「通信制高校を卒業すると就職できるのだろうか」「就職活動で不利になってしまうのではないか」と不安を抱えていませんか? 通信制高校は柔軟な学習スタイルを確率できる一方で、全日制高校とは違う環境で学んでいるからこそ感じる悩みも多いでしょう。 結論から言うと、通信制高校が全日制高校と比べて就職が不利になることはありません。ただし、就職活動を成功させて自身が思い描くキャリアを実現するためには、いくつか押さえておくべきポイントが存在します。 この記事では、通信制高校の生徒が就職活動の時に抱える不安や、通信制高校の生徒が就職を有利に進めるポイントを紹介します。
通信制高校を卒業した生徒の就職率
通信制高校と全日制・定時制高校の就職率(卒業者に占める就職者の割合)の推移は、以下のとおりです。
通信制高校を卒業した生徒の就職率は、全日制高校や定時制高校と比べて決して低くありません。
文部科学省の学校基本調査によると、令和6年度における通信制高校の就職率は14.6%で、全日制・定時制高校の14.2%をわずかに上回っています。データからもわかるとおり、通信制高校の就職率は全日制・定時制高校の就職率を毎年上回る水準で推移しているのが特徴です。
就職率が下がった時期は、高校生だけでなく大学生の就職率も低下していた期間と重なっています。
なお、就職以外では大学や専門学校への進学を選ぶ生徒も多く、令和6年度の通信制高校の大学進学率は26.5%まで上昇しました。
進路の選択肢が限られる印象とは異なり、実際には多くの生徒が希望に応じた進路を実現しています。
出典:卒業後の状況調査票(高等学校 全日制・定時制)(令和6年度)
通信制高校を卒業した生徒は就職が難しい?
通信制高校を卒業したからといって、就職活動が特別難しくなるわけではありません。
文部科学省のデータを見る限り、通信制高校であっても全日制高校と遜色ない割合で就職の機会を得られていることがわかります。
ただ、通信制高校の就職が、全日制高校より高い傾向にあるのは事実です。
進路未定のまま卒業する生徒の割合は、通信制高校が32.3%であるのに対し、全日制高校はわずか4.4%です。
通信制高校の進路未定割合が高いのは、進路指導が十分でないケースがあるためだと考えられます。
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通信制高校を卒業した生徒の就職は不利になる?
通信制高校の卒業生は、就職で不利になるのではないかと心配する方は少なくないでしょう。
実際には全日制高校と同じ高校卒業資格を得られるため、通信制高校の卒業生であることだけを理由に、採用を見送られるケースはほぼありません。
ただし、活動を始める前に意識しておきたい点もいくつかあります。
- 通信制高校に対する偏見がある
- 自己管理能力が求められる
ここでは、通信制高校の卒業が就職活動に影響する可能性のあるポイントを、それぞれ詳しく解説します。
通信制高校に対する偏見がある
採用担当者の中には、通信制高校に対して「学力が低いのではないか」「集団生活に向いていないのではないか」などの先入観を持つ方が一定数います。
"就職時に不利になることもある....本人次第ですけどね、とSCさんからは言われました。どうして通信制高校を選んだのが、通信制高校をどう生かせたのか、言えるようになると良いと。通信制高校への偏見、ゼロではないのでしょうかね。" 出典:X
こうした偏見が残っている背景には、通信制高校の実情が十分に知られていないことがあります。
しかし、近年は通信制高校に通う生徒が増えており、令和6年度の生徒数は約29万人で、高校生のおよそ10人に1人を占めるまでになりました。
学校数も令和6年度に初めて300校を超え、社会的な認知は着実に広がっています。
面接に臨む際は、自分が通信制高校を選んだ理由や、在学中に取り組んだ学習・活動を前向きに説明しましょう。たとえば、自分のペースで計画的に学習を進めて卒業した経験は、計画性や継続力の証明として伝えられます。
事実を具体的に語れば、通信制高校に詳しくない担当者にも納得してもらえるでしょう。
自己管理能力が求められる
通信制高校は登校日数が少なく、学習の進め方を自分で決められる反面、計画的に取り組まなければ単位の修得や卒業が遅れてしまいます。
"通信制高校の合同説明会に行き、最初にN○K学園の個別相談で「自己管理が苦手でサポートがないとレポートの提出が難しくて…」と言うと、「それはそもそも通信制高校は向いてないね」とバッサリと斬られた。" 出典:X
そのため、通信制高校で学ぶには高い自己管理能力が求められます。
この点を「自分には難しそうだ」と不安に感じる方もいますが、見方を変えれば就職活動で評価される強みになります。
企業は、指示がなくても自分で計画を立てて行動できる人材を高く評価する傾向があるためです。
通信制高校で学習スケジュールを自分で管理し、提出物の期限を守りながら卒業した経験は、社会人として求められる自己管理能力の裏付けになります。
日々の学習記録やレポートの提出状況などを振り返り、どのように計画を立てて実行したかを具体的に話せるよう準備しておきましょう。自己管理能力を意識して高めておけば、通信制高校での学びはそのまま就職活動の武器に変わります。
通信制高校の生徒が就職活動の時に抱える不安
通信制高校の生徒が就職活動の時に抱える不安は以下のとおりです。
- 通信高校卒業だと面接や履歴書で伝えるべき?
- 求人票が少ない
- 就職活動のサポートがない
通信制高校の生徒が就職活動を行う際には、さまざまな不安を抱えることがあります。全日制高校とは異なる環境で学んでいるからこそ、生じる懸念や疑問は少なくありません。 また、同級生とコンタクトできる機会が少ない通信制高校の場合、情報交換や励まし合いができず孤独感を感じてしまうこともあるでしょう。 ここでは、通信制高校の生徒が就職活動時に抱える一般的な不安について詳しく見ていきます。
通信高校卒業だと面接や履歴書で伝えるべき?
過去に不登校や体調面の事情で通信制高校を選んだ方は、通信制高校を卒業したことを面接や履歴書で伝えるべきか迷うことがあるかもしれません。
結論として、学歴を偽る行為は避けるべきであり、卒業校を実際と異なる形で申告すると学歴詐称と見なされます。
入社前に発覚した場合は内定取り消し、入社後に発覚した場合は解雇につながる恐れもあります。
一方で、履歴書の学歴欄には校名を正確に書けばよく、「通信制」とあえて強調して記載する必要はありません。
面接で学校について質問された際に、通信制高校で学んだことを正直に説明すれば十分です。
通信制高校を卒業しても全日制高校と同じ高校卒業資格が得られるため、引け目を感じる必要はまったくないといえます。
むしろ、通信制を選んだ理由や在学中に力を入れたことを前向きに語れば、自己PRの材料として活かせるでしょう。
求人票が少ない
高校生の就職活動は、学校に届いた求人票をもとに応募先を選び、学校の推薦を受けて選考に進む流れが一般的です。
しかし通信制高校の場合、企業から学校へ直接届く求人票が全日制高校より少ない傾向にあります。
例えば、厚生労働省労働基準監督署が発行している資料では、企業に向けて以下のように呼びかけています。
求人は特定の高等学校に限定せず、広く多くの生徒に応募の機会を与えるようご配慮をお願いします。定時制・通信制高等学校に対する求人は全日制と同様に取り扱ってください。
引用:厚生労働省労働基準監督署|学卒求人の申込日程等(令和7年度)
このように是正を呼びかけている点も、通信制高校の卒業生を対象とした求人が全日制高校よりも少ない実態を表しています。
ただし、求人票が少ないと感じても、応募できる仕事の選択肢そのものが狭いわけではありません。
学校経由の求人にこだわらず、ハローワークの新卒応援窓口や高卒向けの就職支援サービスを活用すれば、幅広い求人にアクセスできます。
また、就職情報サイトや企業の採用ページから直接応募する方法も選択でき、応募先の幅をさらに広げられます。
求人情報を学校だけに頼らず、自分から複数の経路で集める姿勢を持てば、希望に合った仕事を見つけやすくなるでしょう。就職活動のサポートがない
通信制高校の中には、進路指導室や就職サポートの体制が十分に整っておらず、生徒が自力で就職活動を進めざるを得ない学校もあります。
同級生と顔を合わせる機会が少ないため、就職活動の情報を共有したり励まし合ったりしにくい点も不安につながりやすい部分です。
もし、通信制高校のサポートが手薄だと感じる場合は、早い段階から自分で動き始めることが大切です。
在学中から進路担当の先生やサポートスタッフに相談し、就職活動の流れや必要な手続きを確認しておきましょう。また、学校の支援だけで足りないときは、自治体の若者就職支援センターやジョブカフェなど、外部の無料相談窓口も活用できます。
専門の相談員に履歴書の添削や面接練習を依頼すれば、学校のサポートが少なくても準備を整えられます。
通信制高校の生徒が就職を有利に進めるポイント
通信制高校の生徒が就職活動を有利に進めるためには、いくつかの重要なポイントが存在します。
- 就職サポートが充実している通信制高校を選ぶ
- アルバイトやインターンシップで社会人経験を積める
- スポーツや芸術などの専門性をアピールする
- 志望理由書や面接対策などを徹底する
- 3年間での卒業を目指す
- 通信制高校だからこそ資格習得に時間を使う
通信制高校だからこそ得られるアドバンテージを活かせると、全日制高校の生徒以上に魅力的な人材になれる可能性もあります。
また、計画的に就職活動の準備を進めれば、入社後のミスマッチを防ぐことも可能です。
ここでは、通信制高校の生徒が就職を有利に進めるポイントを解説するので参考にしてください。
就職サポートが充実している通信制高校を選ぶ
将来の選択肢をできるだけ広げたい方は、就職支援が充実した通信制高校に入学するのがおすすめです。
学校選びの段階では、専任のキャリアカウンセラーが在籍しているかをまず確認しましょう。
あわせて、履歴書や志望理由書の添削、模擬面接、求人情報の提供といった支援を受けられるかも調べておくと安心です。
進路相談を継続的に実施している学校であれば、相談しながら方向性を整理しやすくなります。
「やりたい仕事がわからない」「自分に向いている職種が見えない」などの悩みも、専門スタッフと一緒に解消していけます。
学校説明会や個別相談会では、就職実績や進路決定率、卒業生の就職先を具体的に質問するとよいでしょう。パンフレットの言葉だけで判断せず、サポート体制の中身まで踏み込んで比較することが、入学後の後悔を防ぐポイントです。
アルバイトやインターンシップで社会人経験を積める
通信制高校は全日制高校に比べて拘束時間が短いため、在学中からアルバイトやインターンシップに参加しやすいのがメリットです。
実際に働いた経験があると、志望理由や自己PRに具体的なエピソードを盛り込めるようになります。たとえば、接客のアルバイトで培ったコミュニケーション力や、納期を守って業務をやり遂げた経験は、採用担当者に伝わりやすい強みです。
また、社会人としての基本的なマナーを早くから身につけておけば、面接での受け答えにも落ち着きが生まれます。
インターンシップであれば、企業の内部で実務に触れられるため、仕事への理解がいっそう深まります。
アルバイトやインターンで得たスキルそのものだけでなく、自分から行動を起こした積極性が評価される場面も少なくありません。
早めに社会と接点を持ち、経験を自分の言葉で語れるよう準備しておくと、就職活動を有利に進められます。
スポーツや芸術などの専門性をアピールする
スポーツや芸術などの活動に集中するために通信制高校を選ぶ方は多く、その取り組みは就職活動で大きな武器になります。
一つの分野に打ち込んで身につけた忍耐力や、目標から逆算して練習を重ねる計画性は、ほかの応募者との差別化につながる要素です。専門性をアピールする際は、抽象的な言い回しに頼らず、大会の成績や活動期間、達成した目標などの具体的な事実を交えて説明することが欠かせません。
たとえば、「全国大会に出場するために週何時間練習し、どのような工夫をしたか」まで語れると、説得力が一段と高まります。
さらに、専門性や経験を応募先企業の仕事でどう活かせるかまで結びつけて伝えられると理想的です。
打ち込んできた経験を整理したうえで、自分の言葉で語れるよう準備しておきましょう。
志望理由書や面接対策などを徹底する
志望理由書や面接の準備を入念に行うことは、通信制高校の生徒が就職を有利に進めるうえで欠かせません。
志望理由書や面接では、「なぜその企業で働きたいのか」「入社後にどう貢献できるのか」が具体的に問われます。
説得力を持たせるには、事業内容や業界内での強み、企業理念、求める人物像といった点を押さえた企業研究が必要です。
調べた内容と自分の経験を結びつけ、その企業でなければならない理由まで語れると評価が高まります。面接対策としては、想定される質問への回答をあらかじめ整理し、声に出して練習しておくのが効果的です。
とくに志望度の高い業界では深く掘り下げた質問を受ける場合があるため、模擬面接を繰り返して落ち着いて答えられる状態をつくりましょう。
3年間での卒業を目指す
通信制高校は自分のペースで学習を進められる反面、計画的に取り組まないと卒業が遅れてしまうことがあります。
特別な事情がないまま卒業に時間がかかると、採用担当者に自己管理の面で不安を持たれる可能性も否定できません。
3年間での卒業を目指すには、卒業までに必要な単位数を早い段階で把握し、月ごと・週ごとの学習計画に落とし込んでおくことが大切です。
レポートの提出期限やスクーリングの日程を管理し、遅れが出たら早めに取り戻す習慣を身につけましょう。なお、高校生の新卒採用は、例年夏から秋にかけて募集と選考が本格化する傾向があります。
高校3年生の夏休み前までに志望する業界や職種を固め、応募書類の準備や選考対策を進めておくと安心です。
計画どおりに3年間で卒業した実績は、継続力と自己管理能力の証明として評価されます。
通信制高校だからこそ資格習得に時間を使う
通信制高校は全日制高校に比べて自由に使える時間を確保しやすいため、その時間を資格の取得に充てると就職活動で有利になります。
資格を取得していれば、履歴書に具体的なスキルを記載でき、自分の能力を客観的な形で企業に示せます。
応募先の業務に直結する資格であれば、ほかの応募者との差別化につながり、即戦力として期待される場面も増えるでしょう。
たとえば、簿記や英検、TOEIC、ITパスポートなどは幅広い業界で評価され、学んだ知識をそのまま仕事に活かせる資格です。
近年では、美容師や介護職員初任者研修のように、専門コースを通じて在学中から取得を目指せる資格を扱う通信制高校も増加しています。
資格取得に向けて計画を立て、学校の勉強と両立しながらやり遂げた経験は、自己管理能力の高さを示す裏付けにもなり得ます。取得した資格そのものだけでなく、努力を継続した過程も自己PRに盛り込みましょう。
「社会で生きていける力」を。
- 入学前不登校経験者8割。
入学後登校率89% - ぷよぷよ、モンスト開発者、
日本一になった起業家
から直接学べる - docomo、Lotte、Mixiなど
大企業と連携したプロジェクト型学習

通信制高校を卒業した生徒の就職先は?
通信制高校を卒業した生徒の主な就職先は以下のとおりです。
- 専門性が活かせる職業
- アルバイトやインターンなどの経験が活かせる職業
通信制高校を卒業した生徒の就職先データを確認してみましょう。
文部科学省の「学校基本調査」によると、通信制高校から就職した生徒の就職先としてもっとも多いのは、「サービス職業従事者」で全体の約30%を占めています。
次いで多いのは「生産工程従事者」で2,851人です。
データからわかるとおり、通信制高校を卒業した生徒は多様な分野で活躍しています。ここでは、主な就職先について解説します。
専門性が活かせる職業
通信制高校で特定の分野を深く学んだ生徒は、専門性をそのまま活かせる職業に就くケースが多く見られます。
たとえば、情報処理やプログラミングを学んだ生徒は、IT企業でプログラマーやシステム開発の補助といった職種に進む道が開けるでしょう。
デザインやアートを専攻した生徒であれば、制作会社や広告関連の現場でクリエイティブの仕事に携わる選択肢があります。
美容や調理を学んだ場合は、美容室や飲食店で技術職としてキャリアを始められます。
専門コースを設けている通信制高校は、在学中に実践的なスキルや関連資格を身につけられるため、高校卒業と同時に専門職へ進みやすくなるのが特徴です。学んだ分野と仕事内容が直結していると、入社後の業務にもなじみやすく、早い段階から戦力として働けるでしょう。
アルバイトやインターンなどの経験が活かせる職業
通信制高校は時間に余裕を持ちやすいため、在学中にアルバイトやインターンシップを経験した生徒も少なくありません。
そこで培った経験は、特定の業界への就職で具体的な強みとして働きます。
たとえば、飲食店でのアルバイト経験があれば、接客業やサービス業の現場でスムーズに仕事を始められます。
販売員として働いた経験を持つ生徒は、アパレルや小売業界での採用で実務をイメージをしながら選考に臨めるでしょう。
事務作業を補助するインターンを経験していれば、一般事務やバックオフィスの職種で即戦力に近い評価を受けられます。
実際の業務に触れた経験は、仕事内容への理解度の高さとして採用担当者に伝わりやすい要素です。
志望する業界に関連したアルバイトやインターンを選んでおくと、ほかの応募者との違いを明確に示せます。経験と応募先の仕事を結びつけて語れば、就職活動を有利に進められるでしょう。
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最後に
通信制高校卒業後の就職について不安を感じる必要はありません。通信制高校の卒業生は、全日制高校の卒業生と同様に多様な進路・就職先を選択できます。
また、通信制高校ならではのメリットを活かせば、全日制高校の生徒以上に魅力的な人材になれる可能性もあります。
就職サポートが充実した通信制高校を選択し、在学中から積極的にキャリア形成の準備を進めることで、より有利に就職活動を進められるでしょう。
HR高等学院では、独自のカリキュラムと生徒一人ひとりに寄り添ったサポート体制で、就職活動を力強くバックアップしています。
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