「通信制高校を卒業すると高卒資格を得られるのだろうか」「高卒資格と高卒認定はどう違うのだろうか」という疑問を抱えていませんか?
高卒資格と高卒認定は混同されがちですが、両者は似て非なるものです。将来の選択肢を広げるためには、高卒資格や高卒認定について正しく理解しておかなければなりません。
本記事では、高卒資格と高卒認定の違いを詳しく解説します。通信制高校で高卒資格を取得するメリットも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
通信制高校では「高卒認定」は取得できない。
通信制高校に通うことで取得できるのは「高卒資格」であり、「高卒認定」ではありません。ここでは、両者の違いを詳しく解説します。
- 高卒資格とは?
- 高卒認定とは?
通信制高校への入学・転入を検討している方は、チェックしておきましょう。
高卒資格とは?
高卒資格(高等学校卒業資格)とは、以下いずれかの高等学校を卒業することで得られる資格です。
- 全日制
- 定時制
- 通信制高校
高卒資格を取得すると、最終学歴が高等学校卒業となり、大学・短期大学・専門学校などへの進学受験資格が得られます。また、就職の際には、多くの企業が定めている「高等学校卒業」の応募条件を満たせるため、職業選択の幅が大きく広がります。
高卒認定とは?
高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)とは、高校卒業相当の学力があることを認定する国家資格です。満16歳以上の高卒資格のない人が、年に2回実施される試験に合格すると高卒認定の資格が与えられます。
高卒認定を取得すると大学・短大・専門学校などへの進学受験資格が得られますが、最終学歴は「中学校卒業」のままであり、高卒としては扱われません。
参考:文部科学省|高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)
通信制高校は中卒と変わらない?
高卒認定と高卒資格が混同されて「通信制高校は中卒と変わらない」と言われることがありますが、それは大きな誤解です。
通信制高校は学校教育法で定められた正規の高等学校であり、卒業すれば全日制高校と同じく高卒資格を取得できます。つまり、通信制高校を卒業すれば、受験時や就職活動時にも「高卒」として扱われます。
なお、通信制高校に通いながら高卒認定試験を受験することも可能ですが、あまりおすすめできません。高卒認定に費用や時間を充てるよりも、通信制高校での学習や課外活動に注力するほうが、将来的な選択肢を広げられます。
高卒認定と高卒資格との違いとは?
高卒認定と高卒資格は混同されがちですが、両者にはさまざまな面で違いが存在します。主な違いは下表のとおりです。
ここでは、高卒認定と高卒資格との違いを詳しく解説するので、通信制高校への進学を検討している人は参考にしてください。
取得方法
高卒認定は、年2回(8月と11月)実施される試験に合格すると取得できます。試験科目は8〜9科目に設定されており、すべての科目に合格しなければなりません。なお、複数回受験したり、高校在学経験があったりする場合は、取得済みの科目が免除される可能性があります。
一方、高卒資格を得るには、高等学校に入学後に所定の在学期間(通常3年間)を過ごし、必要な単位数(74単位以上)を取得して卒業する必要があります。通信制高校の場合は、レポート提出やスクーリングへの参加、試験などを通じて単位を取得していくのが一般的な流れです。
最終学歴
高卒認定試験に合格した場合、最終学歴そのものが変わるわけではありません。例えば、中学校卒業後に高卒認定試験に合格しても、最終学歴は「中学校卒業」のままです。高等学校卒業程度認定試験合格の資格は得られますが、あくまで「高校卒業と同等の学力がある」という認定です。ただし、高卒認定を取得後に大学や専門学校に進学し卒業すれば、それが最終学歴となります。
一方、通信制高校を含む高等学校を卒業して高卒資格を得た場合、最終学歴は「高校卒業」となります。
取得までにかかる期間
高卒認定の取得までにかかる期間は、個人の学習ペースや基礎学力によって大きく異なります。試験は年に2回実施されており、最短であれば数ヶ月の勉強期間で全科目に合格できるかもしれません。もし、苦手科目がある場合や働きながら勉強する場合は、複数回の受験を経て合格を目指すことになるでしょう。
一方、高卒資格の取得にかかる期間は、原則として3年です。この期間は、学校教育法で定められている高等学校の修業年限に基づいています。ただし、編入・転入をする場合、状況によっては卒業に3年以上かかるケースも存在します。
取得までにかかる費用
高卒認定の取得にかかる費用は、下表のとおりです。
ただし、高卒認定の勉強を予備校や通信講座を利用して行う場合は、別途受講費用が必要です。受講費用は毎月数千円〜数万円かかるため、結果的に通信制高校よりも高額になってしまうケースも少なくありません。
一方、通信制高校で高卒資格を得る場合、公立であれば総額10万円程度、私立であれば総額40万円程度の費用が必要です。
高卒認定と高卒資格どちらの取得がおすすめ?
高卒認定と高卒資格のどちらを目指すべきかは、個人の状況や目的、価値観などによって異なります。それぞれにおすすめな人の例は、下記のとおりです。
高卒認定がおすすめな人
- 最短で進学を目指したい人
- 学歴よりも進学を優先したい人
- 家庭の事情などで高校に通えない人
- 自己管理能力が高い人
高卒資格がおすすめな人
- 学歴を得たい人
- 進学と就職の両方を視野に入れている人
- 教員や専門スタッフのサポートを受けたい人
- 学校生活で社会性を身に付けたい人
高卒認定と高卒資格で迷っている場合は、一度自身の適性や希望を具体的に整理してみてください。
もし、「自分のやりたいことがわからない」「興味・関心がある分野を学べる学校がない」と悩んでいるのであれば、通信制高校サポート校の活用も視野に入れましょう。
通信制高校で高卒資格を取得するメリット
通信制高校で高卒資格を取得するメリットは、以下のとおりです。
- 自分に合ったペースで勉強できる
- 比較的費用が安く通える
- アルバイトやインターンなどに使える時間が長い
- 入学や転入がしやすい
通信制高校で高卒資格を取得することには、さまざまなメリットが存在します。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
自分に合ったペースで勉強できる
通信制高校の最大の特徴は、自分のペースで学習を進められる点です。全日制高校のように毎日決まった時間に登校する必要はなく、レポートの提出やスクーリングの日程も比較的柔軟に選択できます。
不登校経験がある学生や発達障害の特性を持つ学生にとっては、通信制高校のフレキシブルな学習スタイルは大きな魅力でしょう。
近年では、オンライン学習システムを導入している通信制高校も増えています。オンライン学習が可能な通信制高校であれば、自宅にいながらパソコンやタブレットで授業を受けたり、課題に取り組んだりと、より柔軟に学習を進めることが可能です。
比較的費用が安く通える
一般的に、通信制高校の学費は全日制高校と比較して安い傾向にあります。特に公立の通信制高校であれば、総額10万円程度の学費で済む場合が多く、経済的な負担を大幅に軽減できます。
私立の通信制高校を希望する場合でも、奨学金や就学支援金制度をうまく活用すれば、費用を抑えて高卒資格を得ることが可能です。
また、制服の購入が任意であったり、通学にかかる交通費を抑えられたりする点も、通信制高校のメリットです。
なお、通信制高校の費用や奨学金・就学支援金について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
アルバイトやインターンなどに使える時間が長い
通信制高校は登校日数が少ないため、学校以外の活動に充てる時間を多く確保できる点もメリットです。
アルバイトやインターンシップを経験すれば、就職活動の際に自身のスキルや適性をよりダイレクトにアピールできます。例えば、飲食店や小売店で働いた経験があれば、接客業やサービス業での就職活動を有利に進められるでしょう。
また、アルバイトやインターンシップを通じて社会経験を積む中で、自身の将来や進路を具体的にイメージできるようになることも多々あります。
入学や転入がしやすい
通信制高校は、入学や転入のハードルが比較的低いのも特徴です。通信制高校では学力試験を実施せず、書類審査や面接のみで合否を判断するケースが一般的です。
入学時期も年に複数回設けられているケースが多く、4月だけでなく各年度の途中に入学できる点も通信制高校のメリットです。
また、転入者の受け入れを積極的に行っている通信制高校も少なくありません。全日制高校から転入する場合でも、前籍校で取得した単位は基本的に引き継ぐことができるため、学習ペースで遅れをとることはないでしょう。
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HR高等学院は従来の詰め込み型の教育ではなく、「探究・越境・共創」を掲げた独自のカリキュラムを採用している通信制高校サポート校です。
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最後に
通信制高校を卒業して得られるのは「高卒資格」であり、「高卒認定」ではありません。高卒認定と高卒資格は混同されがちですが、取得方法や期間、費用、学歴などの面で大きな違いが存在します。
また、高卒認定と高卒資格のどちらを目指すべきかは、学生一人ひとりの求めることによって異なります。一概にどちらがよいとは言えないため、一度自分が何を優先したいのかをできるだけ具体的に整理してみてください。
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