2024年秋に開催した、「通信制から、一流大学・企業への道が開ける!?偏差値だけでない『社会で生き抜く力』を育てるには」のイベントレポートです。動画でも、ぜひご覧ください。
HR高等学院 公式サイト https://hr-highschool.com
イベント概要
開催日
2024年10月5日(土)10時~11時(受付開始9時45分)
開催方法
ZOOMウェビナー
プログラム
【第一部】
講演(成田 修造氏)
【第二部】
パネルディスカッション(成田 修造氏・山本 将裕 / モデレータ:飯田 有紀子)
今「社会で生きる」力がつく通信制学校:HR高等学院とは?
【質疑応答】
放課後相談タイム
概要
来年度のHR高等学院の開校に向けて、ご関心をお寄せいただいた学生や保護者、教育関係者に向けて、共同設立者の成田修造氏が講演を行い、山本将裕から、HR高等学院の特徴をご説明しました。成田氏は、14歳から25歳までの人生で重要な3つのテーマ(越境、発見、失敗)について語り、多様な経験と学びの重要性を強調しました。山本は、HR高等学院の特徴として、企業連携・社会人との交流・キャリア探究・個別サポートを挙げました。パネルディスカッションでは、通信制高校の選び方や、大学入試・就職活動の変化についても議論されました。最後に、ご参加いただいた方からの、奨学金制度や不登校生徒へのサポート、オンラインと通学のバランスなどについてご質問へお答えしました。最後に、HR高等学院の出願開始や今後の展開についてご案内しました。今回は、そのイベントの一部をレポートします。
第1部 成田修造氏講演「未来を創り出す方法」
HR高等学院の共同設立者・成田修造さんから、学校選びや教育に対する考え方を、ご自身の人生におけるターニングポイントや、キャリアから得た気づき、起業するまでのリアルなストーリーを交えて、お話いただきました。
成田さんプロフィール
應義塾大学経済学部在学中より起業やベンチャー勤務を経験。2012年に株式会社クラウドワークスに参画、執行役員に就任。創業3年で上場を果たす。2020年10月からは同取締役 兼 CINOとなり、2022年12月に取締役を退任。現在はエンジェル投資などしながら、次なる起業に向けて準備中。2023年より株式会社RePlayce特別顧問。
14歳からの10年における3つの大事なテーマ
成田さんは、14歳からの10年における3つの大事なテーマを挙げてお話してくださいました。
①越境
東京都北区に生まれた成田さんは、小学校までは運動が好きなお子さんで、平穏な毎日を過ごしていらっしゃいましたが、14歳と17歳におきた家庭の状況変化でショックが続き、人生を見直すきっかけとなったそうです。ユニークなお兄さん(成田 悠輔さん)の存在が大きく、「36冊の読書リスト」※を作ってもらったことが、最初の「越境体験」でしたと語りました。
※「36冊の読書リスト」成田さんのXより https://x.com/shuzonarita/status/1484174453978263563
「この時良かったのは、哲学やアート、数学、映画など、異なる分野について横断的に考えたり知識に触れることで、それまで学校の勉強では得られなかった物事のつながりが見えたり、興味が沸いたことです。映画を年間百本見たり、様々な本を読んだり、高校生の時に大学の授業に行ってみたり、講演会に潜り込んだりなど、たくさんの”越境”を繰り返しました。」と述べました。
さらに、インプットを深めることでアウトプットが深まるため、基本はインプットが大切であるとお話されました。
「インプットが単なる勉強の中でやってしまっていると、テストが終わると失われてしまいますが、幅ひろく越境することで得たインプットは、有機的に色々なものがつながってきます。そのつながったインプットが、次の深いアウトプットにつながって、自分の中で今までにない思考ができたり、考察が深まったりします。AIの発達もまったく同じことが起きています。越境と、膨大なインプットがすべての素地となると言えます。受験のための勉強も大切ですが、それだけではなく勉強的基礎を活かした越境が大切で、この転換が人生を変える重要な一歩だと思います。」
②発見
慶応義塾大学に入学した時、これからの時代は「IT × ファイナンス × 起業家精神」であるとお兄さんに言われた成田さん。当時はまだ成田さんご自身がその分野にまだ詳しくなかったことから、学んでみようと、大学の「ビジネスサークル”OVAL(オーバル)”」※という、日本と中国と韓国の学生を対象にした国際ビジネスコンテストの運営をしている学生団体に所属したとのことです。
「このサークルを通して、僕は多くの起業家・経営者に出会うことができました。ミドリムシの技術を軸にバイオジェット燃料などを開発したユーグレナの代表取締役社長である出雲充さん、印刷・広告プラットフォームを展開するラクスルの代表取締役会長の松本恭攝さんなどは、サークルの先輩にあたります。他にも、たくさんの国内外で活躍する起業家と出会うことができました。」
※ビジネスサークルOVAL
2003年に結成され、東アジア発のグローバルリーダーの輩出をビジョンに掲げ、日中韓の学生を中心にした国際的なビジネスコンテストを毎年運営している学生団体。https://www.oval-japan-official.org
日中韓の学生と話をしたり、経営者も多く、対話する中で、今までのインプットしてきたものによって思考の進度が深まっている状態から、自分の興味関心というものがグーッと発見されてきた感覚があったと語りました。そして、この時の海外人材や経営者との出会いにより、起業や経営への興味関心が高まったそうです。
「琴線に触れる「発見】が大事。感動で心が動いたものが、自分のやりたいこと。それが見つからない場合は、インプット不足か感度不足。まず、インプットを深めていかないと、感度は育たないので、様々なものに触れる機会がとても大切です。」とお話しました。
③失敗
最後に、「失敗の大切さ」についてお話しされました。
「大学生の時にアルバイトしていた会社(asta muse)で、会社の変革を社長に伝えたところ、2年生で正社員登用されました。21歳当時、立てた目標はふたつあり、22歳までに役員になること、24歳の時に上場することです。がむしゃらに1年半働いたのですが、そこで失敗したんです。プロダクト作りや失敗を振り返らないなど要因はありましたが、そこではじめて「自分でやる(起業する)」ことに挑戦しました。アート×ITの視点で創った会社ですが、”市場が狭い・ビジネスモデルが弱い”等いくつかの要因があり、また失敗をしました。社長を退いて、再スタートしたのが23歳です。」
同時期に、クラウドワークス創業者の吉田さんのお誘いで、クラウドワークスでインターンを始められました。東南アジアとシリコンバレーに行くことになり、スタンフォード大学やシリコンバレーの環境に触れて、大きな刺激を得たと話します。
「大学4年生の時に、執行役員として参画しました。創業3年でマザーズ上場もし、最終的には取締役副社長COOになり11年間経営をしました。ここで、重要なのは私が成果を掴み取るまで二度の失敗をしていることです。人生を脅かすものでなければ失敗は成功の糧になります。成功確率1%のことも、100回目の挑戦をすると63%の成功確率になります。相当確率の低いものでも、何度もやれば成功すると言えるので、失敗を成功への経験学習と捉えることが大事だと思います。」
最後に、成田さんの好きな言葉をご紹介してくださいました。
未来を予測する最善の方法は自らそれを創り出すことだという言葉です。(パソコンの父とも言われる米国の計算機科学者アラン・ケイの言葉)
「学生の皆さんが、素晴らしい人生を自ら創り出すことを心から願っています。」と、講演を締めくくりました。
第2部 パネルディスカッション(一部ご紹介)
第2部では、成田さんと山本が、教育に関するテーマに沿って意見を述べました。
これからの学校教育に必要なことは
成田さん「自分の心に灯るものを発見するのが何よりも大事です。AIの発展もあり、多くの人が考えることややれることは代替されていくので、自分だけのオリジナルな視点が蓄積されていくように環境を設計していくことが大事だと考えています。」
山本「学校は通過点のひとつなので、最終的に学生の皆さんが幸せになることを目指すのが究極のゴールだと思います。京都大学の溝上先生の調査結果でもありますが、高校生の時に豊かな体験・課外活動をしていたり、学校以外の大人や仲間との触れ合いがあったり、将来のことを考える機会が定期的にあると、将来のキャリア満足度が高いと言われています。そうした機会を、学校教育が創っていくのが大事だと考えています。」
進学先を選ぶ際に重視すべきポイント
山本「勉強は自学でできる環境があるのが大事だと思います。越境体験や失敗ができる環境かどうかも、非常に重要です。進路についても、受験がすべてではなく、キャリアを狭めることがないことも大事かと思います。」
通信制高校サポート校がもつ可能性
成田さん「一つの教室にみんなで座学を受けるという従来の学校スキームが古くなってきていることがまずあります。選択肢として現代にフィットしていると思っています。HR高等学院は、通信制高校サポート校として実体験のビジネスや子育てなど経験をもとにカリキュラムを設計しています。通信制高校が重要で必要なことを学ぶ場、重要だが必要不可欠ではないことを通信制高校サポート校で学べることがこれからは大事になってくると考えています。」
山本「従来の教育が崩壊している中で、新しい学びや環境を求めている方が増えているのは企業も感じています。自分で問いを立てて挑戦するような、多様な学びをしてほしいと望まれているので、企業からの期待も非常に感じています。」
通信制から一流大学・企業への道
成田「学生の皆さんそれぞれの取り組み次第で、可能なことと思います。一流大学や企業の定義にもよりますが、通信制だからどうという話ではなく、どれだけの刺激が得られる学校か?という点がポイントだと思います。カリキュラムの様式が決まっていない分、自由度が高いので、HR高等学院では大学進学のみを目的にした教育は行いませんが、学生お一人ひとりが、何をしたいのかに真摯に向き合う学校でいたいと思います。「人生はこれだけ面白い」ということを、伝え続ける大人がたくさんいれば、目指す道が大学になる方もいれば、意地でも企業へ入りたいという方も出てくるでしょう。私たちはその気持ちに伴走できるような環境を、しっかりと整えていきます。」
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HR高等学院として、はじめてのウェビナー形式での成田さんを交えたイベントでした。リアルと変わらない熱気と、ご参加いただいた学生や保護者の皆さんからの真摯なご質問に、私たちもより面白い学校創りをすることに気合いが入りました!HR高等学院は、体験会や相談会、説明会のお申込みを随時受付しております。ぜひお気軽に、下記フォームよりご連絡お待ちしています。
<企業概要>
株式会社RePlayce
本社: 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目10番8号渋谷道玄坂東急ビル2F-C
代表者: 代表取締役CEO 山本 将裕
URL: https://replayce.co.jp
中高校生向けキャリア探究サービス「はたらく部」をNTTドコモからスピンアウトし、2024年4月創立。若い世代の探究心に火をつけ、「今の教育のあり方をアップデートする」をミッションに、子どもたちの自己実現、今後の日本社会を支える人材育成の事業に取り組む。探究を中心とした教材開発、社会人講師の派遣、オンラインスクール事業を運営。