「通信制高校の作文って、何を書けばいいの?」
「作文を書くことが苦手だけど、対策方法はある?」
このような悩みを持つ学生の方もいると思います。通信制高校の入試では、原稿用紙1〜2枚分程度の作文の提出が求められることが多いです。作文を書くことが苦手な人にとっては、とても難しい課題に感じるでしょう。
本記事では、通信制高校の入試で求められる作文の概要や書き出しについて詳しく解説します。さらに、志望動機別の例文も紹介しているので、入試対策として、ぜひ参考にしてください。
通信制高校の作文の概要
通信制高校の作文は、あらかじめ文字数や提出時期、制限時間の目安を知っておくことで、落ち着いて準備し、自分の想いをしっかりと伝えられる作文が書けるようになります。
ここでは、通信制高校の作文の概要として、以下3つについて、それぞれ詳しく解説します。
- 文字数
- 提出時期・タイミング
- 制限時間
文字数
通信制高校の入試では、400〜800字程度の作文が求められます。イメージとしては、原稿用紙1枚が、20文字×20行の400文字となっているため、原稿用紙1〜2枚分ほどの作文が必要となります。
決められた文字数を書くことが難しいと感じる人も、学校側に入学したいという意欲が伝えられるように、8割ほどは書くようにしましょう。ただ、求められた文字数を達成しようと、改行を不自然にやたらと増やしたり、同じ内容を表現を変えて何度も書いてしまったりすると、読みづらい文章になってしまい逆効果です。
そのため、作文を書く際には、不要な言い回しや誤字脱字はないか、改行を適度に入れられているかなど、読みやすい文章を心がけることが大切です。
提出時期・タイミング
作文の提出時期・タイミングは、出願書類と一緒に提出する形式が求められる場合と、試験会場での作成が求められる場合があります。試験会場で書く場合には、作文のテーマが試験会場で発表されるため、その場でテーマに沿った作文を書かなければいけません。
ただし、作文のテーマはおおよそ対策できるものが多いため、試験までに文字数を埋められるように作文の練習をして対策できます。作文のテーマは、以下のような質問が多いです。
- 志望動機
- 将来の夢や卒業後の展望
- 入学後に頑張りたいこと
- 趣味や休日にやっていること
以上のテーマの具体的な書き方については、後に詳しく解説するので参考にしてください。
制限時間
試験会場で作文を書く場合の制限時間は、30分前後としている学校が多いです。試験会場で作文を書く場合、30分以内に400〜800字の作文を書かなければいけません。
そのため、試験までに時間を計りながら、作文を書けるように練習しておきましょう。
通信制高校の作文の書き出しや志望動機
ここでは、通信制高校の作文の書き出しや志望動機について、以下の4つのテーマに分けて解説します。
- 志望動機
- 入学後に頑張りたいこと
- 将来の夢や卒業後の展望
- 趣味や休日にやっていること
志望動機
志望動機では、この学校を選んだ理由について、自分の経験や感じたことを元に、具体的に書きましょう。自分の生活スタイルに合っていることや、将来の目標に近づける環境であることなど、自分なりの理由を具体的に書くことが大切です。
「全日制では上手くいかなかったけれど、この学校なら自分を変えられると思った」といった素直な気持ちも、十分な志望動機と言えます。
入学後に頑張りたいこと
入学後に頑張りたいことは、自分が高校生活でどのような目標を持ち、成長したいかを伝える大事なポイントです。大きな夢でなくても、授業についていけるように努力したい、毎日少しずつレポートに取り組みたいなど、日常の積み重ねが伝わる内容でも良いです。
さらに、オンライン授業を活かして苦手な英語を克服したい、など具体的な計画を盛り込むと、より前向きな印象を与えられます。
将来の夢や卒業後の展望
将来の夢や卒業後の展望について書く際は、どんな大人になりたいか、どんな仕事に興味があるか、など自分なりの未来像を描くことが大切です。
まだ具体的な将来の夢が決まっていなくても、誰かを支える仕事がしたい、自分の経験を活かして社会に貢献したいといった気持ちを正直に書いて構いません。
また、その夢に向かって高校でどんな学びをしたいのかを合わせて書くと、今の自分と将来の目標につながりができ、作文に説得力が生まれます。
趣味や休日にやっていること
趣味や休日にやっていることでは、人柄や自分の価値観を伝えましょう。ゲームやアニメ鑑賞が趣味の人の場合、どんな楽しみ方をしているのか、そこから学んだことを合わせて書くことで、文章に深みが増します。
たとえば「チームで協力してクリアを目指すタイプのゲームが好きで、相手の動きを考えたり、タイミングを見て動く力がつきました」といった経験は、物事に集中する力や協調性をアピールできます。
何気ない趣味も、自分にとっての意味や学びにつなげて書くことで、自分らしさが伝わる内容になります。
作文で不登校のことについて書くべき?
作文では、あえて不登校のことについて書かなくても良いです。しかし、作文の文字数が足りず、不登校のことに触れた方が内容が充実する場合には、不登校のことに触れても問題ありません。
また、志望動機について書く際に、不登校に触れないと話が不自然になる場合などには、不登校のことに触れると良いでしょう。不登校のことについて書く際の注意点としては、ネガティブな印象を与えないようにすることです。
たとえば、以前は不登校になってしまったが、体調に合わせて勉強時間を調整できる通信制で、将来の夢のために学びたいと思っているなど、前向きな気持ちで前に進みたいと思っていることを伝えましょう。
通信制高校の作文の例文
通信制高校の作文は、不登校経験がある人や自分に合った学びを希望している人など、人それぞれ異なります。ここでは、志望動機別の作文の例文を紹介します。
不登校経験がある場合
不登校の経験がある場合には、前述したとおり、ネガティブな印象で終わらないように書くことが重要です。そのためには、将来のために、この学校で学びたいという意思を示し、前向きな気持ちを具体的に書きましょう。
例文
私が、この学校を選んだ理由は、自分らしく学べる場所だと思ったからです。人間関係に悩んだことがきっかけで、教室に足が向かなくなり、徐々に登校できなくなっていきました。気がつけば毎朝「また今日も行けなかった」と自己嫌悪に陥る日々が続きました。
しかし、家にいる時間が長くなったことで、自分と向き合う時間が増えました。オンラインで勉強を始めてからは、好きな英語や音楽に夢中になれる時間が増え「誰かと比べずに済む」という安心感の中で、学ぶ喜びを感じることができました。
オンライン授業が多く、個別の学習サポートが充実している、この高校なら自分のペースで学ぶことができると思い、勇気を出してチャレンジしてみようと思いました。将来は、同じように悩んでいる人に寄り添えるような、カウンセラーや教育関係の仕事に就きたいと考えています。
そのために、まずは高校卒業という一歩をしっかり踏み出し、自分の可能性を広げていきたいと思っています。
ポイント
不登校のことについて、ネガティブな印象だけを残してしまわないように、将来の夢のために、この高校で頑張りたいといった前向きな姿勢を伝えましょう。
自分に合った学びを希望している場合
自分に合った学びを希望している場合は、志望する学校の学習方法やサポートについて魅力を感じたことについて、具体的に書きましょう。
例文
私がこの学校を選んだ理由は、自分に合った学び方ができると感じたからです。中学校では、質問があってもタイミングを逃してしまい、わからないまま置いていかれることがあり、クラスのみんなと同じスピードで進む授業が苦手でした。
一度、理解が遅れると、焦りや不安ばかりが大きくなり、自信をなくしてしまいました。この学校では、自分のペースで授業に取り組めることやわからないことがあれば、納得できるまで復習できることを知り、自分に合っている学習環境だと思いました。
この学校では、映像授業やオンラインサポートを活用しながら、自分のペースで学習を進めたいです。将来は、子どもに関わる仕事に就いて、学ぶことの楽しさを伝えられるような大人になりたいです。
そのためには、まず、この学校で学び、充実した高校生活を送りたいと思っています。
ポイント
自分に合った学びを希望している場合は、苦手な学習スタイルを理解していることと、自分に合った学習環境である、この学校で学びたいという意思を伝えましょう
部活動を志望動機にする場合
部活動を志望動機にする場合は、自分にとって部活動が、どれほど大切なものなのかを伝えましょう。また、この学校で部活動が続けられることで、将来の夢にどのように影響するのかといったポジティブな道筋が書けると、より熱意や意欲が伝わります。
例文
私が、この通信制高校に入学したい理由は、大好きな部活動を続けながら、勉強にも真摯に取り組めると思ったからです。中学から始めた部活動は、私にとって、自分らしさを表現できる大切なものです。
コンテストにも何度か挑戦し、仲間と一緒に切磋琢磨する経験は、自信とやる気を与えてくれました。この学校では、部活動が活発に行われており、部活動を続けながら、勉強に関しても、しっかりと学べると感じました。
授業は自宅でも受けられるので、部活動との両立もしやすく、安心して通えると思いました。将来は、子どもたちに〇〇の楽しさや表現する力を伝えるインストラクターになりたいと思っています。
そのためにも、高校生活の中で人とのコミュニケーション力や表現力も磨いていきたいです。
ポイント
今まで続けてきた部活動への情熱と、通信制ならではの柔軟な学習環境に魅力を感じており、将来の夢を叶えるために頑張りたいという意欲を伝えましょう。
通信制高校の作文の対策と書き方
ここでは、通信制高校の作文の対策と書き方について以下4つについて、それぞれ詳しく解説します。
- 志望校の情報を集めておく
- あらかじめ書く内容を考えておく
- 自己分析をしておく
- 丁寧な字で書く
志望校の情報を集めておく
作文を書く前に、志望校のカリキュラムやサポート体制、通学スタイルなどの情報を集めておくことが大切です。自分の目標と学校の特徴が一致していると、説得力のある志望動機となります。
また、公式サイトやパンフレットを読むだけでなく、学校説明会に足を運んで感じた雰囲気や先生の言葉などをメモしておくと、作文に自分だけの視点を加えられます。
あらかじめ書く内容を考えておく
先述したとおり、試験当日にテーマが出される場合でも、よく出されるテーマに備えて、書く練習をしておくと、安心して作文に取り掛かれます。
特に、30分前後の制限時間がある場合には、テーマに応じた構成の型を練習しておくと、より書きやすいでしょう。試験当日に何を書いたらいいのか悩まないように、自分の経験や思いをあらかじめ整理しておきましょう。
自己分析をしておく
作文では、自分が持っている価値観や性格、何を大切にしているかなどを伝える必要があります。そのため、自分の得意なことや不得意なこと、興味のあることなど、自己分析をしておくことが重要です。
自己分析といっても、難しく考えず、どんなことが楽しいのか、これから何を頑張りたいかなどを紙に書き出してみましょう。
丁寧な字で書く
熱意や意欲がこもった作文でも、雑な文字で書かれていると印象が悪くなってしまう可能性があります。字が上手いかどうかよりも、丁寧に書いたかどうかが重要なポイントとなります。
読みやすい字を意識して、心を込めて丁寧に書きましょう。また、鉛筆ではなく、黒ボールペンで書くケースもあるため、まずは鉛筆で下書きをして、誤字脱字がないかなどを確認したうえ上で、清書しましょう。
通信制高校サポート校「HR高等学院」をご紹介
ひと足先に、社会で学ぶ学校 - 大企業とのプロジェクトで実践的に学ぶ。-HR高等学院 HR高等学院は、自分らしい学びと未来を描く通信制サポート校です。オンラインから週5日の登校まで、自由に選べる学習スタイルに加え、探究学習や個別進路支援で大学進学や就職、海外進学の体制も用意しています。
自分の「想い」を社会で実現するために、サポートが厚いHR高等学院で充実した高校生活を送りませんか。「今の学校が自分に合っていない気がする」「今のままでは、将来が不安」
そんな悩みを抱える人には、HR高等学院をおすすめします。
HR高等学院では、オンラインと通学のハイブリッド学習方式を採用しており、1人ひとりの個性やペースに寄り添い、無理なく高校卒業を目指せる環境が整っています。
また、コーチによる2週間に1回の対話セッションの伴奏支援により、興味・関心の発見や社会の中での自己実現、これからの進路や日常の悩み相談まで、学生1人ひとりに寄り添ったサポートが充実しています。
さらに、入学式や学祭、部活動など、高校生活を彩る行事やイベントも充実しており、学生の「やりたい!」を実現できる高校です。
学生生活の中で、窮屈さを感じたり、クラスの中で置いて行かれている気持ちになったり、不満や挫折感を感じている人も少なくないでしょう。あなたに今、必要なのは変わるきっかけです。
まずは、資料請求、オープンキャンパスや説明会でHR高等学院が自分の将来に、必要なのかどうか確かめてみませんか。HR高等学院は「日本でいちばん自由で面白い学校」を目指しています!
最後に
通信制高校の作文では、志望動機や将来の展望など、自分の思いや経験を言葉で丁寧に伝える力が求められます。不登校や学習のつまずきなどの経験がある場合には、正直に振り返り、そこから学んだことや前向きな気持ちを伝えましょう。
作文だからといって気負いすぎることなく、本記事で紹介した対策をしたうえで、落ち着いて入試に臨んでください。