校を勧められました。しかし私は受け入れることが出来ませんでした。全日制高校に行くことが当たり前だと思っていたからです。通信制高校なんて絶対にあり得ない、恥ずかしい。と思っていました。だからこそ全日制高校で学校探しをしようとしていると、担任から「どうして全日制高校にこだわるのか」と聞かれました。その時”何を言ってるんだこの人”と思いました。「高校生は制服を着て通学をし、学校で勉強や部活をして、青春をして...が当たり前でしょう!」と思っていました。
転校先を探すことになった高2の夏休み
一方で息子は冷静沈着でした。色々思うことはあったのだと思いますが、私には泣き言一つ言わずに学校で退学を告げられた次の日から学校選びが始めていました。私立、公立と息子が退学になった事が周囲の人にわからないように県外を探しました。これは私のプライドを守るためや、慰めのためでもありました。しかし現実は甘くなく、ことごとく断られ続けました。2学期からは何事もなかったかのように新しい高校で生活をして欲しいという焦りもありました。
後に母校となる大原学園と出会う
全日制高校から断られ続け、もう通信制しかないのかと諦めていた時、通信制にもスクーリング制という毎日学校に通うことができる制度があることを知りました。その中でさらに調べていくと、制服があり、平日は毎日学校に通う通信制もあると分かりました。それが後に母校となる大原学園(現在は大原学園美空高等学校)でした。
すぐに連絡をし、学校見学や先生との面談などを経て転校を決めました。
通信制高校での高校生活が始まる
大原学園への転校が決まり、息子の通信制高校での新たな高校生活が始まりました。受け入れてくれたことへの喜びがある一方で、納得できない私がいました。おそらく息子もしっかり納得をしていたわけではなかったと思います。しかし息子からは「高校は大学に行くための通過点なだけ。どこの高校だとしても問題ない。大学が最終学歴になるんだから」と言われました。息子は一歩先へ進んでいるのだと思いました。
私は失敗を恐れて、なるべく安全な選択肢を考えてしまいがちですが、息子は逃げずに進み続けているのだと思い、見守ることにしました。
信頼できる大人との出会い
そんな息子ですが、やはり息子なりに悩んでいたようでした。心も体も少しずつすり減っていき、みるみる痩せていき、体には帯状疱疹ができるほどでした。
そんな息子を救ってくれたのは、大原学園の先生方や息子が参加していたはたらく部(HR高等学院を運営している株式会社RePlayceが運営するキャリア教育サービス)で出会った「信頼できる大人」の存在でした。息子の話を聞いてくれ、人生のドン底にいた息子を助けてくれ、道を切り開いてくれました。
今の息子があるのはそんな大人のおかげです。
息子の通信制高校での高校生活を振り返って
今思えば、退学をせず全日制高校にそのままいたら、信頼できる大人と出会えていなかっただろうし、きっと希望の大学にも進学できていなかったと思います。
通信制高校に偏見をもっていた私でしたが、今では行かせてよかったと思っています。
通信制高校での経験を経て息子は教員を目指しているようです。「自分のような学生を助けたい、信じられる大人もいるんだよと伝えたい」と言っていました。すごいな〜と思います。
高2の夏ドン底にいた息子、私たち家族を救ってくれ、息子に大きな夢を与えてくれた通信制高校という場所にはとても感謝しています。
今少しでも通信制高校への抵抗がある人は、お子さんのためにも偏見を持たずに通信制高校という選択肢も視野に入れてほしいです。
通信制出身の私が伝えたい通信制高校の魅力3選
通信制高校を卒業した筆者が思う通信制高校の魅力は以下の3つです。
①どんなあなたも受け入れてくれる
②好きをとことん追求できる
③自由に受験をすることができる
どんなあなたも受け入れてくれる
通信制高校の魅力の一つ目は「どんなあなたも受け入れてくれる」ことです。通信制高校には過去に不登校経験をした人や、全日制高校での学校生活に馴染むことが難しかった人などを受け入れる体制が整っています。教員も不登校や周囲に馴染めないことへの理解があり、より親身に対応してくれます。また周りの学生も同じような境遇の人が多く、あなたを等身大で受け入れてくれるので安心して学校生活を送ることが出来るでしょう。
好きをとことん追求できる
私が思う通信制高校と全日制高校の一番大きな違いは「自分の時間の量」だと思っています。全日制高校よりも学校で過ごす時間が短いので、自分の時間が圧倒的に増えます。そのため好きなことをとことん追及することができます。例えば「本をたくさん読む」「好きなアニメや映画を観まくる」「課外活動に専念する」などが挙げられます。
自分の「好き」をとことん追及することは、時間がある高校生だからこそできることです。そんな時間が全日制高校に比べ、圧倒的に多いことは通信制高校の魅力と言えます。
自由に受験することができる
いわゆる進学校には「MARCH以下は受けてないけない」「一般受験でしか受験してはいけない」といった古い文化が未だにある学校が多く存在します。
そんな中、通信制高校は学生の意思決定を重要視し、大学や受験方式に一切指定をしません。そのうえ受験対策もしっかりサポートしてくれ学生の進路に本気で向き合ってくれます。
真の意味での生徒に向き合った進路支援をしてくれるのも通信制高校の魅力の一つです。
親ができること3選
子供が通信制高校に通うことになった親ができることは大きく分けて3つです。
①情報収集をし、正しい理解をする
②長期的な視点を持つ
③しっかり会話をする
情報収集をし、正しい理解をする
近年の通信制高校の常識はかつてないほどの速さで変わり続けています。10人1人の学生が通信制高校を選んでいるのが実態です。だからこそ正しい情報を仕入れ、子どもと同じ目線に立って話せるようにする必要があります。
子どもの特性によってはむしろ通信制高校の方が合っているというケースも多数あります。自分の子供がどんな環境であれば、よりイキイキと高校生活することができるのかを考え、子供にとって最適な進路決定をしましょう。
長期的な視点を持つ
中高生の保護者の方がよく陥るケースとして、「短期的な視点で物事を考えてしまう」ということが挙げられます。
通信制高校に通ったということが正解だったのかを決めるのは今のあなたではなく、未来の子供です。今できることはその選択肢が正解であることを信じ長期的に子どものキャリアを考え、サポートしてあげることなのではないでしょうか。
そして、キャリアにおいて何よりも重要なのは「どんな学校に通っていたのか」ではなく、「そこで何をして、何を学び、どんな成長をしたのか」です。短期的に物事を考えると、やるべきこと、掴めたはずのチャンスを逃してしまいます。ぜひ長期的な視点を持ち子供のキャリアに向き合ってあげてください。
しっかり会話をする
何よりも大切なのは子供との会話です。いわゆる日常会話をたくさんして下さい。学校であったことや友人と遊んだ話など気軽な日常会話をたくさんしてください。
楽しそうにしているときには共に楽しみ、辛そうな時には共に悩む。そんな些細なことが子供にとって何より嬉しく、元気をもらえることです。
ぜひ子どもにとっての「一番近くの大人」としてたくさん会話をしてあげてください。
親が絶対にやってはいけないこと
親が子供に対して絶対にやってはいけないことは「周囲と比較をし否定すること」です。
ママ友との会話の中で、普通に学校生活を送っている周りの同年代の子供たちの話を聞き、不安になり、自分の子どもに「なんであの子はできているのに、あなたはできないの!」と声をかけてしまいたくなってしまうでしょう。それでも絶対に子供を否定することはしてはいけません。
親からの否定的な経験は、子供の自己肯定感の低下、対人関係の不安定さ、感情のコントロールの苦手さ、などの悪影響を及ぼします。
全日制高校が一般的な選択肢とされてきたからこそ、全日制高校でいわゆる普通の高校生活を送っている周囲の子供に比べたら、家にいる時間も多く、人によっては勉強時間も少なく不安になることもあるかと思います。
それでも「よそはよそ、うちはうち」です。
たまたま周囲の子たちには全日制高校での学校生活が適していて、自分の子供は通信制高校が適していただけで、どちらの学校生活が正解なんてことはありません。
子供には周囲との比較や否定をせず、等身大のありのままの自分の子供と対等に接することを心掛けてください。
参考:養育者からの言葉かけが反すうに与える影響
子供から親に通信制高校に行きたいと伝える際にやるべきこと
子供から親に通信制高校に進学したいと伝える際に、やるべきことは以下の3つです。
①徹底的に情報を集める
②なぜ通信制高校でなければいけないのかを明確にする
③親の不安、不満になる部分と向き合う
紹介する3つはとても大変で体力を使うことですが、あなたの想いを確実に親に伝えるため、なによりあなた自身にとって取り組むべき行動と言えます。
徹底的に情報を集める
情報を徹底的に集めましょう。ここでいう徹底的とは、親から質問をされたときに答えられないことは一切ない状態にしておくことです。
かつての通信制高校と今の通信制高校は大きく常識が異なります。親にとってはある意味未知な世界です。通信制高校とはどんな場所なのかを初めて聞く親にとってもわかるように徹底的に調べ上げましょう。
またリサーチを通して、あなたが行くべきなのは本当に通信制なのか、やりたいことが本当に実現できるのかを知ることができます。
なぜ通信制高校でなければいけないのかを明確にする
通信制高校について徹底的に調べることができたら、「なぜ通信制高校”でなければいけないのか”」を明確にしましょう。「通信制高校”の方がいいと思う”」「なんとなく通信制”がよさそう”」といった曖昧な理由ではなく、「通信制高校”でなければいけない”」といった明確な理由を見つけましょう。
数ある選択肢の中で通信制高校を選ぶ明確な理由を示すことで、あなたの想いを確実に伝えることができるでしょう。
親の不安、不満になる部分と向き合う
「通信制高校に行きたい」ということを伝えた際には、あなたのことを心配に思うからこそ、不満や不安の声を聞くことになるでしょう。そんなときには真っ向から対立するのではなく、不満や不安の声と向き合いましょう。
どうすれば不満や不安が解決されるのかを親と話し合い、親子間でのルール設定や、約束をすることをお勧めします。
今不安に思っている親に本当に勧めたいHR高
HR高等学院は2025年度に開校した通信制サポート校です。代々木にある校舎「代々木BASE」にて1期生の学生が今まさに、自分史作り、HR高の歴史作りをしています。
通信制高校という選択肢を
通信制高校という選択肢は年々一般化されています。今では10人に1人の学生が通信制高校に進学をしています。
全日制高校が一般的とされてきたからこそ、通信制高校という選択肢に対して偏見を持ってしまうことや、不安に思ってしまうことは仕方がないと言えます。実際、HR高等学院の保護者の方の中にも不安に思っている方はいらっしゃいます。
ただそういった”親の不安や偏見”を確実に解消していくのは子供たちの変化なのではないでしょうか。
親の不安や偏見を解消するのは子供の変化
HR高等学院は現在1年目の前期が終わり、保護者の方からは子供たちがとても成長しているという声を多くいただいております。
具体的には、以下のような変化が挙げられます。
・中学時代不登校→自分から週5通学コースに変更
・これまで昼夜逆転生活→夏休みでも朝6時起きが習慣になった
・中学生のころ自信を持てていなかった→自分から留学に行くといいだしてくれた
・一切学校のことを話してくれなかった→学校でのことを話してくれるようになった
また上記以外にも「HR高に進学してよかった」「HR高に通わせてから、本当に人が変わった」「HR高を作ってくれてありがとう」という、ありがたいお言葉を多くいただいております。
ぜひ一度通信制高校、HR高等学院という選択肢を視野に入れてみていただけたら、通信制高校やはたらく部に通ったことで人生が変わった一人としてとても嬉しいです。
通信制高校へのイメージが大きく変わるオープンキャンパスのお誘い
ここまで、通信制高校への偏見が多くあった親の実体験、通信制高校への偏見や親の不安に対する対策、HR高等学院の実例を紹介してまいりました。
お読みいただいた中で通信制高校をもっと知りたい、不安な気持ちを少しでも解消したいと思っていただきましたら、ぜひ一度オープンキャンパス、無料体験会、個別相談会にご参加ください。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が少しでも通信制高校に通っている保護者の方の不安の解消になっていたら嬉しく思います。
この記事で紹介しきれなかった大学受験の話や通信制高校だからこそできる具体的なアクションを知りたい方はこちらの私の実体験を綴った記事をお読みください。
記事の中でも記載したように、「通信制高校にいくことになった」という事実が正解であったのかを決めるのは今の保護者の方ではなく、未来の子供の姿です。
何より大事なのは、「どんな学校に通っていたのか」ではなく「何をして、何を学び、どんな成長を遂げたのか」です。
そのために子供にとっての最適な学校選びをしてください。
この記事を読んでくれた、通信制高校に通っていることに不安を抱える保護者の方、そしてそのお子さんの今後の高校生活、未来がよりよいものになることを心より願っております。
あなたはきっと大丈夫。